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公開処刑の文化。
小学校卒業時に将来が決まる。
売春宿を政府が運営。
カワイイ博。
日本をベースにしつつ特殊設定を追加してる点は「人柱はミイラと出会う」に近く、
反政府組織を扱った点は「攪乱者」に近いがこれらより更に話に引き込まれた。
欲を言えばもう2,3話欲しかった!と思ってしまうのは1話1話が短く感じられたからかも。
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同じ著者の攪乱者を思い浮かべながら読みましたが、攪乱者よりも手段が過激で、今度は相対する二人を描いています。
面白かったです。
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日本に似ているが、一党独裁の管理国家である「この国」を舞台にした連作短編集。
最初の2編は結構好きなんだけど、後半はいまいちだった。
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『薔薇』や『月の海』みたいに思想が絡むと話が生き生きしてる様な。(読後は少し悪いけど…)
冒頭の『ハンギング・ゲーム』は次々繰り出される仕掛けが謎解きとして秀逸です。(欠点は最初が良すぎてラストの作品が見劣りする事…とってつけた様な結末感が)(『暴風雨』みたくコ○ケネタ解禁!?)
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おもしろかった。
特に最初の作品には惹かれた。
なんとなく日本に似ていながら非なる社会の中で、
治安警察とテロ。。。
著者得意の作風だと思います。
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ミステリー・リーグ。近作の「攪乱者」もそうですが
今作もこのクニに非常に近い設定のパラレルワールド
にテロリスト対国家という構図です。
今作は一党独裁制の管理国家の治安警察vs反体制政治
団体を短編連作で描いています。
一話目での治安側「番匠」と反体制側「松浦」の
最初の対決はお互いに対峙しながらも直接の接触が
ないまま繰り広げられる頭脳戦で、なかなか読み応え
あってこの作品の掴みになっています。
その後やや引いた視点で展開される攻防と、管理国家
であるこの「国」の現状を挿入しつつ、再び
番匠と松浦との対決へ。
すでにお互いの私怨をはらす対決になっているこの
2人攻防はともすればバタバタのコメディすれすれの
アクションの波状を経て意外な結末で終焉を迎える。
似た者同士で敵同士で私怨をはらそうとした2人が
最初に接触したのが皮肉にも◯◯であり、その
行為自体がこの2人の関係を終わらせる。
これは上手い!してやられました!
ここで書かれる「国」が現在のこのクニの行き詰まりを
打破する極論とは言え、ある部分に於いては今のこの
「クニ」よりも良く思えるのは..やはり本当に危機的
状況なんでしょうね。
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面白いような気はするけれど読んだ後全然ハッピーな気分ではなかった。なんていうか、わかってるんだけど、どうしてもね。
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一党独裁の「この国」における、治安警察の番匠少佐とテロ組織との攻防を描く。
非戦・平和を保ち、人材育成を重要視し、経済的にも豊かで、自由な文化の発展を認めている。「この国」は理想的・理性的に運営されているように見える。一党独裁で、国に対する一切の批判が許されないことを気にしなければ。
テロ組織のプレーンと番匠の息詰まる頭脳ゲームは読み応えあり。
同じ作者の『撹乱者』と合わせて読みたい。
収録作品
ハンギング・ゲーム
ドロッピング・ゲーム
ディフェンディング・ゲーム
エミグレイティング・ゲーム
エクスプレッシング・ゲーム
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石持らしい「この国」のお話。に、しては中途半端感が強いです。ただし「ドロッピング・ゲーム」は秀逸!!
