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記憶捜査官の主人公を中心に繰り広げられる物語。
未来の日本は、生まれてすぐに脳内にメモリーチップを入れられ、すべての記憶は、そのチップに記憶されている。
治安維持のための証拠として、また更生のため悪い記憶を削除するなど、記憶操作を巡る物語が警察の権力争いと絡めて展開される。
成りあがるため、違法である記憶削除に手を染める上層部。
面白い記憶を売ると金になるため、記憶を買い取る捜査官。
そこから驚きのデータが…このデータが「下巻」で嵐を巻き起こす。
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“「なあ俺、マジで何の記憶を消されたんだよ」
中村少年は母親にそう尋ねたが、母親はそれには答えずもう一度相馬に向かって頭を下げて背を向けた。
「なあ、答えろよ」
今度は荒々しい口調で迫った。普段は息子に弱気であろう母親だが、この件に関しては断固無視を決め込んでいる。
豊州駅のほうへと歩く二人の背中をしばらく見守っていた相馬はふと思った。
自分の頭に埋め込まれているメモリーチップから、記憶を削除された事実を知ったときほど不安になることはないだろう。受刑者は罪の意識や苦しい過去からは解放されるが、いったいどの記憶が削除されたのかという不安がつきまとう。もしかしたら一番大事だと思っていた記憶までもが消されてしまっているかもしれないと思うと恐怖感すら憶えるだろう。
あえて『記憶が削除された』と受刑者に認識させるのは、罪の意識や罪悪感を忘れさせる代わりに、自分のどの記憶が削除されたか分からないという不安と苦悩を与えるためなのかもしれない。相馬は、もし自分が罪を犯して記憶を削除されたとしたら、削除そのものよりも一生つきまとう謎と不安のほうが重い刑罰だと思った……。”
記憶の消し合い。誰に、どの記憶が未だ残っていて、誰がどの記憶のチップを握っているのか。
下巻に続く。
“全国民へのメモリーチップ装着が義務づけられたのは、今から六十五年前の二〇三〇年の六月一日であった。
日本では不況を背景に社会不安が増大し、様々な犯罪が多発、そして重罪化していた。
政府は犯罪撲滅のため、人間の記憶をメモリーチップによって自由に出し入れできる装置を開発し、その翌々年、記憶削除法を制定すると全国民に装着を義務づけた。新生児の場合、生後三十日以内にメモリーチップを埋め込まなければならず、一日でも過ぎれば保護者は五年以下の懲役という厳しい罰則が科せられる。
頭に埋め込まれたメモリーチップは百五十年分の記憶を記録する膨大な容量を持っており、記憶はすべて蓄積される。
経験したすべてのことを記録することで、自らの犯罪は言うまでもなく絶対の証拠が残るし、犯罪を目撃した際の記録を警察が調べることもできる。全国民が監視カメラの役割を担うことで犯罪の減少や検挙率の上昇、冤罪撲滅効果も大いに期待された。”
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山田さんの初の上下物語。
本腰を入れて文章を書いたのかと思って読みましたが、いつものどおりっていう感じですね。
多少文章がマシになってきたかなぁと思います。
違和感を感じる、とよく表現していたのにやっと違和感を覚えるに訂正されていたのが面白かったです。
内容的には人の記憶を削除出来る近未来のシステム。
それを乱用して不正行為を行う者がいた。
出世のためにストリートチルドレンを虐殺する。
邪魔をするものは左遷・記憶削除。
本部長にまで出世した黒宮はどうなっていくのか。
という感じで「下」に続きます。
が、何が面白いかさっぱりわかりません。
期待もなにも裏切らずそのまま終わっていきそうです。
ただちょっぴり山田さんは成長したような気がします。
でもまだまだ話の盛り上がりや期待感が高まらないのは否めません。
読みやすいので普段読書しない人にはオススメです。
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これにはまたスイッチを押すときと
似ているようで違って
とてもハラハラさせられました。
ストリートチルドレンの運命には
とても気になりました。
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記憶操作によって、記憶の削除が出来る時代。
記憶操作の資格を持った記憶操作官のお話。
そして上の立場に立とうと奔走する、醜い人間の物語。
作中で同時に起こる様々な出来事。
とても楽しめた。下巻もすぐ読みます。
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ひょっとするとこの様な時代が本当に来るかも知れないね。
現に犯罪者にICチップを埋め込んで、居場所を分かるようにする国もあるくらいだからね。
ただ、一生の間、見たもの聞いたもの全てが記憶されているというのは、非常に怖いことですが…
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山田悠介さんの本は初めて読むかも。
買ってから読むまで長かったなー…。
生まれたら直ぐにICチップを埋め込まれて、その瞬間から死ぬまで記憶を記録されるなんて…いつかそんな日は来ちゃうのかな?
でもきっとこの本にある様な不正が蔓延るんだろう事も想像出来るなぁ…。
記憶を消されるって怖いね。
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記憶が操作される、操作できる。そんな世界。
怖すぎる世の中。
ただでさえ物を忘れることが出来るというのが素晴らしいという一面を持った人間なんだが、この物語は、操作することによって
犯罪を管理でき、社会を統制できるという斬新な設定で面白い。
そんな世界でも欲、犯罪はやはり起きるものなのだ。
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ハラハラどきどきでした!
正義を貫く人、悪に染まって自らの欲望を満たそうとする人…
そんな悪に染まった人が頂点にたった時、どうやって真実を突き止めるのかとても気になります!
早く(下)を読みたいです。
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一人だけの視点だけではなく
複数の視点から描かれていて
とても読みやすくて、面白くて、感動しました。
今までの山田悠介さんにはない
書き方だったので少し驚きました。
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これまた娘が図書室から借りてきたものを借りました。
最近こういうの増えたなぁw
さておなじみの山田悠介作品、わ~オモロイ~と読み進めたはいいものの
あの~下巻がないんですけど~。
下巻読んだらまた書きます。
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サクサク読み進められるし、何より設定が面白かったです。
一人一人の人物像がハッキリしているし、それぞれの視点で話が進んで行くので、理解しやすく入り込みやすいです。
下巻に期待。
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近未来?犯罪防止のため、法律により産まれてすぐ全国民の頭に埋められたメモリーチップ、全ての記憶がそこに記録され犯罪実証の証拠とされるという、まずありえない設定で物語が進んでいく……。犯罪を犯すと再犯防止の為、裁判所の判決で当人から犯罪の「記憶削除」を執行する組織MOCに回され、それを実行される。極悪犯の場合全ての記憶・学習が消されリセットされるという。MOCの組織はびこる所内の権力闘争に巻き込まれていく、所員相馬誠視点でストーリーは進むのだが…。コンピューターゲームの中に入り込んだようで違和感が大きい。
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スイッチを押すとき」から五年後の話らしく、好きだったから期待したけど、あまり関連性なし。
記憶を消去できる世界の話。