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上下巻あります。
上巻は面白く読みましたが、下巻がいまいち楽しめず。
精神世界の熟達のようなものに重きをおくヒーローですので、そういうものが楽しめる人にはとても楽しい小説かも。
私はこのニコライという主人公をあまり好きになれませんでした。
少年期から巣鴨の刑務所に収監されるあたりまでは好きなのですが、
エロを無駄に精神とか上品さみたいなものに結びつけるのがなんだかゾクゾクして私には合わなかったです。
ル・カゴが唯一、好きになれる登場人物で、あとはなんだかお互いがバカにしあっているので、どうも好きになれませんでした。
この主人公はケーヴィングが趣味なのですが、下巻の冒頭でル・カゴとケーヴィングをするくだりを長々と書いてるなと思っていて、なんだか退屈だとすら思っていましたが、クライマックスが再び、この洞穴での戦いという流れにはページをめくる手が止まらなかったです。
こんな風な一人だけの冒険活劇ってなかなかないのではないでしょうか。
敵が究極です。自然だもの。
けど、その自然の背景には人間の敵がちらついている。
ここは、すごく面白く読みました。
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上巻を一気に平らげてしまい、下巻を読了するまでは眠れそうにない自分がここにいる。感想は下巻に譲ることにしよう。
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本書(ハヤカワ文庫)の帯にはデカデカと「冒険小説の金字塔」というキャッチが踊る。
しかし、本書は単なる冒険小説の類いなどではない。
本書の主人公にして希代のアンチヒーロー、ニコライ・ヘルは、華やかなりし頃の上海に亡命ロシア貴族の子供として生まれた。
少年期に日本人の岸川将軍から“シブミ”の思想を学び、青年期に大竹七段から囲碁の手ほどきを受ける。碁を通じて精神性を高め、岸川将軍から学んだ”シブミ”の精神を求める。
そして生来の才能から”裸-殺”(ラサツ)を体得したヘルは、マザー・カンパニイのマスターコンピューター通称ファットボーイが最重要警戒人物と仕分けする世界屈指の暗殺者となっていた。
ヘルはハンナを護ろうと決意するが、CIAをも牛耳るマザー・カンパニイはその包囲網を狭めていく。そしてそれを指揮しているミスタ・ダイアモンドは、ヘルとは因縁浅からぬ相手だった...。
「シブミ」とは何か、
「シブミという言葉はごくありふれた外見の裏にひそむ極めて洗練されたものを示している。この上なく的確であるが故に目立つ必要がなく、激しく心に迫るが故に現実のものである必要がないことなのだ。シブミは知識というよりはむしろ理解をさす。」これは岸川将軍が、ヘルに説いてきかせたシブミだ。
日本人が尊ぶ侘びや寂びといった独特の美意識についての著者の見解は深く、驚くほどに正確だ。
よく外国人が誤解しているような妙でへんちりきんな幻想は微塵もない。
そして、歴史は勝者によって作られることを、負けた日本の目線にたって語ることのできる欧米人作家もいないかもしれない。
ここで私が語る何百倍も、この小説は素晴らしいと思う。
今は亡き、訳者の菊池光氏と著者、トレヴェニアンに感謝を。
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2011.9.27~10.14 読了
物語は1970年代のテロ事件が背景になっている。空港での乱射場面は多分テルアビブ空港の日本赤軍テロ事件をイメージしている(テロリストが一般市民を無差別殺傷した初めての事件で世界中が震撼した。日本人3人組で2人が射殺され生き残ったのは岡本公三だけだった。)。全体的には暗殺者と日本精神や囲碁の組み合わせがユニーク。でもこんなに各国政府の機密情報を握っていればできないことはないよな~。作者の日本文化への造詣にはいたく感心、外人には理解できないと思っているのは日本人だけかも・・
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上巻300ページ強にしてほとんど物語自体は進んでいない。。。
発端となった事件よりも、ニコライ・ヘルという人物の物語なのか。
下巻はどんな展開になるのだろう。
しかし、こういう風に描いてくれると日本の精神ってかっこいいなと思う。
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「サトリ」を先に読んだので、本家を続けて読んでみた。
トレヴェニアンの作品を読むのは、「アイガー・サンクション」に続いて二冊目。
日本に関して、おかしな描写も多少あるのかもしれないが、とにかく読ませる力を持っていると思う。続きは下巻で。
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ちょっと描写や説明が長くて、結構飛ばし読み。背景も本当はシンプルながら、文体?でわかりづらい。上巻は全くストーリーが進まない。
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やっぱり気になって読んでみた。最新版を。
やはり取っかかりは、入りにくいのだが、読んでいくうちにぐいぐい引き込まれていった。
この巻では、ニコライの子供時代から、岸川との由来、囲碁との関わり方、そして岸川を手にかけた経緯など、すでにニコライを知っているので「ふむふむ、ふ~む」「なるほど、そういうことか」等々さとりで「??」の部分が霧が晴れるがごとく、もやもやがきっぱり消え去った感じ。
読んで良かった~
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30年くらい前に書かれた本です
当時の外国の方がなのに日本の渋味に着目する所がよっぽど日本好きだと思われる
前に読んだサトリのテンポだと思って読むと、テンポが違うので戸惑うかも
時間軸が今から話が始まるのにニコライの過去の話しか出てきませんーーーー
そして上巻が終わった・・・
150P位から面白くなってきました!