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開国以来、一党独裁体制で長く安全を享受してきた「この国」。常に戦争を避け、ひたすら経済大国への道を歩んできた国ではあるが、安全の維持のためにこの国にもふたつの組織がある。ひとつは国民の日常生活を守る治安警察、もうひとつは他国と相対する可能性を秘めた国防軍・・・
治安警察の番匠少佐の周囲で起こった、「この国」ならではの事件の数々。
●「ハンギング・ゲーム」
国家反逆罪で菱田の公開死刑を執行することになった番匠少佐。反政府組織は必ず阻止を試みるはずだが、番匠は確実に執行しなければならない・・・息詰まるような攻防。死刑執行を待ちわびる観客にこの国の異常性が強くあらわれています。思ってもみないとはこういうことをいうのでしょうね。
●「ドロッピング・ゲーム」
第63回日本推理作家協会賞短編部門候補作。エリートコースである海洋学校への進学が叶わなかった翔一。彼が校舎から転落したのは自殺なのか。だとしたら、立ち直りを見せていた彼がなぜ・・・小学校の成績で将来が振り分けられてしまう教育偏重社会の歪み。理性的で強い悪意に反感を覚えるとともに、この国ならではの真相に感心させられました。
●「ディフェンディング・ゲーム」
4件続いた強盗未遂事件。他国軍の関与を考慮した治安警察は、海軍士官学校に見回りを依頼した。3人組で見回りをする麻岡、池、印南の目の前に不審な男が・・・収録された作品の中では、もっとも現実よりかも。それでも、この国のおかれた状況がしっかり絡められ、なおかつ同じ学校でも「ドロッピング・ゲーム」の持つ後味の悪さが払拭されるような気がしました。
●「エミグレイティング・ゲーム」
公園で殺されていた男は、サタの昨夜の客だった。その次に殺された男も、その次の男も。簡易宿泊所と呼ばれる国営売春宿に、ついに番匠が現れ・・・「この国」の世界と登場人物たちの背景、そして事件がうまくかみ合わせられた一篇。とくにサタの困惑するような心情が手に取るように伝わってきます。
●「エクスプレッシング・ゲーム」
「カワイイ博」会場でのテロ計画を察知した番匠。標的である貝塚の警備を固める番匠だったが、復讐を誓う松浦は、周到な計画を立て・・・頭脳ゲームのようだった作品群の最後に添えられた派手なアクションもの。そこに秘められた頭脳プレーに注目。
短編ひとつひとつがおもしろく、論理とサプライズに徹した作品集。読者の常識からすれば、どこかずれた感じがする「この国」に住む人々に光が当てられ、その行動と動機の異常性を明らかにしていきます。
ただし、『この国。』というタイトルの割には「この国」そのものに直接焦点が当てられなかったのは残念。そのあたりももっと浮き彫りにしてほしかったかな。
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石持さんの本は、今までに数作しか読んでいないが、そのどれもが「それはない」といいたくなるような内容だったりした。
けれど現実の世界観から離れた(もちろんわが国をモチーフとして書いているのは否定できないが)世界観で書いたため、これはありだと思う。
主人公とライバルとの高度?な心理戦がメインだが、その裏ではこの国の色々な問題を疑問視している。
過去の作品にも眼を通してみようかという気になった。
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経済的に発展して、生活水準も上がっていて、豊かなはずの「この国」で起こる数々の事件。反政府組織と治安警察との頭脳バトルは読み応えたっぷりです。一番面白かったのは「ハンギング・ゲーム」。繰り出されるあの手この手に、そしてあの手段。やられたなあ。
さて、これほどの事件が起こる「この国」は、果たして住みよい幸せな国なのでしょうか? 特に「ドロッピング・ゲーム」を読むとそう思いました。その点がこの作品における一番の謎なのかもしれません。
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国家の転覆をもくろむテロリストと、国家権力との戦いの話。
現実の日本と少しだけ違う歴史を歩み、理想的な国家となった日本を部隊に話は進む。
バラバラの話だけど、実は繋がっていて、最後にまとまる。
何故かテロリスト側を応援してしまうけど、どちらの視点でも楽しめる話。
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体制側(番匠)/反体制側(松浦)の連作短篇の形を取っていたらラストももうちょっとしっくりきたんじゃないか、とは思う。まあ『攪乱者』読めばいいって話ですが。最後の話はコミケやデザフェスをイメージして読むと楽しいと同時に戦慄できるのでオススメ。
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明治維新後、戦争はせず一党独裁となった架空の「この国」が舞台。死刑制度、専守防衛、官僚支配、売春…今の日本を揶揄するような「この国」。
しかし、あれ?日本とこの国ってどこまでの違いがあるんだろう、という不安にかられてくる。それほど大きな本質的な違いが、あるのか?「この国。」はいい国なのか。
ラストの攻防戦は映画でみてみたい。