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人間は合理的に行動する。それが、経済学の常識である。
だが、あなたは本当に合理的に行動しているのだろうか?
新しいYシャツを買いに行ったはずが、帰り道には何故か特価の靴下を手にしていた、という経験は無いだろうか。
様々な要因が関与して、人間は経済学の常識を破り、不合理に行動してしまう時がある――しかしそれは、決して予測できない事態ではない。予想可能な、不合理なのである。
友人が「面白い」とお勧めしてくれた本(多分、友人本人は『増補版』を読んだ訳ではないでしょうが)。
予備知識0で買ってしまったので、これが経済行動学の本であることすら、買って初めて知りました。
自分は以前、経営学を軽く齧ったことがあるので、そのときのことをちょっと思い出しながら読んでました。
『行動経済学』とは、『経済学』と『心理学』とをミックスしたもの、と言った感じでしょうか。
自他の経験から、こういう場合に人は不合理な行動をとりがちである、ということを考える。
では本当にそうであるのか、仮説を立て、条件付けをし、それを実験する。その結果から、また新たなる仮説を立て、条件付けをし、実験し――本書の流れとしては、基本的にこういう状態となっています。
人は「無料!」という魔法の言葉を聞いた途端に愚かになる。
比較対象のあるもののほうが、比較対象のないものよりも多く選ばれる。
人の感じるプラシーボ効果(思い込み効果)は、値段に比例する。
どのような場合に、人は不正を働きやすくなるか。
一つ一つのテーマが、興味を引きます。しかも実験とその結果を淡々と述べているだけなので、説得力もある。
ですがまあ、こういう本として当たり前なのですが、学問的でちょっとばかり読みにくいです。
毎日ちょっとずつ読み進めて、やっと読めた!という感じです。
内容は面白いですが、普段、小説以外の本を読みなれていない人であるなら、もしかしたら途中で断念することになるかもしれません。
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人間の行動の非合理さが次々に暴かれて面白い。
これを読むと世の中に対する理不尽な期待感がなくなって楽になるかも。
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この本のキーワードとして「プラセボ効果」がある。要は、「効く」と思い込むことで、一定以上の治療効果がただのビタミン剤などに発生するというあれだ。これは、「知る」ことが必ずしも人間にとって利益に繋がらないことを示している。何かを盲目的に信じられることは(それが何であれ)、ある意味幸せになれる秘訣なのかもしれない。それでもあえて「知る」ことを欲したいとは個人的に思う。しかし、その代償として私は「まずは疑ってかかる」という姿勢を手にしてしまった(もちろん、自分なりに理解、納得できれば、その後は信用しますが)。
読んでいて(大袈裟だけど)マトリックスを思い出した。ずっと「幻想」を見続けたまま、死んでいきたい。つらい「現実」など見たくはない。でも、傍からその姿を見ると、愚かさを感じる。でも、本人が幸せならそれでいいのでは?
知るべきか、知らざるべきか? それが…
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人の心理が行動にどういう影響を与えるか?と言う事を、実験を通して検証していく。
なるほどー!という感じで時間を忘れてどんどん読み進めてしまいます。
特に、僕自身、長年抱いていた「好きな事を仕事にすると、何故クソ化するのか」という疑問に本書は見事な回答を示してくれています。
これだけでも僕にとって素晴らしい本です。
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・人は、物事の価値を判断するときに他との相対的な優劣に着目する
・AとBの二つ比較ではなく、Aよりも少し劣るA'を加えることで(おとり効果)、人はAを選ぶ確率が高くなる
・恣意の一貫性:最初に決めたことが恣意的であっても、いったん意識に定着すると、その後も引き続きその影響を受ける(一貫性がある)
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行動経済学の本です。人は以下に合理的に行動できないか? を様々な視点から実験・検証しています。
理論上はそんな行動はしないハズなのに、人のココロによって行動が変わってしまう(不合理)ということをまとめています。今までに読んだ行動経済学の本とは少し違った内容も載っていたので、新しい発見が出来ました。
気になった点を2つほど書いてみます。
人間、比較できることが非常に好まれるのだそうです(P23~) 比較の出来ないものより、比較できるものがあればそちらを中心に良し悪しを考えてしまうのだとか。何かを選ばせるとき、(比較が出来る)おとりの選択肢をつけるかつけないかで、選択結果が変わってしまうのだそうです(比較が出来るほうを選びやすくなるのだそうです)
何かを選ばせるとき、このような方法を使うことで意図したものを選ばせやすくなるのかと思います。
詳細はこちらの方が詳しく記述していまして、合わせて読んで納得しました。
A Successful Failure http://d.hatena.ne.jp/LM-7/20100224/1267021310
もう一つ、「社会規範と市場規範」(P113~)という考え方が気になりました。何かへの協力・支援等について、お金が絡まないケースでは「社会規範」が適用されて、社会貢献などののために喜んで手助けをする。ただし、少額であっても給料を出す等のようにお金を絡ませると「市場規範」の考え方に移行してしまい、正当な対価・他との比較・与えられた報酬分の仕事しかしない、などの考えになってしまうのだとか。
