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階級の敵と私 ベルリンの壁崩壊ライブ みんなのレビュー

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紙の本

これは1989年のいちご白書なのかも

2011/02/19 00:48

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:cuba-l - この投稿者のレビュー一覧を見る

1984年からベルリンの壁が崩壊する1989年まで、16歳から大人になろうとする若い女性が日記に語りかける形式で記された、旧東ドイツでの日常描写を柱とする小説である。

内容は比較的ホップな、ヤングアダルト向け小説ではあるのだが、今の日本人一般にとっては東西ドイツ統合自体、すでに無機質な外国の「歴史」に組み込まれつつある微妙な時代・場面設定だけに、日本での出版には商業的に難しさが伴ったのではないかとも想像される。その意味でも少々値の張る設定でも、扱いが当初のヤングアダルト向け小説というカテゴリとは違ってしまっているようでも、こんな興味深い書籍の刊行されたことは貴重なことだ。

本書は、主人公の少女がそうであるように、どうやら中高生くらいの層を想定読者としているようだが、あの壁の崩壊を知らない世代に向けて当時のリアルな東側の生活を伝えようとした試みであり、同時に恋愛を初めとする様々な体験を通して少女が自己を確立していく物語でもある。

主人公の少女は、ふとしたきっかけで体制の敵(資本主義、または資本主義的なもの。この場合は旧西側の男性)と恋に落ちたり、進学に悩んだり、デモに参加したり、日常社会の大変動を体験しつつ成長していくのであるが、この物語と試みは、大人へと成長する多感な若者たちの欲求や感覚というものがどんなに経済制度や教育や社会体制が違おうとも変わらず、また時代を経てもなお共通するものがある、ということを描き出すのに確かに成功している。

どこの誰だって十代のころの体験は冷や汗ものだ。
たとえば恋愛への無条件な期待や、社会規制に縛られる大人への嫌悪、家族の葛藤、見えない将来への焦り、入り混じる楽観と悲観・・・。
どれもどこにでも誰にでもあるただの日常の風景だが、本書ではありふれた日々の出来事が歴史的大転換期の事件と同時進行するとき、話はスリリングな少女の成長物語として普遍的な共感を呼び起こすのである。

かつて長い冷戦の後、あれよあれよという間に壁は崩れ東側の体制はなくなってしまって、「ベルリンの壁」も(ついでに若々しい恋愛にときめく感覚も)自分には縁遠い歴史の中に去ってしまったことに日月星辰の感慨を覚えるオヤジやオバサンに読者はきっと多いことだろう。
そんなオジサン・オバサンが読むだけではもったいない。ぜひ多くの若い人にこそ、本書を手にとってもらいたい。

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2010/11/26 23:16

投稿元:ブクログ

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