投稿元:
レビューを見る
あの「ねこに未来はない」の奥さんへのメッセージ。
クリムトの繊細でなおかつ大胆で、「あなた」の住む場所のようなとてもあたたかい絵と、長田さんの詩。
だんぜん、長田さんの詩をよみたくて、買ったんだけど、本屋さんで手に取った瞬間、表紙の絵にひかれて購入してしまった。
あ、そいえば書評で読んだとき、絵はクリムトってあったけど、これもそうかいなー!とレジに持っていくときにビックリしてしまった。
実はあんまりクリムトの絵が、金ぴかでなよなよしてて、スキじゃなかったけど、一気に好きになってしまった。
もちろん、中身の長田さんの詩、よいです。
詩と死。
投稿元:
レビューを見る
クリムトの美しい絵に、奥様にささげられたような詩。心に染み入ります。魂に響きます。
再読
今改めて読んで,死者と生者の区別なくそこに寄り添い静謐な時間が流れています.癒されました.
投稿元:
レビューを見る
ふとあることを思い出して涙が出そうになった。強い詩集だ。遺されたものへの詩集だ。
今を生きる私たちはいつだって遺された者であり、これから何度もその遺された者を経験していかなければならないかもしれなくて、その度にとてつもなく寂しかったり取り戻せない時間を激しく悔いたりするのだろうけど、そこにあった記憶、つまりは共有した生を「信じる」という潔さがとても強いと思った。
そばにいるはずの死者に私も会いたい。そして甘えたい。
投稿元:
レビューを見る
”死ではなく、その人が
じぶんのなかにのこしていった
たしかな記憶を、わたしは信じる。”
”ことばって、何だと思う?
けっしてことばにできない思いが、
ここにあると指さすのが、ことばだ。”
…など。噛みしめる。
投稿元:
レビューを見る
花を持って、会いにゆく と 人生は森のなかの一日 ふたつの詩とグスタフ・クリムトの絵で構成されている。
どこにもいないのではない、どこにもゆかないのだ。
投稿元:
レビューを見る
長田さんの言葉はまっすぐで気持ちがいい。うそがない。
「そのとき、ふりかえって 人生は森の中の一日のようだったと 言えたら わたしはうれしい。」という最後もすっきりして絵が見える。
投稿元:
レビューを見る
クリムトの樹木と花々の絵が美しく、宝物にしたい一冊です。長田さんがあとがきにも記しておられる「亡くなった人が後に遺してゆくのは、その人の生きられなかった時間であり、その死者の生きられなかった時間を、ここに在るじぶんがこうしていま生きているのだという、不思議にありありとした感覚。」という意味を、大事な家族を亡くした経験とともに反芻しました。そしてこの詩はその喪失感に寄り添い、癒す力を持っているのです。美しい絵と、作者の亡くなった人へのあふれる愛情が相まって、心の奥底にしんとつわたってくる。素晴らしい詩、二篇です。
投稿元:
レビューを見る
『花を持って、会いにゆく』『人生は森のなかの一日』の二編が収められた詩集。
クリムトの優しい風景画・植物画に添えるような、優しい言葉の数々に引き込まれます。前編は大切な人をなくした際に前を向けるように、後編は“生”というものにじっくりと向き合いたい時に。ぽっかり空いた心の穴をゆるやかに埋めてくれる、癒しの詩。
投稿元:
レビューを見る
誰もが経験したことのある、または必ずする喪失についての詩がふたつ。なくなったひとはどこにもゆかない。いつもここにいる。シンプルだけど奥が深くてしんみりと出来ました。誰かに勧めたい一冊です。
投稿元:
レビューを見る
詩人は2編の詩にグスタフ・クリムトの風景画を詩の背景として選びました。クリムトの絵は「接吻」に代表されるような、金色の強い人物画という印象が強くありましたが、風景画も残しているのですね。正方形のフレーミングの中、独特な色彩の集合体として描かれています。
長田さんのあとがきに次のように書かれています。
なくなった人が後に遺していくのは、その人の生きられなかった時間でありその死者の生きられなかった時間を、ここに在る自分がこうしていま生きているのだという、不思議にありありとした感覚。
わたしにとってのクリムトは、誰であるよりもまず、樹木と花の、めぐりくる季節の、死と再生の画家です。
「花をもって会いにゆく」、「人生は森のなかの一日」どちらも、失われた人の遺した時間を、いま生きる自分が絆として感じなら、深く思う気持ちが満ちていました。
印象に残る1節
ことばって何だと思う?
けっしてことばにはできない思いが、
ここにあると指すのが、ことばだ。
投稿元:
レビューを見る
長田さんの奥さまが亡くなったあとに発表された詩集。
優しくて、悲しくて、強い。
そしてやっぱり優しい。
投稿元:
レビューを見る
素敵すぎて言葉を失う。
文も絵もゆっくりと何度も読み返した。
なんどもなんどもひたっていたいと思いながら・・・
投稿元:
レビューを見る
死ぬということは、遠くへ行ってしまうのではなく、ここにとどまっているということ。
残していった人の時間をここにいる自分が生きている。
投稿元:
レビューを見る
森の沈黙はすべてが言葉
森には余計なものは何もない
死んだあとには
かなしみをもたずに この場所で会おう
人生は森の中の一日のようだったと。
愛の詩だなぁ。
生きているうちに伝えられたら、相手の反応も見られるから、もっと素晴らしいんだろうと思う。
今は森の日中かな
一つ一つの言葉を大切にしていきたい
投稿元:
レビューを見る
クリムトの絵にふたつの詩がコラボした本がある。クリムトのどの絵をチョイスするのかなと思ったら、思ってもみなかった作品が選ばれていました。とてもおだやかに絵と詩が溶け合っています。理解者がいてこんな美しい本に仕上がるのは素敵なことです。