投稿元:
レビューを見る
図書館でみた百年文庫シリーズに一目ぼれ。
訳者の名前も、分かりやすい所に書いてあるといいのに。
リルケは森鴎外
投稿元:
レビューを見る
3作品とも天体の月というより、流れゆく月日を感じさせるはなしが中心でした。帰還などは、家族と離れていた時間のあまりの長さに、お互いにずれが生じてしまったことなどの、それぞれの心のありかたを感ぜられました。おもっていたのと違いましたがどれも本当に素敵なおはなしでした。
投稿元:
レビューを見る
装丁が素敵で手にとりました。
なんで「月」なのか分かりませんでしたが、
他の方のレビューを見て納得。
「月日」「歳月」の「月」ですね。
「老人」が好きだったけど、
「帰還」は10年前に父が単身赴任から帰ってきたころを
思い出しました。
【収録作品】
フィリップ一家の家風―ルナアル
老人―リルケ
帰還―プラトーノフ
投稿元:
レビューを見る
2013.6.12
『フィリップ一家の家風』ルナアル
淡々とした貧しさ。感情は伴わずただそこにある。
『老人』リルケ
老人が3人並んでベンチに座っている。小さな絵のような話。
リルケ二作目。一昨目はあわなかったけれど、これはなかなか。
『帰還』プラトーノフ
ロシア人の書くものは硬いパンのようでなかなか好きだ。しっかりものの息子ペトルーシカが哀れでかわいい。
投稿元:
レビューを見る
百年文庫23冊目は「月」
収録は
ルナアル「フィリップ一家の家風」
リルケ「老人」
プラトーノフ「帰還」
いずれも初めて読む。「フィリップ一家の家風」の力強さがよかった。そして、自分の思いが届かない世界というのを知る。「老人」はほんとうに短い一篇。これも鴎外訳。そして「帰還」はずいぶん旦那が勝手な気もしたが、小説としては実に上手い一篇だと思った。
投稿元:
レビューを見る
ルナアル、リルケ、プラトーノフの短編集。ルナアルの「フィリップ一家の家風」は、まるでミレーの農民画を眺めているような落ち着きと暖かさがあった。リルケの「老人」(森鴎外訳)は、短くも命の輝きが凝縮されていて印象的。大好きなプラトーノフの『帰還』は、大人びた兄妹が最後に見せる、必死に父に縋る姿に胸を締め付けられた。
投稿元:
レビューを見る
「フィリップ一家の家風」
実に素朴で、愚直でシンプルで見栄をはらない生き方だ。
その生き方は、愚かで学がなく、知恵のないようにも見えるだろう。
その姿は、みすぼらしくちぐはぐで、汚くすら見えるかもしれない。
それでもフィリップたちからは、どこか心地のよい気楽さを感じる。
彼らの気負わぬ素直な姿には、やすらぎを見出すことができる。
気どって誰かを蹴落としたりしなくたって、人は豊かに生きていけるのだ。
「老人」
あれ?
月は?
ひと月ふた月、の月かな?
毎月、こうやって生きている老人。
そういうことかな?
それにしても、これを読むと、最近の年寄りは実に元気だ、と思う。
リルケの時代の年寄りの描写は、まるで90を超えた人のようだ。
いや、もっと上かな・・・
でも、今はこういった老人たちは、病院や施設にはいっているだけなんだろうな。
実はたくさんいる。
そんな気がする。
「帰還」
苦しい生活の中で人間の心が弱ってゆく。
その心の隙を埋めるために、誰かが必要になる。
それはイワノフであっても同じだったろうに、許せない。
双方の気持ちは、よくわかる。
そして、その狭間で震える子どもたちが、切ない。
家族は離れちゃいけない。
私は、やはりそう思う。
投稿元:
レビューを見る
百年文庫は、「憧」や「絆」のように、漢字1文字をテーマに、3名の作家による日本・海外文学の名作短編を集めたアンソロジー。全部で100巻あるので、300人の作家と出会うことができるシリーズです。
本書は「月」をテーマに、ルナアルの『フィリップ一家の家風』、リルケの『老人』、プラトーノフの『帰還』といった、人々の日常や生活を風景ごと切り取ったような、美しい作品を3作収録しています。
投稿元:
レビューを見る
ルナアルの「にんじん」を読んだ娘が、他の作品も読みたいというので探してみたら、こんな本に出会いました。
世界の名作短編を3編ずつ収めた、「百年文庫」。
ルナアルの短編は、「フィリップ一家の家風」。村人の生活の様子がまるで散文詩のようにとりとめなく描かれている。日記の断片のような。「ほう、そんなことが」と思うような、日常の数々。本人たちにとっては当たり前かも知れないけど、時代や、身分が違うとこんなにも新鮮に思えるのか、と思う不思議な作品。
リルケの「老人」は、森鴎外が翻訳。二人の老人が公園のベンチで隣り合って座っている僅かな時間を描いたものなのに、なんだかしみじみと哀愁が漂う。そして、二人の絶妙な心の距離感。これはもしかすると森鴎外の訳がすごくいいのでは?淡々と、美しい。
プラトーノフ「帰還」は、戦時下の家族の物語。戦場から帰ってきた夫と妻のすれ違い、親子の心の通わなさ、など、登場人物が最初はみな自分本位なんだけど、ラスト、怒涛の展開があって、ちょっと目が潤んでしまった。悪いところ、許せないところ、みんなそれぞれあるけど、でも、それを飲み込んでいけるってところに、救いがある。
投稿元:
レビューを見る
『フィリップ一家の家風』民俗学的というか、小説の枠を超えた面白さ。きだみのる『気違い部落周遊記』を思い出したが、こちらの方にはより愛がある。92/100