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この小説が発売される前の5月27日、関東地方の梅雨入りが発表された。日本の梅雨独特の不快感のせいで、陰鬱な気分にならざるを得ない。今思うと、同著者の前作「"文学少女"シリーズ」は、陰鬱というわけではないにしても、どことなく悲しさ、切なさが物語全体に沁み渡っている感があり、主人公井上心葉をはじめとする登場人物が抱える自分自身への憤りやもどかしさが痛切に伝わってくる話だったと記憶している。
こうした前作と比較してみると、語り手の違いもあるからか、幾分か明るい印象を受けた。主人公是光の生い立ちは凄まじいものがあるが、芯の強さと語りの軽やかさには、不安要素満載のストーリーを読む上で随分安心させられた。
一方で、イラスト担当の方が一緒のこともあってか、前作の面影を感じる点も多少あった。不幸臭の漂う某女性はその最たるもの。作者はまた生殺しにする気なのだろうか。
『"文学少女"と死にたがりの道化』を読んだ時も思ったことだが、1巻だけでは全体としての話がどんなものになってゆくのか(全体像?)全く掴めなかったので、完結を待たずに話の感想をどうこう書いても仕方がないな、と思う。この小説に限ったことではないけれど。
あとがきにあるように、いつかは主人公是光と帝門ヒカルには別れが訪れてしまう。主人公がどのような事件を経験し何を得てどう変化し、別れという一つの節目と対峙するのか。完結がとても楽しみ。
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文学少女と違った感じだけれどもやっぱりビタースイートなストーリー。
作者曰く「別れ」がテーマ。
そしてモチーフは源氏物語。
目つきが悪くて不器用で誤解されやすい高校生が主人公。
ちなみに名前が是光(笑)
これからもっとミステリテイストが強くなりそうなところが素敵。
文学少女ではかのツンデレ少女が切ない感じだったので今回は思いを成就させて欲しいですねぇ。
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文学少女が終わってから初めての作品。正直あまり期待はしていなかった。けれど、やはり野村美月さんは良い!特にキャラ設定がとてもうまいと思う。
どのキャラも立っていて愛着がわいてしまう。
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待ちに待った野村先生の新作!
雰囲気やキャラなど文学少女シリーズの流れから、一新!というわけではなく、いい感じに前作を彷彿とさせる描写も多々あります。
そして、相変わらず物語に惹き込んでくれます、どっぷりです。すぐ読み終わりました。
まだこれから面白くなりそーてことで☆×4です。
次巻が待ち遠しい。
モチーフは源氏物語ですが、未読なのでそちらも読みたいものです。
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他人の気持ちを伝える難しさってものが描かれていたし、是光の誠実さがめっちゃ出ていた。
文学少女シリーズは文学から読み取り人の心を想像する話だったけど、
今回は死んだヒカルの気持ちを伝える話。他人の気持ちをどう伝えるか今後も期待。
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話の作り方、キャラクターの描写などは文学少女の時と同じように質が高い。
しかし、肝心のストーリーはというと、文学少女に比べるといまいち弱いと感じざるを得ない。
キャラクターも魅力があるかというと微妙なライン。
ただ、つまらなくはないので、今後に期待。
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野村美月さんの作品は文学少女から読んでます。文学少女のような暗い雰囲気なのかと構えてたらそうでもなく、ライトノベルに近い作品に仕上がっていました。
作品を読んだ感想としては、心理描写がうまかったと思います、この人の文章はなれるのに少し時間がかかるものの、心理の動きがとても繊細に描かれており、慣れたらスラスラ読める文体です。後半になるほどすーっと頭に入っていき、やがて、頭の中でリピート再生される、そんな感じです。
文学少女とは打って変わって王道ものの青春ストーリーでしたが、キャラどうしのコメディがなかなか楽しめました。ただ、主人公のヤンキー面という個性を活かしきれてない様な気がして少し残念でした。
源氏物語が元ネタなのですが、原作を読んでいればもっと楽しめたかもしれません。ヒカルの心情が未だに理解に苦しむ…
あとがきで書いてたもうひとつのネタ本ってもしや某囲碁漫画ではないのかなww
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あらすじを見てあまり興味はひかれなかったのだが、"文学少女"を思うと無視することは出来なかった。
躊躇しましたが結局は作家買い。