私も、ビジネスとしてやっている人はかなり厳しい目で見てしまいがちです。反面、ボランティアでやっている時は協力したいと思ったりします。その人達の想い・熱意は実は変わらないかもしれないのに...「ビジネス(=お金が絡む)」と聞いた時点で、やはり目線が厳しくなってしまっていることに気づきました。
ゼロコストと社会規範(P160)の記述も興味深いです。チョコレートを売るとき、価格を下げていくと需要量は増えていくのに、ゼロコストにすると有料だった時より需要量が減るという。ゼロコストにすると、社会規範の考え方によって、他者のことや周りのことを考え始めるのだとか。
趣味でやっている間は楽しいし周りも協力するけど、少額でも事業としてやりはじめると途端に面白くなくなる・敬遠されてしまう理由はこの社会規範と市場規範の考え方にあるのだと感じました。
ネットワークビジネス(マルチ商法)が、健康や幸せの共有・みんなが幸せに、等をメインに押し出すところが多いのは、市場規範の考えにならないようにしているためなのかもしれない? と感じます。直販投信など、投資に関するものも、金銭面の事をあまり出していないと思います。それはお金だけじゃない想いがあるのと同時に、「社会規範」を適用したいのかな? と考えてみたりしました。
ビジネスにしても交流にしても「お金」を絡ませるか否かが、大きく心理を分けているのが現状だと思いました。こういった性質は知っておいたほうがよいかな? と思い���す。
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あまりビジネス書を読まない私には大変面白い。
需要と供給によって値段は決まるという誤謬。
無料の持つパワフルな力。
私たちはなかなか正直になりきれない。
現金を扱うときはまだ正直になれる。
など、面白いネタがいっぱい。
語り口も軽妙で、訳も読みやすいと思う。
簡単に読めて楽しくてためになる、
行動経済学に興味があればお得な一冊だと思う。
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行動経済学で最も面白い本を一冊と言われれば間違いなくこの本。行動経済学の理論体系を誰でも分かりやすい読み物としてまとめている。アリエリーの研究者としての目のつけどころは実に面白い。
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人間ってよくもこう不合理な判断をするよなぁ、と改めて納得。自分で商売する人は、人間の行動の癖を理解しておいた方がいいでしょうね。
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行動経済学の本
普通の経済学と行動経済学の違いを具体的に書かれている
その違いを実証するための実験があり、その結果から書かれているので直感的にも論理的にもわかり易い内容
普通の経済学を知らなくても十分に楽しめます(そもそも自分が経済学をそんな理解してないのでwww)
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経済学では、全ての人間が、モノやサービスの価値を正確に把握し、常に合理的に行動すると仮定する。
でも、実世界では不合理な選択ばかりしてしまうよね、だって人間だもの。
ただ、この本で一番大事なのは、それらの不合理行動が、(本のタイトルの通り)、”予想通り”であるということ。
どういう場面で人間が不合理な選択をしてしまいがちなのか、”予想”できれば、自分が不合理な選択をしないように予防策を張れる。
・相対的なモノの見方に惑わされて本来の価値を見失っていないか?
・選択肢をたくさん残しておくことは本当にいいことなのか?選択肢に埋もれて貴重な時間を無駄にしていないか?
・”無料”の魅力に負けて、隠れたコストを払わされていないか?
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感情的に興奮した状態とそうでないときで判断に差が出ること。軽妙な語りの裏の肝炎闘病のくだりの壮絶さ。
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行動経済学の基礎を事例を挙げて書かれてあるので非常に分かりやすい。
経済学の知識がなくても読み物感覚でスラスラ読める。
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①相対性の真相
②需要と供給の誤謬
人に何かを欲しがらせるには、それが簡単に手に入らないようにすればいい
アンカリング
恣意の一貫性
③ゼロコストのコスト
人間は失うことを本質的に恐れる。無料の本当の魅力は恐れと結びついている
フリーは、判断をおかしくさせる
④市場規範と社会規範
感応度の逓減制
⑤無料と社会規範
⑥性的興奮の影響
⑦先延ばしの問題と自制心
変率強化の方がやる気が起きる ex. ギャンブル
長期目標のためにとるべきあまり喜ばしくない行動に対しては、目先の強力なプラスの強化を与える奥の手を探すのが有効
⑧高価な所有意識
保有効果 ex. 返品可能
仮想の所有意識が広告業の推進力の一つ
⑨扉を開けておく
価値のない扉に惑わされている
⑩予測の効果
プライミング
⑪価格の力
プラセボ効果
⑫不信の輪
⑬なぜ正直になるのか?
共有地の悲劇
自然は、社会のための人間を形づくったさい、同胞を喜ばせることについての生まれついての願望と、同胞を怒らせることへの生まれついての嫌悪を植えつけた(アダム・スミス)
⑭正直さ
現金そのものでは不正行為をしない
目の錯覚と同様に、決断の錯覚がある
わたしたちには自然から与えられた道具しかないため、自然にくだす決断はその道具の性能や精度の制限を受ける
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合理的に人間は選択するという過程が正しいか否か
自分が何か選択する時、何の影響を受けているか?
わかりやすくて、専門用語も少ない。