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かつて公民権活動家で当局から不当な扱いを受けた経験を持つ黒人弁護士のジェイ。
銃声響く川面から一人の女性を助けたことで事件に巻き込まれていく。
ジェイの優柔不断さ、弱腰なところなどが気に障って読んでいて苛つく。
かつて当局に弾圧された経験が彼をそうさせるというのはわかるのだけど、そこまで卑屈にならんでもと思ってしまう。
1980年代のヒューストンが舞台で、まだまだ黒人の人権が軽んじられている状況が出てくるので、もどかしさ倍!といったところか。
ラスト近くに本来の自分を取り戻し、大きな犯罪に立ち向かおうとする姿を見せるのだけど、それまでが散々なだけにすとんと落ちてこないと言うか…。
ま、好みじゃなかったということか。
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妻の誕生日祝いに用意したナイトクルーズは、女性の悲鳴と銃声で悪夢に転じた。暗い川面から若い女性を救いあげたジェイは、それ以上の関わりを怖れ、彼女を警察署の前に放置して立ち去ってしまう。かつては公民権活動家で、当局の弾圧をも経験した彼にとって公権力とは悪夢そのものでしかなかったのだ。だが射殺死体が発見され、ジェイは否応なく事件の渦中へ……アメリカ社会の影を新人らしからぬ筆力で描き、ジェイムズ・エルロイ、ジョージ・ペレケーノスらに絶賛された期待のデビュー作!
長い。さあ、これからというところで終わってしまうので、ややもやもや。
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公民権運動に参加して逮捕された経歴を持つ黒人弁護士。
彼が否応なく巻き込まれていく先は...。
近代アメリカ史の暗部に鋭く切り込んだミステリー。
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舞台は1981年のテキサス、大衆運動を率いたことで逮捕歴のある弁護士がひょんなことから事件に巻き込まれていく社会派ミステリー。公民権運動に港湾ストライキ、更に石油備蓄問題が絡み合う多層的かつ複雑なプロットで、アメリカの暗部を描こうとする著者の熱量がひしひしと伝わる実直で骨太な作品だが、物語の焦点が定まらぬまま、風呂敷を広げ過ぎてしまった印象。それ故、終盤における主人公の決意表明も今ひとつ説得力に欠ける。デビュー作の気負いとも取れる過剰な緻密さも相まって、本編600頁超を読了した満足感よりも徒労感が勝った。