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世界の危機はめくるめく! 5 みんなのレビュー

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紙の本

光夫物語を通じて神の思惑が少しだけ見えた?

2010/03/04 20:27

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:DSK - この投稿者のレビュー一覧を見る

今回はおそらく満を持しての光夫物語。光夫の過去(というほど年齢は重ねていないが)や家庭の事情、光夫の男嫌いの真相などを交えて小学校での立ち位置と、ここで登場するクラスメイトにして魔法妄想少女【神林“ルフィア”こと神林祥子】との交流が描かれる。この少女によれば光夫は「八坂“アルジェス”」らしい。これらのことが前振りというか前提条件的に絡んで、神と魔神の展開、その序章とも言える内容が、今回もまた前々巻くらいから続くチラ見せで後半に描かれる。あらすじには『急転の第五弾!!』とあったが、むしろ本遍の全容や神の思惑らしきものがまた少し出てきた感じである。

そのほどんどが光夫視点で綴られるだけあって、祥子とのやり取りなどはとても小学生とは思えないものだが、ここは微笑ましくスルーするとして、今回はかなり読みやすかった印象。目前に訪れた危機に加えて、さらに大きな次元での危機の予兆、果ては神がもしかしたら味方ではないのかもしれない雰囲気といった要素が理路整然と収まっており、ある程度予測可能なストーリーの最後にちょっと予測できなかった一捻りを加える手法が今回も冴えている。

実は前半から光夫と祥子の担任の先生が出てくるのだが、この先生が真吾に代わってピンチのみんなを奮い立たせるセリフを発する。これがなかなか前向きというか最後まで諦めない芯の強さを見せており、これに呼応して実に男気のある決意を抱く光夫に繋がっていく件が良かった。自分の苦しい境遇を周りのせいにするのではなく、これを打ち破る強さを身に付ける観点は(生半可なことではないが)素晴らしいことであり、いわゆる武力ではない「心の強さ」を垣間見せるシーンだと思った。また、これに同じく感化された穂香の決意が次巻に繋がる引きを見せており、真吾を巡るラヴ方面にも新たな動きがありそうである。

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