サイト内検索

詳細検索

ヘルプ

セーフサーチについて

性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示を調整できる機能です。
ご利用当初は「セーフサーチ」が「ON」に設定されており、性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示が制限されています。
全ての作品を表示するためには「OFF」にしてご覧ください。
※セーフサーチを「OFF」にすると、アダルト認証ページで「はい」を選択した状態になります。
※セーフサーチを「OFF」から「ON」に戻すと、次ページの表示もしくはページ更新後に認証が入ります。

e-hon連携キャンペーン ~5/31

hontoレビュー

ほしい本の一覧を見る

空也上人がいた みんなのレビュー

予約購入について
  • 「予約購入する」をクリックすると予約が完了します。
  • ご予約いただいた商品は発売日にダウンロード可能となります。
  • ご購入金額は、発売日にお客様のクレジットカードにご請求されます。
  • 商品の発売日は変更となる可能性がございますので、予めご了承ください。

みんなのレビュー35件

みんなの評価3.7

評価内訳

  • 星 5 (4件)
  • 星 4 (17件)
  • 星 3 (7件)
  • 星 2 (4件)
  • 星 1 (0件)
35 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

「性」と「悪」、そして「許し」

2011/09/12 22:12

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:kumataro - この投稿者のレビュー一覧を見る

空也上人がいた(くうやしょうにん) 山田太一

 空也上人の彫像は京都六波羅蜜寺(ろくはらみつじ)にあります。見たことがあります。口から出ているのは、音符ではなくて、仏像です。わたしは最初、音符符号と勘違いしました。四分音符に見えました。そういうわけで、カバーにある空也上人の絵を見て読むことにしました。心に重い負担を与える内容です。人間の根源にあるのは「性」なのです。そして「悪」なのです。最後に「許し」がくるのです。
 主人公は中津草介27歳で、特別養護老人ホームのヘルパーです。車椅子を押しているとき、ストレスで精神が切れて、車椅子を放り出します。車椅子にのっていた女性は床にころがり落ちます。そして、認知症のはずの女性は、車椅子から落ちた瞬間だけ正気に戻り、中津草介をにらむのです。<おまえがやったな>。女性は6日後に亡くなります。周囲の職員は、中津草介をかばいますが、彼は自ら辞職します。警察沙汰にはなりません。
 中津草介は退職後、ケア・マネージャー重光雅美46歳の紹介で、81歳男性吉崎征次郎の個人契約ヘルパーとして働き出します。吉崎も車椅子生活者です。吉崎は自分の変わりに中津に空也上人を関東から京都まで見学に行かせます。空也上人の彫像の目が光るのです。<おまえがやったな>。
 そこまでの展開でも胸にぐっとくるものがあるのですが、物語はその後、重厚な積み上げ作業へと進展していきます。全体で155ページ、文字数はそれほど多くない小編です。されど中身は濃い。作者の魂ののり移り先が吉崎征次郎です。読んでいる途中で何度か、吉崎のおっさんはいったい何を言っているのだ!と憤慨しましたが、なかなかたいした個性の持ち主でした。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

人生の途中で重荷を背負った人に。山田太一「空也上人がいた」。

2011/08/22 12:05

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:オクー - この投稿者のレビュー一覧を見る

 150ページぐらいの短い小説だ。脚本家である山田太一の小説は風変
わりな設定が多い。だからこそ、読む側はグググッと前のめりになる。
しかも、そこに鋭いアッパーカットが!これが効くのである。さて、今
回の小説、作者は裏表紙でこんなことを書いている。「もう願い事もい
くらも果せない齢になり、あと一つだけ小説を書いておきたかった。二
十代の青年が語る七十代にならなければ書けなかった物語である」。山
田太一76歳、そうか、実際にはどうなるかわからないが、これが最後の
小説か。

 さて、「空也上人がいた」である。タイトルだけ見ると時代小説とさ
え思えるがそうではない。空也上人は確かに出て来る。重要な役割だが、
出番はそれほど多くない。特養老人ホームのヘルパーだった27歳の草介
はある事故がきっかけでホームをやめる。心配した女性ケアマネージャ
ー重光が新しい仕事を持って来る。吉崎という82歳の男性の在宅介護だ。
山田太一らしい予想外の展開がここから始まる。吉崎は草介に京都に行
けと言う。六波羅蜜寺に行って、木彫りの空也上人を見て来いと言う。
ほら、口から小さな仏像を出しているあの空也上人の立像だ。吉崎の意
図は?それを見た草介の反応は?

 人生の途中でなんらかの重荷を背負ってしまった人間がいる。この物
語に登場する3人は軽重の差はあるがそういう人々だ。彼らに必要なも
のはいったい何なのか?その答えがここにはあるような気がする。46歳
の重光さんを真ん中にこの3人の間には「恋のようなもの」も垣間見え
る。その恋の行方は?交錯する思いの果てにたどりつくのは?ラストが
圧倒的。これは山田太一がたどり着いたある境地だ。少し驚きながらも、
それを受け入れている自分がいる。さて、あなたはどうだ?

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

2011/05/18 14:52

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2011/05/23 00:53

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2011/07/22 15:55

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2011/06/02 11:33

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2011/06/08 20:09

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2011/06/12 03:37

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2011/06/15 16:26

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2011/06/29 07:27

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2011/05/12 22:58

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2011/07/20 07:38

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2011/07/21 20:01

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2011/07/29 22:43

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2011/08/07 23:00

投稿元:ブクログ

レビューを見る

35 件中 1 件~ 15 件を表示
×

hontoからおトクな情報をお届けします!

割引きクーポンや人気の特集ページ、ほしい本の値下げ情報などをプッシュ通知でいち早くお届けします。