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昨年世間を騒がせパニックに陥れた新型インフルエンザ。今年の秋冬もインフルエンザ発生のニュースとともに新たな予防知識や治療薬、新ワクチンの情報が溢れ、家庭や学校・企業は振り回されることになるだろう。しかし、感染症の専門家である著者は「インフルエンザは怖くない。必要のない薬やワクチンは服用しない」と主張。インフルエンザの抗ウィルス薬、子宮頸がんなどにまで広がる最新ワクチン情報まで、自分のため、家族のため、知っておくべき医療知識をわかりやすく解説する。
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読まず嫌いはよくないというのと、よいことも書いてあるという意見もあったので読んでみた。本当はアマゾンにも同文を投稿したかったのだけど(ちゃんと本名で)、あそこは星をつけなければいけないから、やめた。星をつけるのも、つけられるのも僕は好きではない。
全体的には、うーんなところが多いのだが、興味深い点もいくつかあったし深く同意できるところもあった。特に気がついたところを箇条書き。
・3p 「インフルエンザワクチンは、どのように作っても効かないワクチンです」という冒頭からのコメントで、その後の理路もこれまで通り。
・29pなど 過去のインフルエンザワクチンなどとの体験が著者の見解のバックボーンになっている。
・41p 前橋レポート発表に至る内部事情が紹介されていて興味深い。
・43pNEJMに載ったというだけでその論文を高く評価してはいけない、という意見はその通りだと思う。しかし、2007年の論文が「既存のデータの読み替えを行っているだけ」という根拠だけで批判されているのは、おかしい。既存のデータだろうが自分で拾ったデータだろうが、データはデータなのだから。論文批判の方法としては説得力がない。
・43p 前橋レポートを裏付ける2009年のデータ、という見出しは明らかにミスリーディング。不顕性感染があったという部分だけ。ワクチンの効果に関する裏付けではない。こういう「ごまかしに近いまぎらわしさ」があると、クレディビリティーががくっと下がってしまう。編集者のせいか著者の意向なのかは分からないけど。
・64P ワクチンで脳症が予防できない(できるという話はない)には僕も同意。
・67p 治癒証明に意味がないという意見にも激しく同意。
・87pから 輸入ワクチン絶対悪、国産ワクチンなら、、、という見解には僕は同意しない。これは食べ物でも何でもそう。
・91p 10ミリリットルワクチンの問題指摘はその通りだと思う。
・97p タミフルについて。世界的に予防投与はしないことになっている。はミスリーディング。これはケースバイケース。
・104p うがいもマスクもインフルエンザ予防にはならないという意見。半分同意(うがい)。マスクも使い方次第。
・132p BCGへの懐疑にはある程度同意。
・147p−「子宮頚がんワクチン」への見解は、うーん、という感じ。検診か、ワクチンかという「あれか、これか」の議論軸に陥ってしまっている。どっちかに選ばなければならない根拠はない。効果が確定的ではない、という指摘はその通り。
・ 155p-Hibについては完全に事実誤認。アメリカだけではなく、他の国も一貫して効果は確認されている。また、時系列での減少、現場での実感もあり、症例隠ぺい論はちょっと無理がある。日本の乳児死亡率が低いのとワクチンの必要性は別の問題で、議論が混乱している。
・157pー高齢者の肺炎球菌ワクチン。議論が飛んでいる。書いている内容は妥当だと思うが急に「必要のないワクチンだと思います」という唐突な結論。理路が見えない。ただ、打たないという選択肢はあってもよいと思う。
・159���−B型肝炎。完全なる事実誤認。感染経路も欧米の事情もまったくの事実誤認。70年代の自分の体験談だけが根拠になっている。
・182pー種痘はすばらしい、すばらしいというが、実は結構副作用があったと言うのはその通り。歴史のダークサイド。
