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「2010年問題」という激震に直面する医薬品産業。
一方で、政府は医療費削減を目指して、後発医薬品(GE)を2012年までに数量ベースで30%にまで引き上げる目標を打ち出しています。
こうした風雲急を告げる環境変化のなか、医薬品メーカーは生き残り、そして勝ち残ることができるのか。
本書は、こうした問題を解明するために、医薬品産業を構成する国内外の多様なメーカーの「競争戦略」に焦点をあて、この産業のダイナミックな競争構造と、各企業の戦略的行動を解明します。
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タイトルに対して、考察に関して内容物足りなさを感じた。医薬品業界に関心がある投資家向け?もしくは、この業界での就職を目指す学生向け?
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一橋大学の伊藤邦雄教授と伊藤ゼミに所属する学生によって書かれた本。ロジカルに構成されているので医薬品業界の今後についてシンプルにまとめられている。経営戦略的な側面に傾斜しすぎている感もあるが、データの使い方もうまく、読んでいていろいろ勉強になる。
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高齢化社会を迎え、成長産業と目されている医薬品業界。
とは言え、海外メガファーマの日本進出や、
国民医療費抑制策としての、ジェネリック・OTCの推進等、
大きな変化のうねりの中にある。
国内製薬メーカーの立場にたち、この医薬品業界で生き残る術を
成功しているメーカーの戦略を参考に汎用化している本。
製薬メーカー社員はもちろん、
激しい変化に晒されている業界関係者必読書と感じた。
日本の製薬メーカーの国際競争力低下の原因に
薬価改定があるのはまちがいない。更に治験制度も根深い。
こうした行政面は与件のものとし、この環境下でどうすべきか?
を論じているのは非常に実務的。
医薬品業界について書かれている本は、
総じて国内製薬メーカーの先行きが不安になる記述ばかりが目立つが、
そうなっていない本書の存在は、国内製薬メーカーに勇気も与えてくれる。
但し、現在の延長線上の経営を続けていては生き残ることができない。
そのことは改めて理解できた。
書かれている情報も非常に新しく、この点からも納得感も高い。
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最新の製薬業界の動向を押さえるのに最適な本。
外資系を含めメガファーマの目指している戦略の違いをデータを用いて議論をしていて非常に勉強になる。
仮説の立て、その検証、分析も非常に明快である。
新薬メーカー、ジェネリックメーカー、OTCメーカー、卸各社の戦略。
医療業界を取り巻く環境は政策を含めて大きな変化の中にある。
低分子化合物からバイオ医薬品へのシフト・全世界的な医療費削減へ向けた2重の変化が製薬のビジネスモデルを大きく変えている。
最近も国内メガファーマによるワクチンへの参入。サノフィによるジェネリック進出(日医工)やジェンザイムの買収など話題に事欠かない。
新薬メーカーである武田、第一三共、アステラス、エーザイの違い。
ジェネリックメーカーである日医工、沢井、東和薬品の違いを答えられなければ本書の読書対象者であると言える。
個人的には外資各社の違いを俯瞰して押さえられたのは大きかった。
就活動をしている学生、製薬・医療業界関係者は必読。
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現在進行形で変化している医薬品業界の状況や各社の戦略を、経営学のフレームワークで分析している。その手法やデータの扱い方は参考になる。
しかし、フレームワークの当てはめ方が表面的にすぎる、分析や分類の仕方が恣意的、など、必ずしも鋭い分析がなされているとは言えない。入手可能な公開データを集めて切り貼りした感も否めない。さらに、さまざまなデータが提示されるが、かえって議論が拡散してしまい、何を分析しているかわかりにくくなっている。
伊藤教授とそのゼミ生の共著ということで、おそらくは学生が大半のページを執筆したのだろう。同様に教授と学生の共著だった、「業界分析 組織の経済学」と共通した鈍さのようなものを感じる。やはりこのくらいが学生の限界なのだろうか。
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独自の視点による先発品企業の数値化を試み、それに基づき企業の将来性を評価している。UMN特化へのシフトの程度を示す数値の算出方法には賛否両論があると思うが、今後の企業評価の参考になると思われる。
