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コンプライアンス、法令遵守でさえ、所詮は「手段」に過ぎないんだと認識した。どんなことでも大切なのは、やはり「目的」そのもの。「手段」としてのコンプライアンスが「目的」化するから、おかしくなる。
コンプライアンス、法令遵守の「自己目的化」が、さまざまな弊害を生んでる。確かに、そのとおり!!
自分たちで作りだしたルールに、盲目的に縛られているばかり。だったらそれを変えればいいのに、そうしようとする力・アクションが湧き出してこない。だから、ますます上意下達は強化され、一方で現場のモチベーションは下がるばかり。
どうすれば、現場から上を突き動かすことができるようになるのか?それが課題。
・法令・規則であれ規範・倫理であれ、上から下にその「遵守」を命令し、何も考えないで盲目的に従えばよいという姿勢が世の中をおかしくしている。
・「法令遵守」から「社会的要請への適応」への転換のためには、まず、自分たちを縛っているルールが実態に適合していないとき、それを単純に「遵守」するのではなく、実態に適合していないことの指摘を行うことが必要だ。(略)重要なことは、自分たちの組織としての活動に最も適合したルールを積極的に作っていくこと、つまり、「ルールを創造すること」だ。
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著者は東京地検特捜部、法務省法務総合研究所総括研究官等を経た、日本における組織のコンプライアンスの第一人者(巻末の著者紹介より)。
コンプライアンスを単に「法令遵守」ではなく、「社会の要請に応える」という観点で取り組むべきと解説する。
自分は現状「法令順守」を推進する部署に所属しているが、思考を停止して形式的な「法令順守」を振りかざし、クライシスマネジメントにあたらないようにしなければならないという教訓となった。
<取上げられた事件>
・郵便不正事件(証拠改竄)
・筋論クレーマーへの対応
・年金改竄問題
・医療過誤問題
・「あるある」の「納豆ダイエット」
・「朝ズバ」の「不二家パッシング」
・ライブドア事件
・村上ファンド事件
・不二家:消費期限切れ原料使用問題
・トヨタ:プリウスリコール問題
・花王:エコナ問題
<成功例>
・キリンHD:プラスアイ商品に関する取組み
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組織が思考停止状態にならないことはいざ組織を運営する側になると想像以上に難しい。
いざ困難に直面すると、組織が思考停止状態にある場合がほとんどで、この本の深さが分かる。
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著者が関わった第三者委員会での視点が面白い。不二屋、社保庁、「あるある」(関西TV)と「朝ズバ」(TBS)の違いなど(TBSに問題)など。
単純な善悪二元論ではすまないが、現代マスコミへの対応を含め、どう対外発信するかをかんがえさせられる本
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コンプライアンスは「法令遵守」ではない、というのはおっしゃるとおり。。しかし社会の要請を見極め、それに応えていくことは本当に難しい。
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西欧近代主義の産物である近代的な組織。
その組織が陥ってしまう組織防衛的な教条主義。
官民を問わず、重大な不祥事が生じたとき、第三者委員会委員という立場でコンプライアンスをプラス思考で適応してきた著者。
クライシスマネジメント、ルールの創造へと新たな提案をされている。
日本国民がしっかりと読んで欲しい著作である。
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とかくコンプライアンス=「法令順守」と考えられがちであるが、その考え方が組織を萎縮させ、思考停止を起こし、問題が発生した場合に間違った対処を行って取り返しのつかない結果を引き起こすと説明する。コンプライアンスは、「社会の要請に応えること」であり、組織の目的・存在理由を念頭に置いておくこと、それを感じ取るセンシティビティーが重要であるとする。単に法律を守るということは枝葉末節に過ぎず、そこに拘ってしまい危機管理対応を間違った具体例(年金改竄、医療過誤、マスコミの捏造問題等)を挙げて実証していく。著者の出自である検察の郵政不正事件についても頁を割いて解説する。社会は何を求めているのか・・・。