・その他、昔のワクチン事情のエピソードは、僕の知らない世界で読み物としてはたいへん興味深いものだった。ワクチンに対するルサンチマンが生じる素地(公権力を振りかざし、、、191p)もなんとなく理解できた。188pの、「政治、国が関与して、国民全部に打たせるような、そういう、、」という政府の強制性や全体性への否定的な見解も、僕は同意する。
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ンフルエンザワクチンはいらない 母里啓子 著を読みました。母里啓子さんは元国立公衆衛院疫学部感染症室長を歴任、前橋リポートの作成にも携わっております。前回、予防接種は「効く」のかを読みましたが、予防接種は「効く」のかでは前橋リポートは統計のとりかたに疑問があるので再度検証すべしとし、インフルエンザは群として効能があるので接種すべきという論説でした。本書の論説はまったくの逆、ワクチンは積極的にとらないほうがよいという論説です。
異なった2つの意見を聞いたとき、私はしばしば何の判断もできなくなってしまうことが多い。対立軸で考えないで双方の意見の正しい点について注力すればよいと考えます。
本書で言いたいことは4点
インフルエンザワクチンは効かない
インフルエンザは不顕性があり学童防波堤論はなりたたない
インフルエンザ利権によりインフルエンザワクチンが効かないという点について意見を言う人がいない
インフルエンザにはむしろ掛かったほうが良い
そもそも、インフルエンザワクチンが効くのか効かないのか、検証する方法がないので答えがでない。そもそも、ワクチンを打ったからといって絶対に掛からないわけではないとうワクチンはどうなの?という意見は確かにある。
ワクチンの有用性について、議論がかみ合わないのはその評価基準が人によって違うからだと考えるべきだろう。ワクチンの効用について疑問を呈するだけであれば、論説にノイズが少し多い。利権云々は義憤にかかわるところだし、正しい論点ではない気がする。インフルエンザにはむしろかかったほうが良いのかといった点については受け入れられる人、いない人があるだろう。総じて色々、雑な点はあるが以下の点については、忘れてはいけない点であろうと考えた。
P169 新型インフルエンザ騒動の中、感染者を出した高校が風評被害にあった時には、これほど医療が進んだというのに、人々の「うつる病気」「うつること」への恐怖や嫌悪が取り払われていないのを感じました。病気の怖さをあおるマスコミと過剰に反応する人々。そこには、「病気を持った人」への差別や偏見、「我が身さえ安全であればよい」とする考えが潜んでいると思うのです。
第1章 世界一大産業になった「非力な」インフルエンザワクチン
インフルエンザには不顕性感染があり、発熱を伴わないが感染している可能性がある。そのため、元気に登校しているが実はインフルエンザに罹患している児童がいる。そのため、児童をインフルエンザの防波堤にするというのは成り立たないという説明です。
P20 小中学生を盾にして、社会全体をインフルエンザから守ろう。これが集団接種を理論づける「学童防波堤論」です。
P28 横浜市中の接種率や学級閉鎖の過去10年分のデータを集めていきました。
接種率の高い学校の学級閉鎖が少ないわけではない。接種率が高ければインフルエンザ症状を起こさないわけではない。過去十年分のデータから、そこにはまったく相関関係がないことがわかったのです
P39 抗体検査を行っ���ことで明らかになったのは、感染しているのに38度以上の発熱を伴わない子どもが、少ない場合でも20パーセントもいるということ
P39 症状が何ら現れてなくても感染していることを、不顕性感染といいますが、インフルエンザにおいてもそれがあるということが、5年にわたる血液検査ではっきりと証明されました。
第2章 新型インフルエンザ狂想曲
インフルエンザ利権というものがあり、インフルエンザワクチンは効かないのにものが言えない状態になっているという説明です。
P113 私が国立公衆衛生院にいる昔からよく知っていて、信頼していた学者が、インフルエンザワクチンを推進する話をしていて、失望することがたびたびありました。
P116 世界中にはこのインフルエンザウイルスの地図作りを研究している人がいます。インフルエンザに群がっている研究者がいっぱいいるのです。インフルエンザなら、研究費も製薬会社から贅沢にでますから‥‥‥‥
