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「白旗アパート」というネーミングが気に入って読みました。(*^_^*)なぜか屋根の上に白旗が挙げられているボロアパート。もうそれだけで、人生に降参しているみたいな住まいなんだけど、実際にそこに住む人々には、どこか負のオーラがあり、また、その感覚を結構楽しんじゃっているところが面白かったです。加藤氏(ここに引っ越してきた途端に売れなくなった小説家)、フトシ氏(バイトに明け暮れる大学6年生)藤井寺氏(開業医の息子で医学部受験生・・??)の三人が中心となって話が進むのだけど、この呼び方って、トキワ荘を意識してるよね。アパートの外見も似てるし、そして、トキワ荘の面々のほとんどが功成り、名成し遂げたことを思えば、もしかして彼らだって、と嬉しくなってしまう。ちょっとネタばれ入ります。後半、貧乏神たちが出てきたのは、ちょっとやりすぎかなぁ、という気もするけど、その一篇は一篇で面白かったです。伊藤たかみさん、私は全部読んでいるわけではないけど、少々読みにくい作家さん、というイメージがあったから、この作品が今まで読んだうちではい一番好きかも。
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以前から気になる作家さんだった伊藤たかみ。今回初めて読んでみて、いっぺんでファンになった。
まず、文章がうまい。ユーモアがある。品格がある。それだけで好きになるには十分だが、彼の文体にはみずみずしさと切なさがあり、それが希望と哀愁を呼び覚ます。
都内のおんぼろアパート、通称「白旗アパート」に暮らす、運勢停滞気味の作家の加藤、アルバイトばかりしている大学留年中のフトシ、医大浪人生の藤井寺の三人を中心に、彼らの青春時代の終わりを描く成長小説。
人物設定がしっかりしており、加藤には加藤浩次、フトシには塚地武雅、藤井寺には佐藤健を脳内で勝手にあてはめ、楽しんで読んだ。
読み終わるのがさみしくなるほど、白旗アパートの住人に愛着を持てた物語だった。
伊藤たかみ氏の作品を、早速いろいろと図書館から借りてきた。あまり誰にも借りられていないようで、本を選ぶのもより取り見取り状態だった.そんなところがまた、ファン心理をそそられる。
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2012/02/18 視点が変わる連作はいい。ボロアパートが舞台なのもいい。が、それらしい伏線が回収されず、そして唐突に終わって後は知らないという置いてけぼり感が再来。結末を見てから読んだ方がいいかも。
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白旗アパートの二階に住む、(主に)青年三人の話。章ごとに視点が変わります。こういったぼろアパートや住人達の話は面白い。
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ボロアパートの屋根には何故か白旗が掲げられていて
そこの住人たちはまるで人生に白旗をあげているようだと
自虐と愛着を込めていい、貧乏生活を送っている。
2階の住人、駆け出し作家の加藤
でぶで実家が貧乏の万年留年大学生のフトシ氏
実家は金持ちでお坊ちゃんで医大試験失敗を繰り返す藤井寺くん。
東京の片隅で、どうしようもないボロアパートでの
人生をさまよっている途中の若者たちの日常。
明るく書かれていて、おもしろい。青春って感じ。
フトシの笑い方が「ぶぶぶ」っていうのがツボ。
何者にかに、ならなければならない。
アパートが解体されるのをきっかけに、3人の人生もいつしか動き出す。
人が成長していく過程っていいね。
前へ進んでいく速さは人それぞれだけど、たとえグズでのろまで全然前に進んでいないように見えて、
実はしっかりと少しずつだけど前進していたんだね(何
いいね!)^o^(
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面白かったので、他の作品も読んでみたくなりました。
あっけない終わりかたもなんか良かったです。
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読んでいて、「ルーザーズ・ヘブン」という言葉を思い浮かべた。朝日新聞の 芥川賞作家 楊逸さんの新刊の書評にでてきた言葉で、「負け犬の楽園」というような日本語訳がついていたように思う。あまりに激しい競争社会に疲れた中国の人達の、いっそそういう社会からドロップアウトしてしまったら楽かもしれない…という気持ちを表す言葉であると書いてあったように思う。競争社会から落ちこぼれ、自由に気楽に生きている人達に対する憧れに似た気持ち。
この本の登場人物も人生に白旗を掲げたような人達で、それを象徴するかのように屋根の上に白旗がはためくおんぼろアパートで暮らしている。
終盤、アパートが取り壊されることになったときに登場人物の一人が言う「人生にも節目節目に締め切りがある」という言葉が印象に残った。まさに今 私もそういう状況だからだ。自分の意思に関係なく、突如、今の状況に終わりが設定されてしまった。でも、この本を読んで、人生の新しい段階にに向かえと背中を押されているのかもしれないと感じられて、少し勇気づけられた。
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なかなか面白かった。
文調は全然ちがうけど、貧乏で阿呆なキャラ設定が、
ちょっとモリミーを思い浮かべた。
2013-1
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「そのころ、白旗アパートでは」伊藤たかみ◆白旗がはためく〈白旗アパート〉に住む売れない作家・加藤氏、二浪二留の大学六年生・フトシ、26歳の浪人生・藤井寺君…敗北ムードの日々から一歩踏み出す日は近い(はず)!ぐだぐだでダメダメだけど彼らは確かに生きていて、たくましくて妙に頼もしい。
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東京のボロアパートに住む青年たちのお話。
仕事、勉強、恋愛が上手くいかなくても、東京の「隙間」のような居場所を見つける。ただ、それは若い間だけ。いつかはその隙間から出て、青春から抜け出さないといけない。
全然、さわやかさがない青春の物語だったなあ。
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モラトリアム人間達の話。人生に白旗をあげた人達がここからどうかするんだろうが、投げっぱなしスープレックスの様に後は読者の想像にお任せで終わる。
その余地があるのが良いと狙っているのか?
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おもしろかった。
貧乏アパートでのおバカな日々。
とはいうものの、貧しくも楽しかった青春、とゆー感じでもない。
思いかえすと、恥ずかしいような、懐かしいような、
大切なような、そんな気持ちになるような日々、という意味では青春ものっぽくもあるのだが、
青春ものにつきものなキラキラ感は皆無である。
けど、なんかちょっといいカンジではある。
三人三様に結構好きだった。
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本を読む時期ってあるように思う。
大学生の頃に読むときっと心に残る一冊になったかも…今はそれほどでも。
今からどんな人生が待っているのかなんて考える頃に出会いたかった。
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通称、白旗アパートと呼ばれる、屋上に白旗が上がったオンポロアパート、その中の3人の住人の日常を描いた話。はじめはウダツのあがらない3人のエピソードは少し退屈なように思えましたが、アパートの取り壊しが決まって、現状から解放されていくラストは、ちょっとだけ前向きで清々しく良かったです。加藤氏のキャラクターがおもしろかった。
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青春の締め切りみたいなものを感じさせるお話。
学生時代に読んだらもっとはまったかも。
伊藤たかみさんの文章はやっぱり好き。