早く下巻読みたいです
ニコライ出てきてーーー
サトリと繋がることが色々出てきます
別の人が書いているのに凄いなぁ
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難しかった!
PLOにCIAにマザー・カンパニ-にアメリカ政府にイギリス政府に第二次世界大戦にイスラエル問題に碁にシブミに、残念ながら頭がついていけなかった。勉強不足を実感。
それでも、読み応えがあり、しっかり読破できたのはよかったです。
海外の小説で、ここまで日本の精神が中心に描かれる小説に出会ったことがなかったから新鮮でした。
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シブミを得た暗殺者ニコライの活躍を描きます。少年期での菊川将軍との出会い別れ、シブミの会得する。テロ事件をきっかけに表舞台に存在を知られ、新たなテロ事件へと巻き込まれていき、手先ダイヤモンドとの対峙、首謀者の駆け引きなど、バランスが絶妙です。本作より前の話しとなるドン・ウィンズロウの「サトリ」を先に読んだので、登場人物との関係なども理解できましたが、本作を先に読んだ方がいいかもしれません。
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『アイガー・サンクション』『夢果つる街』読了済。著者の情感溢れる筆致は大いに認めるものの、欧米作家の描く日本という設定に違和感を覚え、今日まで読まずにきた。話の本筋よりは、ゴルゴ13を思わす稀代の暗殺者の出生の秘密と戦時下の上海・日本での青春時代の描写が秀逸。アメリカ人とは思えない日本文化への理解と共感。もし日本学の泰斗ドナルド・キーン博士が謀略小説を書けばこの様なものになるかも。現代日本人には決して書けない廃れゆく日本の美への哀惜の念。日本人の目には心地良いが肝心の母国の読者が理解できたのかが気になる。
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私の評価基準
☆☆☆☆☆ 最高 すごくおもしろい ぜひおすすめ 保存版
☆☆☆☆ すごくおもしろい おすすめ 再読するかも
☆☆☆ おもしろい 気が向いたらどうぞ
☆☆ 普通 時間があれば
☆ つまらない もしくは趣味が合わない
2012.5.20読了
絵画や音楽、そして文学というのは、どれだけ、その世界が構築出来たか、というのが、その判断規準ではないだろうか。
なかでも小説は、直裁に世界を構築できるので、その洗練度は低いかもしれないが、面白さ、その世界の巧妙さでは、一歩抜いているだろう。
他にも、小説には、それ独特の香りというような評価されるものがあるが、世界が作られていなければ、意味の無いものであろう。
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ミュンヘン・オリンピック村テロ事件の犯人を追い詰めるユダヤ人グループ、ミュンヘンファイブ。だがグループのメンバーは巨大組織マザーカンパニーに虐殺されてしまう。辛くも生き残ったハンナはバスクに隠遁する暗殺者、ニコライ・ヘルに助けを求める。題名はニコライ・ヘルが体得した日本独特のシブミから来ている。上巻は主に若きヘルが暗殺者になっていくまでの経緯を描く。冒険小説というよりも、一種の教養小説の趣がある。碁になぞられた人生観が語られていくが、著者はよほどの日本通であるのか、描写が自然。ストーリーも面白い。ただし、米国人が幹部にすわるマザーカンパニーがユダヤ人を虐殺することに、違和感があり、個人的には、つかみは良くなかった。したがい、★をひとつ下げた。
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(上下巻共通。)
日本を舞台にした第二次世界大戦秘話と洞窟探検と暗殺者の三題噺。
どのパートも楽しく読めました。
解説とかを見ると、間違った日本観を楽しむ本なのかと考えてしまいますが、日本文化についてもかなり正しく描かれています。
叙情的なところも好印象。