P120 インフルエンザにかかったら、ただで素晴らしい生ワクチンをもらったと考えましょう。そして何より、無理をせずゆっくりと休暇をとることです。~ インフルエンザは、はやったりすたれたりして、ずっと長いこと人間と共存してきた病気です。これからも、うまくやりすごしていけばいいのではないでしょうか。
第4章 病気をおそれすぎない
病気は原則うつるもので過剰反応は良くない、ワクチンで病気を殲滅できないという説明です。
P169 新型インフルエンザ騒動の中、感染者を出した高校が風評被害にあった時には、これほど医療が進んだというのに、人々の「うつる病気」「うつること」への恐怖や嫌悪が取り払われていないのを感じました。病気の怖さをあおるマスコミと過剰に反応する人々。そこには、「病気を持った人」への差別や偏見、「我が身さえ安全であればよい」とする考えが潜んでいると思うのです。
P197 病気にかかること、うつすこと、うつることは、決して悪いことではありません。人は病気にかかりながら強くなるのです。すべての病気を予防しよう、病原菌やウイルスは排除しよう、撲滅しようと考えることは不自然だし、ワクチンで自然界にある病気を撲滅できると考えるなど、人間の思い上がりではないでしょうか。
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もう1年以上経過してしまいましたが、昨年(2010年)のGW直前に新型インフルエンザが猛威をふるって多くの人がインフルエンザにかかったと言われています。
特に、初めは日本上陸を阻止するための水際作戦が全国で進められていて、最初の感染者は全国ニュースでも報道されるなど、かなり加熱していたと記憶しています。
そうして風が流行る冬を迎えるにあたって、多くの人が当たり前のように予防接種をしたので、大量のワクチンが必要になり接種の順番までつけられていようです。
でもあれはいったい何だったのでしょうか。新型は当初物凄く恐ろしい病気のように伝えられましたが、いつのまにか終息してしまい、別のニュース(Wカップサッカー等)にとってかわっていた感じがあります。
この本は、数年前に「インフルエンザワクチンはうたないで!」という当時の私にとっては衝撃的なタイトルを図書館で見つけて読んだ本と同じ著書である母里女史の書かれた本です。
あの本を書いた母里女史の私にとっては待ちに待った本でした。
特筆すべきことは、ワクチンを接種して死亡した人数(133名)と、インフルエンザによって死亡した人(198名)が殆ど同じということ(p99)と、マスクも「うがい」もインフルエンザの予防にはならない(p104)
以下は気になったポイントです。
・インフルエンザワクチンは、ウィルスをホルマリンで殺した不活化ワクチンなので、血中に抗体を作っても体内で増えることはないまま、数か月で泡のように消える(4か月で半分の効果)、またインフルエンザウィルスは喉に感染するので、血中に交代を作っても感染は防げない(p4、106)
・何年かに一度自然にインフルエンザにかかれば、自分で作った強力な抗体が得られる、その抗体はウィルスの少々の変異はものともしない免疫力を持つ(p5)
・統計によれば(台湾高地で済む人の死亡率が倍以上)スペインかぜが得体のしれない強毒ウィルスであったわけでなく、感染力が強く、厳しい環境下で重症化する、感染症として通常の経過をとるインフルエンザであったことがわかる(p16)
・1973年から始まったワクチン被害裁判(140件、うち81件が種痘)は、1984年に全員勝訴したが国は控訴、1992~1994年にかけて国は和解した、提訴して26年間かかった(p32)
・1981年のウィルス学会では、インフルエンザのウィルスの変異が早すぎるためにワクチンは効果がない、流行するウィルスの予測が当たれば効くが、予測は当たるわけがない、と結論付けた(p36)
・1994年2月に予防接種法は改正され、3~15歳までの子供たちへの義務接種は廃止されて、インフルエンザワクチンは予防接種対象外となり、集団接種は廃止された、これにより500万本が30万本へ減った(p52)
