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「システム改革」って聞いていそうで、実はあんまり聞いたり使ったりしてないキーワードのような気がする。「正攻法」ってなんだろ?と思って、手にとってみたら、なんと「東証アローヘッド」のことだった。鈴木CIO、かっこよく載ってるなあ。変なオヤジなのに。。。(笑
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世界最速レベルのシステムを構築するための背景と
要件定義者と開発者の関係などを通して、
CIOの思想としていた上流行程の重要性を
このプロジェクトを通して証明している。
要件定義の責任は開発者ではない、
実際に使う側が責任を持つという事で
丸投げしない。これは当然だけどなかなかできないのが
システムの世界だと思う。
最近はBIBOKなどが注目を集めているが、先駆けとなる
システム開発の成功例だろう。
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東証の話。arrowheadを構築しただけではなく、組織改革・業務改革も行ったんですね。その改革のために、社内外から人を集めたり自分達が納得できるまで要件定義を行う等、すべきことを確実に実施する…。経営者の意気込みを感じた。作業範囲を明確にする、全て変更管理する等当たり前だけれど、面倒なことはサボりがち。ただ、そこで手を抜くことなく実施することで、最終的には確実にプロジェクトが進行できることが書かれており、個人的にも耳が痛い。手を抜かずやらねば…。
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正攻法というかあたりまえのことが書かれている。個人的にはぜひユーザー側の方々にあたりまえのこととして読んでいただきたい。
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東証のシステム更改のドキュメント。
要件定義期間をみっちりとって、発注側が主体的に業務の絞り込みを行い、非機能要件も明確化し、仕様変更管理を厳格化し、なるべく前工程で問題を検知するよう工夫する、、、のは、たしかにシステム改革の正攻法だが、さて現実にそんなアプローチを許容する度量のプロジェクトがどれほどあるかという気もしなくもない。
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東証がそれまでに起きたトラブルや問題を踏まえて、満を持して開発したシステムarrowheadの話。会社全体、業界全体のこのシステム開発への本気度が伺えます。
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その名の通り、”正攻法”についての本
キーワードは”発注者責任・トレサビ・標準化・上流工程至上主義”
今年読んだ本で暫定1位です
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東証のArrowheadの開発にどうやって取り組んだかを理解できる一冊でした。
一国の証券会社のシステム開発においてどういったマインドを会社・担当者に持たせてプロジェクトを進捗・管理していったのか学びの多い一冊でした。
2020年に出版されたみずほ銀行のMinoriに関する本と比較しつつ読めれば成功するプロジェクト・失敗するプロジェクトの対比が出来るように思います。
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東証の新株式売買システム arrowhead 導入の物語
そのレスポンスタイムといい、規模といい、現在でもこれほどのシステムはそう多くないでしょう。
その構成や、開発手法については、目を見張るものがあり、大変参考になります。
arrow head の開発規模は、130億円 3.4Mstep(340万行)という膨大なものです。
売買注文を 2ミリ秒で処理するためにすべてのデータ処理をメモリ上で完結させるアーキテクチャーを採用しています。
システムの稼働率 99.999%(ファイブ・ナイン)達成するために、三重システム(実行、待機、待機)として、その全サーバについて、分散、電源などのデバイスをさらに二重化しています。
気になったのは、以下です。
■刷新の動機
東証のシステム刷新のきっかけは、ジェイコム株1株売買問題と、ライブドアショックが立て続けに起きて、世界の潮流に東証が置いていかれそうになったことでした。
東証は、NTTにシステムのリカバリーを相談し、その結果、CIOとしてやってきたのは、横浜銀行のシステム開発を統括していたNTTデータの子会社にいた鈴木氏でした。以来、その鈴木氏と西村社長の4年にわたるシステム更改の対応が始まります。
システム刷新の柱はずばり、売買時間を短縮すること、そのためには、システムの単純化や、複雑なこれまで使われていなかった機能を捨てさることでした。
発注者と、ベンダーのとの役割の明確化、システム部門を、IT企画、開発運用、品質管理に3分割しました。
要件定義と、受け入れ検収は、発注者である東証が行い、設計、開発、テストは、ベンダーが請け負う形にあらためられました。
■標準化
さらに、開発標準の導入、保守のITILの適用による標準など、属人システムの見直しが進んでいきます。
■EAの適用
システムの検討には、EAが導入されました。
エンタープライズアーキテクチャ(EA):組織全体の業務とシステムをモデル化し、全体最適化によって顧客のニーズや社会環境に柔軟かつスピーディに対応するための知識体系で、フレームワークでもあります。
■要件定義
3段階として、これまで以上に要件定義に力をいれています
最上位層 全体業務フロー図の作成
2階層 業務フロー図
3階層 要件定義書
■開発手法
V字モデルの改良である、Wモデルをベースとした、フィードバックV字モデルを採用しています。テスト仕様書を後ろの工程で作成するのではなく、設計が終わると同時に作成することにより、設計バグをより早く見つけることができるように工夫されています。
■非機能要件の厳密化
非機能要件を厳密に定義することで、要求するスピードの向上を実現可能とした。
システムを構築する上でもっとも難しかったことは方式設計といっています。
方式設計:要件定義で定められた要件を実現するため、システムに関連するハードウェアやソフトウェア、ネットワーク、外部I/Fなどを定義すること
つまり、ハードウエア、ソフトウエアの構成や、その上で、どういった処理方式を行うかを決めることです。
目次
総括編
日本のIT史に残る成功事例
第1章 システム改革の全体像
経営改革編
復活への一歩を踏み出す
第2章 CIOを社外から登用
すべてを見直し、世界と戦う
第3章 西室元会長の覚悟
現場改革編
ITガバナンスを取り戻す
第4章 組織改革
シンプルなシステムを作る
第5章 業務改革・要件定義
18グループから富士通を選ぶ
第6章 ITベンダー選定
開発編
不具合と手戻りを無くす
第7章 鈴木CIOの決意
不具合ゼロを目指す
第8章 品質マネジメント
非機能要件を満たす
第9章 性能/リスクマネジメント
検証編
世界で勝つためにリスクを取った
第10章 西室氏が明かす本音と恐怖心
30年間の理想を実現した
第11章 鈴木CIO、上流への思いを語る
技術編
スピード1000倍増の秘密
第12章 世界最速システムの全貌
ISBN:9784822262471
。出版社:日経BP
。判型:A5
。ページ数:197ページ
。定価:2000円(本体)
。発行年月日:2010年08月
。発売日:2010年08月10日