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うーん。好きなのもあり、あんまり好きでないものもあり。シュールで不気味なところは恩田陸らしかったり、そうでもなかったり。本人も書いている通り、異色作家短篇集へのオマージュなので、全ての原典は思い出せないものの、どっかで読んだテイストの話だなあ。と、思う。だからといって、つまらないとか、作品の出来がわるいという訳ではないのだけど。ジョン・コリアやブラッドベリ、サキ、ロアルド・ダール、ブラックウッドとかのそれぞれの短編集に混ぜても、ばれないような気が。たとえば、「かたつむり注意報」はかなり好きな作品で、霧の湿気や匂いまで感じられるような気がするけど、ブラッドベリの「霧笛」をすぐ思い浮かべてしまう。空気が似てるのだ。でも並べたら、ダメかな。「霧笛」のスケールの大きさ、しみじみとした哀しみと比べてしまうと、やっぱオリジナルはオリジナルか。でも、原典を知らなくても楽しめるし、それぞれよくできてる作品だとは思う。大好きというほどではないが、かなり好きな短編集だった。でも、短編集好きで短編集には点数甘くなってるかも?かなり好みのわかれる本だと思う。
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再読。
やはり恩田陸は、私の中で特殊な作家である。これほど恐ろしい作品を書く作家はいない。といっても、それはホラーとか凶悪犯罪とか手にとってわかるような恐ろしさではなく、なにかよく分からないんだけれどもなんとなく怖い、というような曖昧とした恐怖だ。作者は殺人事件をよく扱ったりするので怖くて当たり前じゃないかと言われればそうかもしれないが、ほのぼのとしたものが底辺に流れる場面でも、とりとめのない怖さが潜んでいる。やっぱりうまく言えないけれども、本を閉じると、きょろきょろとこの世界を窺ってしまうような何かがある。自分は、きっと何も知らないのだ。
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ハードカバーのときから表紙が好きだったので文庫化を機に買ってしまった。ホラーがあまり得意ではないので(むしろ無理)、苦手な作品も何本かあるんだけれどそれでもやっぱり恩田陸という作家はすきだなあとおもう。今回気に入ったのはSUGOROKU。たしか初読のときも気に入った。あんまりすきなものについての感性はかわらない。
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■15作からなる短編集。
■作家が『「無国籍で不思議な短編集」を作りたいと思った』と言うとおり、そういう感じ。
■1編1編がすっきり終わるわりに、じわっと余韻が残る話が多い。想像力を刺激するけど、どれも考えると怖い。
■ちょっと苦手なんだけど、でも読みたい。そんな感じの本。1編が25Pくらいなのも読みやすい。
■好きだったのは、「橋」「かたつむり注意報」「SUGOROKU」「夜想曲」
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長い時間かけてちょこちょこ読んだ。
久々の恩田さんだったけど、短編だからさくさく読めて楽しかったな。変わった設定とか世界観がおもしろい。
夕飯は七時とかライトな感じで好き。あと夜想曲もなかなか。いのちのパレードは深いなあと。
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恩田陸の奇妙な味わいの短編集。まあ普段から唯一無二の奇妙な作品しか書いていないのですが、この人は。あまりにもバラエティに富み過ぎで、作品によって好き嫌いは分かれるでしょうね。
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15編からなる短編集。恩田ワールド炸裂な作品が多いが、個人的には長編の方が好きなので、短編集ではいささか消化不良気味。
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恩田陸のいのちのパレードを読みました。
恩田陸のきらめくイメージが表現された短編集でした。
地面から石の大きな手が生えてくる不思議な村、自分の考えていることが実体化してしまう兄妹たちのドタバタ物語。
滅んでしまった王国を乗せて永久に環状線を回り続ける大きな列車、のどかな国境警備隊の物語。
巨大なカタツムリがやってくる幻想的な村、すごろくで進む村に集まってくる少女たちの物語。
このようなイメージの奔流が恩田陸の物語の力なんだろうな、と思いました。
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どれも短編としてのアイデアは良いと思う。
ほとんどの作品が所謂「ページを繰る手が止まらない」状態になるが、
消化不良と感じる最後が案の定多かった。
「エンドマーク~」、「SUGOROKU」、「かたつむり注意報」が
そんな感じ。
(「蝶遣いと~」、「蛇と虹」、「いのちのパレード」は何故か読み進めるのすら苦痛だった。)
「夕飯は7時」「観光旅行」「橋」あたりが好き。
「走り続けよ~」はうろ覚えだが「オデュッセイア」に
雰囲気が似てる。
ファンタジー色の世界観を一まとめにして同一世界の
各国年代記を作ってくれれば良いのに。
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初めて恩田陸の本に挑戦してみた。どれもこれも不思議な世界観で興味をそそられて読み始めたのだが、いかんせん不思議すぎて私には少々理解できなかった。否、論理的に理解しようとしているのがいけなかったのかもしれない。表題作は含蓄のある話ではあると思った。
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観光旅行 / 初出 月刊J-novel 2004年4月号
スペインの苔 / 初出 月刊J-novel 2004年7月号
蝶遣いと春、そして夏 / 初出 月刊J-novel 2004年10月号
橋 / 初出 月刊J-novel 2005年1月号
蛇と虹 / 初出 月刊J-novel 2005年4月号
夕飯は七時 / 初出 月刊J-novel 2005年7月号
隙間 / 初出 月刊J-novel 2005年10月号
当籤者 / 初出 月刊J-novel 2006年1月号
かたつむり注意報 / 初出 月刊J-novel 2006年4月号
あなたの善良なる教え子より / 初出 月刊J-novel 2006年7月号
エンドマークまでご一緒に / 初出 2006年10月号
走り続けよ、ひとすじの煙となるまで / 初出 月刊J-novel 2007年1月号
SUGOROKU / 初出 月刊J-novel 2007年4月号
いのちのパレード / 初出 月刊J-novel 2007年7月号
夜想曲 / 書き下ろし
あとがき
解説 (杉江松恋)
『いのちのパレード』 2007.12 実業之日本社刊 文庫化
ブックデザイン 大路浩実
カバー写真 Josef Koudelka/Magnum Photos
タイトル翻訳 柿沼暎子
フォーマットデザイン 鈴木正道
印刷 大日本印刷
製本 大日本印刷
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これは欲しい。不思議な短編集。それぞれの世界にはそれぞれ不思議なルールがあって(もちろん設定されていない話もある)、SFチック?なのかな?独特の世界観、みたいな。内容を忘れたころに読みたくなる。
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イメージの、広がって続いている物語の始まり、途中、終わりから、切り取ったようなものばかり。この設定でもっと読みたい。橋、夕飯は七時、SUGOROKUとか。
最後の書き下ろしは好き。恩田さんの、本や物語への敬意や愛情が滲んでるものは、ロマンがあっていいなと思う。
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恩田陸の短編集。
なんか怖い話が多いなぁ、なんて思いながら読んでたら、ホラー系の短編集として企画された本だったらしい。
印象に残ったのは、蝶使いの話でした。人が亡くなった後に魂を安らかにしてあげるお仕事。切ない読了感が、余韻を引いて、良かったです。
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不可思議で少し美しい物語を集めた短編集といったところか。短編を書き慣れてきた感があって悪くないな(偉そう)と思います。「あなたの善良なる教え子より」と「夜想曲」が気に入った。でも、同じ短編集でも「朝日のように〜」に比べると、全体のレベルは高くなっているけどピンとくる一作はなかったかもしれない。