・インフルエンザで死亡するのではなく、インフルエンザにかかり、肺炎を起こして亡くなっていることが多い(p56)
・2008年に65歳以上の高齢者に公費(税金)で予防接種ができるように法律が改正され、高齢者がワクチンを拒否するのが難しい状況になった(p61)
・インフルエンザの発熱は、ウィルスは菌を殺すために自分の力でだしている熱であり、それを解熱剤で下げようとすることが間違い、氷枕や氷嚢で冷やすのが一番良い(p63)
・インフルエンザワクチンを打たないで施設から患者を出したら、世間から非難を浴びるようになってきた、高齢者の施設では高齢者や職員までワクチン接種が強要された(p78)
・インフルエンザで水際作戦は無理、発熱もないまま感染している人もいるし、発熱している人だけを隔離しても無駄(p83)
・これまでインフルエンザワクチンは妊婦に打ってはいけないとされていたが、今回は妊婦が最優先となった(p93)
・タミフルはWHOでも推奨していない、タミフル等の抗インフルエンザ薬による異常行動は報道されないだけで、なくなっていない、タミフル服用後の脳症もなくなっていない(p97)
・2009年11月に新型インフルエンザワクチン接種後に70代男性が死亡してから、最終的に133名亡くなったが、「慎重に接種するように」ということで続行された(p99)
・2009年から2010年にかけて日本中をゆるがした新型インフルエンザでの死者数は198名、事前の予想は1万人以上(p100)
・インフルエンザの流行は、常にインフルエンザのシーズンが日本よりも半年早く訪れるオーストラリアの流行状況で予測できる、オーストラリアで7000人死ぬといわれていたが実際には170名であった(p101)
・マスクも「うがい」もインフルエンザ予防にはならない、ウィルスが小さくてマスクを通過する、のどの粘膜にウィルスがとりついたら1分以内に体内に入る(p104)
・最終的に新型インフルエンザワクチンを打った人は、2000万人程度でいつもの季節性インフルエンザワクチンと同じくらい(p110)
・インフルエンザの遺伝子はRNAしかもたないので自分で遺伝子のコピーはつくれないので宿主に感染して細胞にとりついて増殖する、強毒であれば宿主を殺すので子孫を増やすことができず、猛威を振るうことができなくなる(p117)
・インフルエンザにかかっても、栄養を取ってゆっくり休養していれば心配いらない、スペインかぜの時の兵士のように、かかっても休めない、過酷な状況では危険になる(p118)
・ワクチンで防げる病気は、天然痘・はしか・破傷風とごくわずかの病気のみ(p185)
2011/7/17作成
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チェック項目10箇所。50年診療していてインフルエンザで死亡診断書を書いたことなし。インフルエンザワクチンを打っても打たなくても罹患率に変わりなし・・・前橋レポート。インフルエンザワクチンは効果があると期待すると書かれている。インフルエンザワクチンを打っても誤嚥性肺炎は防げない。新型インフルエンザワクチンの後に死亡した例あり。マスク・うがい・意味なし。輸入ワクチン1200億円はすべて国民の血税から。ポーランドでは輸入しなかった。 インフルエンザで滅びた種族・国はない。ポリオは基本入らない。肺炎球菌ワクチンの効用わからず。高齢者に打つ必要なし。
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インフルエンザワクチンは本当に必要なのか?
この本を読んで、一度考えてみてほしい。
『インフルエンザにかかっても、栄養をとり、ゆっくり休養していれば何も心配することはない』
『ワクチンで防げると言えるのは、天然痘・はしか・破傷風とごくわずかの病気しかありません』
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効きもしないワクチンを打たされるという現状について問題提起をした書。もうちょっと数値をだしてしっかりとした議論がほしいところ。
某自治体で子宮頸がんのワクチン無料化を反対したら水疱ワクチンが無料化になったというのは唖然とした。