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結論からいうと面白いです。
ただし、ピースの欠けたパズルのような会話や、少女の唐突な心情など所々乗り切れない箇所がありました。とはいえこれは私が勝手に乗り切れなかっただけかもしれませんので、特に一巻でその辺が気にならなかった方に関しては、この巻はたまらないものがあると思います。
前巻と打って変わって静かな戦いになりますが、まずそういった展開になること自体が驚きです。おまけにそれが面白いんですから凄い。
果たして三巻はどういう展開になっていくのか楽しみです。
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読み進むほどに引き込まれます。
めちゃくちゃ面白くなってきました。
早く次を読まなくちゃ。
映画の方は次はいつ公開なんでしょうねぇ。
その時には再読するでしょう、きっと。
読み返しのきく作品だと思います。
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バトル小説から一転!カジノ小説へ!?ゲームのルールがわからなくても、細かい心理描写によって、手に汗握る白熱対決を体験している気分になる。すごく面白いっ!
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第一巻「圧縮」の後半、畜産業者(バンダー・スナッチ)強襲の勢いそのままに始まる第二巻「燃焼」。個人差(世代差?)はあるだろうが、前巻で感じた読みづらさは皆無。また、前巻では仄めかすだけに留まっていた世界観がより具体的に提示される。成る程、矢張りこの物語は分冊とかではなく、ハードカバーの改訂新版で通読したほうが良かったかも?などと改めて思ったり。改訂新版文庫化の際には、是非とも分厚いまま実現して欲しいものだ。
舞台は怒濤のバトルを繰り広げた死体安置所(隠れ家)から、ハンプティ=ダンプティ(浮遊移動式住居)を介して、ドクターの前所属であり、ウフコック(そしてボイルド)の生まれた “楽園(ラボ)” に移される。このフェーズでは、SF的な魅力に満ちた楽園のディティールはもちろん、この物語の軸となる理(世界)を形成した三博士のこと、ウフコックやボイルドの誕生秘話など、「圧縮」で先延ばしにされた謎が次々と開示される。こうした大量の情報が、巧みなSF的演出とテキスト運びで無理なく(しかも面白く)頭に入ってくる。まるで良くできた情報エンタメのような心地良さで、楽園のユニークな住人たちとの邂逅による、主人公バロットの成長譚もそこに絡み合う。さらに、楽園の管理者・フェイスマンとボイルドとの対峙の内圧も凄まじいばかり。
さて、後半は宿敵・シェルの重要な秘密が隠された巨大カジノへと舞台を転じる。思うに、このカジノが物語の最終舞台になるのだろうか?…そんな期待に満ちたプロローグに導かれて始まるのは、カジノだけに当然ギャンブルにつぐギャンブル! ギャンブルへの興味も知識も皆無なので、不安を抱えつつ読み進めたが、そのへんはすべて杞憂に終わった。つまり、ポーカーやルーレットのルール部分を飛ばし読みしても問題ないのである(熱く語るドクターには悪いのだが…)。それよりもディーラーとの駆け引き等、内面描写の面白さに尽きる。心理面を強調する場面だけに、呼吸ひとつが重要となる繊細な演出で、特にスピナー(ルーレット・ディーラー)、ベル・ウィングとの対決が白眉。この、老練なるスピナー、ベルのキャラクター造形が絶品で、この邂逅により、またもバロットの成長を促す。最終巻「排気」は、いよいよブラックジャックでのラストギャンブル(バトル)が展開されるようだ。
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ドンパチ激しい一巻から一転、二巻は静かなカジノの心理戦へ。
個人的にSFの醍醐味というのは「見てきたような大嘘はったりかまし」「理論と科学的事実を根拠に広げまくった大風呂敷」で、どれだけこちらを心地よくだましてくれるか、というところにある、と考えている。
(モビルスーツを正当化するために、ガンダムの世界でミノフスキー粒子なるものを定義づけしたように)
作中のカジノで展開されている心理戦が、正しいものなのかどうかは私にはわからない。けれど、読んでいる間中ずっと、その設定に気持ちよくだまされ、手に汗握って楽しむことができる。そうした意味で、これは素晴らしい娯楽作品=SFである、と。
……いやぶっちゃけるとドクター・イースターのファンなので、彼のかっこいいところがたくさん見られて嬉しいだけともy=ー( ゚д゚)・∵. ターン あとベルさんが素敵な女性でほんと嬉しい!
