投稿元:
レビューを見る
上杉鷹山の先生。
江戸で旅芸人などと同じ場所で、学問を分かりやすく町人に教えていた。難しい話の本質をわかりやすい日常的な話に含ませて教えるのが得意だったらしい。
山形の興譲館という学校の名付け親であり、先生だった。
鷹山と深い信頼関係にあったよう。
一番印象に残っているのは、鷹山と先生が一緒に山村に行き、藩主である鷹山は心からの歓待を受けるが先生はそれとなく疎外されるという描写。先生は自分の立場と鷹山の立場の違いにはっとして自分を戒める。心が近く深い信頼関係にあれば立場を越えて親しみを感じるだろうけど、だからといって現実に互いが立つ立場をないがしろにしていいわけじゃない。それは傲りだと考えている場所に、凄いなと思った。不満を堪えるんじゃなくて、現実を受けとめて受け入れる心はとてもしなやかだと思う。
この人が記した「小語」を読んでみようと思う。(2011.01.27)
投稿元:
レビューを見る
去年土曜の午後8時のテレビを独占した直江兼続の失敗により米沢に移封された上杉家はそのプライドの高さと経済政策のまずさにより存亡の危機に瀕し続けていた。そんな上杉家を立て直したのがちょっと前にビジネス書関連でさかんに取り上げられた上杉鷹山。その鷹山の師が、この小説の主人公 細井平洲。難しい教えを無学な者にでも理解できるように街角で平易な言葉で語りかけるへいしゅうせんせえは民の人気者。そのせんせえが米沢藩に赴き財政を立て直し豊かな国へと導く藩政改革の基盤を据えたのだ。と、こういう話なのだけど、小説というよりは童門せんせのお話を直に聞いているようでわかりやすい。同じ話が何度も出てくるところもお話を聞いているようで…
投稿元:
レビューを見る
上杉鷹山の師である細井平洲の視点から、鷹山による米沢藩改革の様子を見渡せる物語。
「改革の動機は愛である」「人間の気持ちを高め、そして誰かのためになにかをしようという気にさせるのは、″愛″だ。」当たり前に思えるけれども忘れがちな大切なことを思い出させてくれます。
童門冬二さんの作品はどれも登場人物がイキイキしていて魅力的。
難しい言葉は使わず、現代用語に言い換えて表現してあるので、「え、これどういう意味かな?」と理解に苦しむようなこともありません。
また、当時の生活習慣などについてもきちんと説明を入れてあるので、歴史に疎い私でも抵抗なくどんどん読めます。
この本を読んだら、また「上杉鷹山」を読んでみたくなりました(*´ω`*)
投稿元:
レビューを見る
J・F・ケネディーが、尊敬する日本人として、名前をあげた上杉鷹山の師匠。鷹山は、細井平洲の学問と、直江兼続の政策を根幹に、改革を進め成功に導いていきます。
今のドラッカー理論に通じるものが、あると自分は、思います。
日本の昔にも、現代に匹敵する教育を行い実践した人が、いた事に感動しました。
上杉鷹山を知り関心を持った方は、併せて読んで頂きたい一冊です。
現代のドラッカーに、勝とも劣らない日本人が、いた事を是非知って頂きたいものです。