若くして死んでしまったイケメンリア充(ヒカル)に取り憑かれた、女性に免疫のないコワ面の同級生(是光)。
ヒカルが思い残した願い(主として女性関係と思われる)を叶えるために是光が奮闘するのがお話のベース。
一巻ではヒカルが本当に愛していたという女性(葵)に是光が代理で愛を伝えるのが目的になります。
(本当に彼女を一番に思っていたかは続編を待たないとわかりませんが)
ヒカルの存命中のあまりに浮ついた女性関係から、嫌悪感を抱いて是光の言い分を受け入れない葵。
打ち解けていく中で、互いに友達のいなかったヒカルと是光の間に生まれる友情。
コメディータッチの中で、それぞれ登場人物たちのトラウマが謎を残し、影を作っていきます。
このあたりは"文学少女"と同じですね。過去の文学作品をネタにしているところも同じ。
よく言えば安定している、悪く言えば新鮮さが乏しい気もします。
キャラクターも意外性はなくて、どこかで見たような感じも受けますが、そこは野村美月さんが相変わらず感情豊かに描いていて意外と飽きさせません。
手放しに賞賛はできませんが、つまらなくもない。
評価はこの後の展開次第でしょうか。
幽霊という題材をコメディーで扱っている分、"文学少女"よりラノベ調が強い気がします。
イラストもいかにも少女的で、恥ずかしくてちょっと外では読めないです。
私は文学作品に疎いので、源氏物語は授業以外で読んだことはないし、裏設定で入っているという名作も多分知らないと思います。
なのでほぼオリジナルとして読んでいますが、ネタを知らなければわからないような箇所もなく安心して読めました。
(もちろん元ネタを知っていれば、より深く読み解けるはずだとは思いますが)
この物語の最大の謎はヒカルが何故死んでしまったのか。
それは続編で徐々に明らかにされていくのではないでしょうか。
気味の悪さから成仏を手助けする是光が友情を育み、ヒカルの願いを叶えたい気持ちと、成仏してしまう悲しみの葛藤がいずれは起きるだろうと思います。
最後に「ヒカルが地球にいた頃」という壮大なタイトルがついていますが、これも最後には何かしらの意味を持つのではないでしょうか。
"文学少女"みたいにね。
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源氏物語×ヒカルの碁 らしいです。
本当におもしろかった。近頃評価されてるその辺のエッセイとかよりよっぽとおもしろいわ。しゃーないしゃーない、オレ、物語フェチだし。
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「文学少女」シリーズが終わり、寂しい…と思っていた巻末、次作の予告が出ていて、ヤッターーー!!と楽しみにしていました。
そして、「そうきたか!」ニヤリ、としてしまうような新シリーズのスタートですね。「文学少女」ファンならまたファンになってしまったのではないでしょうか。なぜなら、私がそうだからです。
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新シリーズでありながら、文学少女シリーズで確立した既存の古典作品と絡めながら現代にストーリーを膨らませる手法は軽快で、安心して導入から読める。
ヒカルのとんでもない設定(それは幽霊で有ることでは無い)でありながら嫌味を感じ無いのは、ベースになった人の高性能が故か。
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文学少女の作者野村美月さんの新シリーズ。
とりあえず源氏物語を下敷きに書いているのはすぐわかるのですが、もう一つ名作も下敷きになっているらしい。
わたしはまだわかりませんでした。
一巻はまずまずだと思うので今後に期待。
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野村美月さんの新シリーズということで早速読んでみました。
最初は「なんだかなあ」という感じでしたが、後半から一気に面白くなっていきました。読み進めるうちにじわじわと涙が押し寄せてきて、最後には泣いてしまいました(ノω`)、
この話は源氏物語をベースにしているそうですが、それを知ったとき文学少女とダブってると一瞬思ってしまいました。そういうこともあり星は四つです。
ですが女の子との絡みもあり、ヒカルとの友情もあり、続きが楽しみなお話です。
早速夕顔を読んでみます。
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死んでしまったはずのヒカルの姿が見えるようになってしまった主人公・赤城是光が、ヒカルの「心残り」を果たして
欲しいと頼まれてしまい、あれやこれやと奔走するお話。
是光が疎んでたヒカルとだんだん打ち解けて「親友」になっていく様がいいです。
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源氏物語を下敷きにした、現代版青春小説。後味は爽やかで、「文学少女」よりは軽め。かなりベタベタなので、苦手な人は注意。