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会社上司からレンタル。
これから製薬業界に対して、営業アプローチを予定している方におススメです。
2010年の著書ですが、将来的には2010年当時を知る著書としてもいいかもしれません。
日本製薬企業が、20社以上、キーワードと一緒に登場します。
以下、覚書
アンメット・メディカル・ニーズに特化
ロシュ、エーザイ、アステラス
多角化・新興国市場
ノバルティス、GSK、サノフィ、第一三共
脱・生活習慣依存
ファイザー、メルク、武田薬品
ジェネリック
テバ、ランバクシー、沢井製薬、東和薬品、日医工(日医工サノフィ・アベンティス)
OTC
大正製薬、ロート製薬、小林製薬、久光製薬
低分子薬→バイオ医薬
ドラッグラグ
ブロックバスター
安定供給=上市のスピード
医療原薬(API)
バイオ後発薬
チェーン薬局
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巨視的に日本産業全体が競争力が低下している中で、医薬品メーカーに絞って課題とどう向き合うかを分析した本です。
医薬品産業は今まさにパラダイムシフトが起きており、各企業もそれに合わせて戦略転換を余儀なくされています。
その震源となるのが、「2010年問題」、「医療費抑制政策」です。これらが元となる問題に対して各企業がどのように対応し、各企業自身が内包する課題にもどのように対応していくのかを解説してくれています。またこの本の主となる問題意識は「外資系の波に日本企業はどう立ち向かうのか」という点です。医薬品産業という窓を通して日本産業全体を俯瞰したい方はぜひ。非常に読みやすいですよ。
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2010年の日本の医薬品業界を俯瞰するにはちょうどよい。先発メーカー、ジェネリックメーカー、OTCメーカーの業界について解説されている。だが、業界の深いところまでは記述されていない。
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生活習慣病領域おける新薬開発の難易度上昇及び医療費抑制を背景とした医薬品メーカー各社の経営戦略及びビジネスモデルの変遷を各企業をケーススタディを行うことにより分析。うまく纏められており、ピッチ作成において一助になると思う。
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医薬品産業の昨今の変遷や動向について書かれたもの。
数多くの企業や政府の規制によって動かされる産業であり、大変複雑ではあるが、
とても分かりやすく分類・分析されている。
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医薬品業界を俯瞰的に知るには最良の本だと思う。少なくともこの本に嘘は書かれていない。
著者の伊藤教授が元々会計学系の人なだけあって、IR資料を中心とした公開情報に基づいた数値的な分析が各所で行われている。数字をきちんと使った分析で裏付けられた主張は、そこらの主観的に書かれた業界本より遥かに有益だと思う。ただ、後半のGEやOTCに関する分析はやや無理があったように思う。
学生が分担して記述した本だけあって、全体的に字数を無理に稼ごうとした形跡が見られる。例えば3ページ使って説明した内容に対して、「ここまでの内容を纏めると・・・」と言ってページの半分ぐらい使って同じ内容を繰り返す、といった形で、ページを無駄に消費している。これがなければ本の厚さは三分の二ぐらいには薄くできたのではないだろうか。自分の学生の頃を思い出し、あまり気にしないことにする。
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2010年問題と医療費抑制政策を背景に、新薬メーカー、GEメーカー、OTCメーカーが、どのような差別化戦略をとっているかが具体的にかかれている。
具体的な医薬品名や事業が取り上げられており、医薬品業界の全体像とその中身がきっちりつかむことができる。
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前半はメガファーマが生活習慣病偏重型を脱して今後勝ち残るための戦略を、成功した外資製薬をロールモデルとして検討する。
具体的にはUnmet Medical Needs特化で成功したRoche、事業多角化で成功したNovartisと、エーザイ・アステラス等日系企業のファンダメンタルズ比較など。
後半はOTC、GE市場の拡大と、日系同企業が勝ち残るための戦略を検討。
変革の激しい医薬品業界の問題点とプレーヤーごとの特徴、スタンスなどが良くまとまっていると感じた。ビジネスサイドから医薬品を考える上で教科書的な一冊。