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・「コンプライアンス」とは「法令遵守」のことではない。組織が社会の要請に応えることだ。
・なぜその法令があるのか?ということから根本的に問い、皆で話し合い、場合によっては法令の改正まで考える「ルールの創造」が必要。
・組織としてセンシテイビティーを鋭くすることが重要
会社の守りをサッカーにたとえていたので印象的。
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郷原氏の著書
コンプライアンスの定義『社会の要請に応えること』の意味を、各業種における過去事例を交えて説明。
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検察問題を入り口に,コンプライアンス≠法令遵守という持論を展開。フルセットコンプライアンス,リスクマネジメントとクライシスマネジメント,などなど,非常に予防法務的な立論です。コンプライアンスを社会の要請に応えるという意味だと強調すればする程,法律家の専売特許ではなくなるような気もしますが,修羅場をくぐってると言う意味では,コンプライアンスもしくはリスク・クライシスマネジメントの専門化の供給源としては有力であり続けるのでしょう。
ビジネス書的な側面も強い本ですが,検察と法務省,法務大臣ととの関係など,検察論としても実務経験のある法律家らしい分析がされています。
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郵便不正事件から検察の実態が暴かれたが、元検察の筆者がなぜ起こったのか、その仕組みから、具体的な事例での提言をまとめている。
具体的には、官公庁、医療、放送メディア、証券会社、などのことや、クライシスマネジメントについて述べている。筆者の本を読んでいると、ほとんどは今までの本に書いてあるかなと思うことが多かった。
最近刊行されたので、興味がある人にとっては読みやすいかもしれない。
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さすが理系学部卒の検事出身、しかもコンプライアンス関係のアドバイザリ経験豊富な弁護士といった作者の書いたものだけあって、およそ「組織コンプライアンス」を論じたもののなかで、ダントツに説得力のある内容だと思いました。
法令「遵守」ではなく、目的指向の「ルールの創造・修正」こそがコンプライアンスだというのは、僕自身の経験から言ってもまったく賛成。ただ、それを実際に実現するには、トップの強力なリーダーシップと実務能力に長けたサポートスタッフの存在が必要で、なかなか簡単ではないことも確かなのですが。
ともあれ、組織に属する人間としては、一読の価値ある本だと思います。
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組織論と思って読み始めたら、がっつり法律関係の用語が飛び交うという事態になってしまう。そもそも郷原氏が組織論?と不思議だったのだが、その時点で気づくべきだった。
法律用語が容赦なく飛び交うので、法学の心得がないと難しい。私は理工系出身なので読み進めるのを何度も諦めかけた。(しかし、郷原氏は理工系の学位も持つ異色の法律家である)
しかし、内容は非常に緻密で切り口も鋭い。厚労省の村木氏の冤罪事件から検察という組織に対する体質の問題に切り込み、そこから一般の組織へと視野を広げ、コンプライアンスという普遍的な問題として捉えることにより、組織の不祥事が起こるプロセスや、発生した場合の対応方法を丁寧に検証している。
そして、広義の「法」に対して、ただ盲目的に守ることだけでなく、それが現実にそぐわない時の対処にも触れる。この辺りは、日本では「法」はお上や上層部から降りてくるものという意識に警鐘を鳴らすものといえるだろう。
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組織、コンプライアンスを軸に検察から一般企業のあり方を勉強させられます。
「厚労省の冤罪をめぐり検察の問題点を指摘する本」と、勝手に思い込んで読み始めた私が、本書の真意を理解するまでには正直時間がかかりました。また、頭を回転させながらでないと内容理解できないので、気楽に読み始めて暫くはなかなか先に進めず、実は一時中断していました。しかし、今は読んで良かったと思っています。
ネット(ツイッター、ニコニコ等)での郷原氏の発言に共感するところが多かったので読んだのですが、別の作品も読んでみようと思います。読み終えたときの達成感はほかの本の数倍あります。