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函館・大沼を舞台に、写真家の青年と妖精のような無垢な少女が出合い、恋に落ちる。
少女と共に過ごせる時間を守るため、青年は襲い掛かってくる追手に立ち向かい、何とか乗り越える。ただ、そこに高揚感は全くなく、ただただ悲壮感だけが高まっていく。
そして青年は少女と共に悲しい最期をとげる。
青年は、義父との間に語れない過去を抱えており、遅かれ早かれひどい目にあっていたであろうことを考えると、この結末において、青年は救われたといえるのだろう。
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読み進めるに連れ、敦司の人間性に疑問を抱くようになり、義父に性的虐待を受けていた事がわかったあたりから哀れに思えてきた。
ストーリーは、ドロドロしながらも、有紀の純粋さがそれをか掻き消していて、「二人でどこか遠くに逃げたらいいのに」と、二人を応援したくなる。
だけど、クライマックスにさしかかるあたりから、私は敦司がなんて身勝手な人間だと思えてきて、だんだん、だんだんムカついてきました。特に最後、有紀を連れて逃げる場面ではそのムカつきが最高潮に達し、「そんな傷ついた体と状況で、有紀ちゃんを守れる分け訳がないやんっ」と、これは馳星周さんの小説だとわかっていながらも怒りにまみれ、それぐらいこの小説の世界に入り込んでいました。
そしてラストシーンでは、その怒りは涙に変わっていました。
敦司と有紀が、愛情ある両親の元に生まれ変わり、もう一度出会えますようにと、願って幕を閉じた、私の『淡雪記』でした。
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馳星周「淡雪記(たんせつき)」、2011.2発行。北海道の函館近くの別荘が舞台。カメラ好きの三浦敦史21歳と、とても綺麗だけど心は子供で知的障害を持つ有紀の物語。全524頁。頑張って読み進めましたが、テンポがゆるくて122頁で失速しました。
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二人は会うべくして会った。三浦敦史は壮絶な過去があり有紀は知的障害がある。その二人が惹かれ合い想像もつかない最期をむかえる。こうなる運命だったのか、、無理があるところもあったがこれはこれで面白かった。
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主人公が有紀と仲良くなり写真撮り始めるくらいまでは北海道の自然を彷彿させる描写などもあり良かったが、ヤクザ殺した後は暴力沙汰続きでした。