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うーん…楽しく読んだけれど、知らない世界を教わったけれど。読んだ後よりも、ちょっと著者と関わりのあった人に紹介してみたけれど、皆からは一様に芳しくない評判を聞いた。なので、評価が分からなくなっちゃった。師匠は、発売禁止になった本を読んだそうな。そっちをちょっと読んでみたいな。
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新型インフルエンザ事件の顛末を興味深く読ませていただいた。共感する部分も多いが、一部政治家に肩入れしすぎている感があり釈然としない。2010/09/01
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厚生労働省出身者の医師が書いた本。最近こういう「さらば〜省」シリーズがはやってるみたいですね。本の中身というと、厚労省の持っている問題や疑問について筆者の考えや実施してきたことが書いてある。だいたい面白く読めるけど、だからどうするの?っていう部分があまりなくて、言いっぱなしになってる感が否めない。。と思いました。
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書闘倶楽部より
〈厚労省の通知は、法律と違って国会審議を経ずに出せるため、医系技官の思うがままである。極論すれば、通知は、彼らがこの国の医療を支配する独裁者として振る舞うためのツールとなっている〉
〈役人に自分の命を預けてよいかどうか、多様な情報を正しく知ったうえで、国民一人一人が考えなければならない〉
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いくつか正しい具体的な指摘(例えば、技官の殆どが臨床経験ゼロ、医師としての経験がある人が医療費や医療政策について決定権を持つべき)は評価されるべきだと思うが、役人俗悪論に偏重しすぎているように思う。医師の中にも病院経営者の中にもが悲劇のヒーローとは到底呼べない人たちが沢山いるはずで、厚生省の役人がみんなControl Freakでどうしょうもないと言う話ではあまり遠くに行かない。さらに、アメリカのシステムが機能していないことを指摘しながらも、やっぱりアメリカの医療システムが良く見えるらしい。隣の芝が青いのか、そうでないなら、具体的にどうすればアメリカのシステムのいいところを取り入れつつとんでもない部分を一緒に取り込まなくてすむのかが見えてこない。
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問題点をひとつひとつ分析し、読者にもわかるように解説してる点は評価できる。
ただ、現実に改善されていないことばかり。生の悲劇(un-happy-end story)を目の当たりのしているようで、読んでいてとても苦しい。
最後まで読み続けることができるのか。。至難の本です。
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厚労省の内部から、厚労省について赤裸々に書かれた1冊。
「自分たちの都合を優先させる“ペーパードクター”医系技官」という事実を知ることが出来て良かった。
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舛添元厚生労働大臣のもとで活躍した元医系技官による著作.新型インフルエンザ騒動時の舞台裏はおもしろく読めた.日本における医療,医療行政の問題点を指摘しているが(一部同意しかねる),誰にでもなれる立場ではないので,内部から改革をしてほしかった.
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研究室の先輩から紹介された本です。東京大学を卒業し、自衛隊・アメリカで研修したのちに厚生労働省で医系技官として働いた村重直子さん著。端的に言えば医系技官に対する批判の書で、医療崩壊が叫ばれる日本の現在抱えている問題について言及しています。本全体からアメリカマンセー臭がしますが、アメリカの医療には心がないと書いたり、少しちぐはぐな印象を受けました。とにかく医系技官が悪い!というスタンスから本を書かれています。たしかに医療行政の中枢ですので多くの責任があり、ペーパードクターが多いのは事実でしょうが、文句ばかりが羅列されているように思います。勿論解決策も書かれてはいます。これまで医系技官について書かれた本を読んだことがなかったので、医系技官の実情が書かれており勉強になりました。ただ、偏った意見から書かれているので好き嫌いがはっきり分かれそうな本かなと思いました。一言で表すなら「アメリカ帰りのアタシの奮闘日記☆」という印象です。
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日本と米国の医療現場で勤務後、厚労省に勤めた医師の提言。政策と現場との解離を記載しており興味深い。
ただし、鵜呑みにするのではなくこの提言を契機に知識を付けたうえで判断することが重要と思料。
第一章 「後進国」日本の新型インフルエンザ対策
厚労省の判断は医療の常識と乖離
・水際作戦として空港で到着機内検疫を実施
・検査キット結果を重視し、医師の見立てを軽視
・軽度のインフルエンザ患者をも入院させようとする(大部屋では感染の危険)
理由は、医系技官の経験・実力不足
・現場経験なし
・英語論文を読む訓練がされていない
・米国では医療経験者が指揮
第二章 「鎖国」する日本のワクチン不足
当初、新型インフルエンザワクチンが不足
・カナダ等他国では人口の半分程度を準備
理由は、国内製造ワクチンにこだわったため
・後に輸入ワクチンを投入したが遅く、余剰
・輸入ワクチン規制理由のエビデンスなし
ワクチン副作用の訴訟リスク対応も未整備
・米国やフランスでは無過失保証・免責制度あり
(VICP: 補償金を受けとる代わりに訴訟しない)
新型インフルは、法廷接種にはしなかった
・保健所接種による地方からの文句が嫌
・費用負担の問題
医療データが公表されておらず、分析が進まない
第三章 米国医療から見える日本医療
医療費削減のためによろず医師をつくる研修制度
・二年間の研修医(ローテート)制度開始
・徒弟制度が消え、手技の伝承が困難に
優れた日本医療は医師の犠牲の上に存在
第四章 医師を犯罪人にする「事故調査委員会」
事故調設置により、病院での患者受入拒否が増加
・刑事罰にするか否かの線引きは困難
・遺族の心情は、医療ミスのせいにしたい
第五章 患者のための医療再生へ
医師不足対応にはドクターフィー導入があり得る
・医師不足は勤務医不足
同時にコメディカルの分業化推進も必要
・看護師に無駄な業務をやらせすぎ
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多少の改善点はあれど、新型インフルの知見がCOVIDでほとんど活かされていないことが再認識された。私自身初期研修終了後に医系技官にならなくてよかったとつくづく思う。
勤務医不足は事実ですが、総合診療医を増やしかかりつけ医制度を徹底するという国の方針自体は間違っていないと考えます、ただしそのために患者側にも大病院志向を改めてもらう必要があります。また中小規模の民間有床病院がきわめて多くスケールメリットを活かせないこと、民間が8割であるがゆえに診療報酬等のアメとムチでしか医療の適切性を担保できないことなどの問題には触れられていませんでした。筆者はアメリカの市場原理(とプロフェッショナリティ)に委ねた医療を許容している部分があるように感じたので、役所に治療の妥当性を判断する能力も権利もあるはずが無いと考えておられるのでしょうから後者は問題に含まれないのでしょうが。
また公衆衛生の仕事が昔ほどに存在しないという記述は明確な誤りで、介入手段の策定やその効果の検証がきわめて難しいとはいえ、生活習慣病の名の通り公衆衛生的なアプローチで減らせる疾患は未だ数多あります。
アメリカの医療機関はベッドにさえたどり着ければ質の高い医療が受けられるという前半の記述と、後半のアメリカの心無い医療、医者どうしの患者の押し付けあいの部分には若干の矛盾を感じましたが、まあ医師としては入院させてしまう場合、訴訟されないレベルの標準的治療をしなければならないから質は担保されるということなのかなと勝手に解釈しました。
あとこれ読むと舛添要一は非常に有能で、改革力があったからこそ役人に恨まれ"sekoi"ごときで嵌められたのかなと勘ぐってしまう