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1巻の流れからSFアクションなのかと思ってました…。確率、統計などを駆使したカジノの場面は、「天地明察」から本書を手に取った私には、著者の本領発揮と感じられました。
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う〜ん。また気になる所で終った。
今更だけど、この小説は3冊で1本のお話なんだなと実感。
この巻では、博士とウフコック、それとボイルドの過去が少し明らかになって、それぞれがどうして今の立場に居るのかに説得力が出て来た。
こう云うのがあるから、キャラに存在感と厚み、それから感情移入がしやすいのかもしれない。
ただ、自分がもっとも感覚として分かるのがボイルドの心境ってのは如何かと思う。我ながら。
そうそう。
我ながらと云えば、もうひとつ今更な事を。
このお話の主要人物の名前は、ほとんど”卵”がらみだと云うことに。
…気付くの遅すぎだよ。
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いやぁ、面白いです。ボイルドからの攻撃を辛くも振りきったバロット。ウフコックは、大きなダメージを受けて再生中。攻撃相手に、逆に攻撃を仕掛けようとする。そして、ボイルドの執拗な追跡が、バロットに迫ってくる。2回ほど、電車で降りる駅を忘れそうになりながら夢中になって読んでいました。
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マルドゥック・スクランブルシリーズの第二巻。
三部作の長編なので、ちょうど中盤に位置する本作。
前作のSFアクションとは異なり、本作では心理戦が繰り広げられます。
その舞台は、カジノ。
確率と統計を駆使し、ディーラーに心理戦を挑む。
物語も勿論進むが、それよりもカジノでの心理戦が印象に残る。
この勝負があるからこそ、三部作という形になっていると思う。
それくらい言っても過言でないくらい、深く描かれています。
SFの世界観はそのままに、今現実に存在するカジノでの勝負。
分かりやすい設定だからこその、読みやすさがあります。
ルールを知っていれば、特に興味を持って読めるはずです。
ゲーム自体は一般的なものですが、作中での紹介が独特。
なかなかゲーム名が明かされないところにも、面白さを感じました。
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この巻で言いたいことは旧版で大体書いたので比較と雑記。旧版とは最後の区切りの部分が違いますね。それと随所に振られた英語のルビは翻訳する時どうなるんだろ。英語の多義性を使ってるんでしょうが、あえて日本語とルビが対応していない使い方をしている場所もあるみたいだし、英語だけじゃ多義的な意味の使い分けが完全には伝わらなさそう。バロットの韻を踏んだ歌はともかく、あくまで日本語用の文章ということなんでしょうね。
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1巻では派手な戦闘を繰り広げたのですが、2巻では一転、“楽園”での静かな雰囲気、カジノでの息詰まる心理戦が描かれます。
って言うか、カジノのシーン、長っ!
さすが『天地明察』の著者。この人は数学が好きなんだろうなぁ。
ルーレットの場面が最高でした。
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1巻も一気読みさせられたが、この2巻もすごい。
特にカジノに入ってからは、本を置くことができないほど、惹きつけられた。最終巻が楽しみ。
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何これ急に面白くなった。アクション描写よりもこういった駆け引きの描写が上手く感じる。主人公が本当の強さを手に入れ始める。物語はここから動き出すと言ってもいいだろう。文字通り「燃焼」が始まった巻。
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前巻「マルドゥックスクランブル~圧縮」とは打って変わって、落ち着いた話が続きます。
落ち着きすぎとも感じたり、少し冗長な感じもしますが、結末に向けて着々とコマが進んでいるので、退屈することなく読み終えられました。
いよいよクライマックスに向けての助走が始まりました。
登場人物達に、どのような結末が待っているのか、期待して次巻~排気も読みたいと思います。
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ボイルドの追撃から辛くものがれたバロットたちは、傷の治療のために嘗てドクターが研究を行っていた『楽園』へと身を寄せる。その施設とそこに住まう人々は「完結した個体」として機能し、この世のあらゆる苦難から解き放た存在だ。
しかし、一見幸せそうな彼らは過保護なまでに守れらており、それがどんなに高尚な価値観と技術に基づいていようとも所詮は「殻」に引きこもっているのと同義なのであった。
ボイルドのさらなる追撃を逃れつつ、バロットたちはカジノへと向かう。与えられた未来を待つのではなく、自分自身の選択によって未来を引き寄せるために。そして彼女は徐々に自身の才能を開花させていく。
緊迫のカジノ篇!!