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元セレブ、ブルースター兄妹の6作目。
駅で目にした光景から、ロバートは町に郵便受け取りセンターを作ろうと計画する。そのさなか、ドイツから逃げ延びてきた仕立屋に相次ぐ嫌がらせが起こり、無害な駅のポーターが殺害される事件まで発生する。
今回の事件解決の主人公は、町の警察署長のウォーカーとその新人助手のラルフ。兄妹はサイドストーリーばかりで全く事件に関与しない。リリーに至っては本人が出てくるのは前半のみといっていい。確かに、いつまでもこの兄妹を事件に絡ませ続けるのには無理があるかもしれないが・・・
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ジル・チャーチルのグレイス&フェイヴァー・シリーズの6作目
1930年代のアメリカを舞台としたミステリー。
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シリーズとしては好きだしそれたりに面白いんだけど、なんだか"グレース&フェイヴァーの愉快な仲間たち+ちょっとミステリ風味"って感じがする。
あえてコージーミステリを読んでいるんだからこういうノリは嫌いじゃないどころかむしろ好きなんだけど、私が読みたいのはあくまで、お茶を飲みながら気軽に楽しめるような"ミステリ"なのです。愉快な仲間たちの方を前面に出されると、なんか違う、と言いたくなってしまいます。
最初は良かったんだけど前巻あたりからその辺が気になり出したので、この調子が続くようなら、このシリーズ読むのやめちゃうかも。
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第6弾
5より先にこちらが届いちゃった、ので、前作から参加のパーカーとは初めて。ラルフが出てくると険悪な感じになるので、そこはホッとした。
それにしても、なんだろこの本は。なにがしたかったのかな。
ロバートが小包センターを立ち上げるために奮闘する姿がほぼ中心。でもそんなに中心でもなく、敷地内で発見された骨。なんでここで?というようなエピソード。リリーが向学心に燃えるようになる伏線?それにしても中途半端。
そして、殺人事件があまりにも脇すぎ。
パーカーの活躍をみせたいのかなあ。
いろんなことを欲張りすぎて、なんだかよくわからないまま、え?終わり?という本だった。
うーん。あと、ロバートよりリリーが活躍してほしいかな。。。
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20130617
ミステリの謎解きよりもサイドストーリーがいつになく面白かったです。
素人探偵ではなく、刑事物みたいになってたけど、もともとそうだったっけ・・・と。
リリーがほとんど出て来てない。
続編はまだ出てないみたいだけど、どうなるのかなー
ちゃんと続いてくれるといいけれど。
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街の郵便事情改善のために走り回るロバート。
郵便仕分けの仕事を頼むはずだった駅のポーターが殺されたことで、またしても事件に関わることに。
と言うほど今回は事件に関わってないな、ロバート。
妹のリリーは事件どころか話にほとんど絡んでこないし。
それも今回の話が郵便仕分けを立ち上げるまでと言うのが主題なので、ロバートの行動に筆を取られて仕方がないのかなとも思う。
そして確かにそこのところは面白かったのだけど、ミステリ部分があまりにもお粗末で…。
とってつけたような殺人が起こり、捜査はいい加減。犯人も動機もおざなり。
これだったら時代に即した動機を全面的に出して、小さな街にも忍び寄る戦争の影を描いた方がよかったんじゃないかな。
何より作者がこのシリーズにおいては事件よりも歴史の小さな一こまを描くことを楽しんでいるように感じる。
だったら事件は警察に任せて、ロバートとリリーの兄妹の日常を主にしてくれた方が、読み手としてもミステリ部分の不出来さにため息をつかないですむんだけど。
本国でも6年近く続きが出ていないそうで、これでシリーズが終わりだととても寂しい。
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1930年代のアメリカの田舎町ヴォールブルグが舞台のミステリ・シリーズ。
妹のリリーと兄のロバートの兄妹二人が主人公。
古きよき時代でもありますが~大恐慌の後の不況の時代。
シリーズ第六弾。
ナチスが政権をとった年になりました。
住んでいたドイツから急ぎ娘が連れ帰って帰国したクルツが、家に悪質なイタズラ書きをされます。赤いペンキで鉤十字…敵国人扱いということですね。
腕の良い仕立屋の老人で、アメリカ人なのですが。
憤慨するリリー。
大伯父から遺産として「グレイス&フェイヴァー・コテージ」という大邸宅を受け継いでいるロバートとリリー。
ただし、この家に10年間住んで、維持費などは遺産から出るが、それ以外は自活する事という条件付き。条件をクリアすれば全財産を貰えるのですけどね。
数人の下宿人を置いて収入にし、他にも一時的な仕事を常に探しています。
贅沢に育った若者が大恐慌で違う環境に放り出され、悪戦苦闘しながら、色々なことを身につけ、地元に溶け込んでいく話…かな。
邸宅の植え込みの下から、人骨が発見されます。
殺人事件かと思ったら、これはとても古い物で先住民の娘らしい。
人類学に興味を持つリリー。
ロバートは街の郵便事情に問題を感じ、あるアイデアを思いつきます。
局留めになっている郵便物は、積まれているのを自分でより分けるので、他人当ての手紙を勝手に見ようと思えば見ることが出来たんですね。
ハンサムで優雅だが、働くことには向いていなかったロバートの頑張りが微笑ましい。
個別の棚に郵便を仕分けするようにしたら、仕事が少ない駅のポーターの収入にもなりうるなどと考えていたら、その彼が死体となって発見されるという驚愕の事態に。
人に恨まれるような人物ではなかったのに?
警察署長のハワード・ウォーカーは、事件の捜査に難儀します。
もともとは平和な田舎町。警察の仕事をほとんど一手に担っていたウォーカー。
無能な部下ラルフが辞職することを内心喜び、いぜんの事件で気に入ったロン・パーカーをよそから引き抜きます。
ウォーカー署長を尊敬する内気なロンは、この幸運が信じられない思いでいるのでした。
最初は仕事が少なかったロンが大活躍。
インディアンとオランダ系の血を引くウォーカーの生い立ちなども触れられています。
幾つかの出来事がどう関連していくのか?
当時の人の話し方なども再現して書かれているらしく、訳文もオーソドックス。
のんびりした気分で読めます。
刺激やテンポの速さを求めたら、それはないけど。
時代色を出しながら、時の流れるままに全体を描写していくんですね。
いい人悪い人がはっきり分かれるのも、あるいはレトロな感覚なのかしら?
表紙イラストの彼女、性格は雰囲気出ているけど~髪型は、当時の流行とは違うと思うけどね。
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アメリカの作家ジル・チャーチルの長篇ミステリ作品『今をたよりに(原題:Who's Sorry Now?)』を読みました。
ジョン・ディクスン・カー、マーサ・グライムズの作品に続き、アメリカの作家の作品です。
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ナチスの脅威が伝わってきつつある四月。
ブルースター兄妹の兄ロバートは、ふとしたことから町の郵便事情に問題があることを知り、事態の改善に乗り出す。
一方で、ドイツから引き揚げてきた仕立屋の店先に鉤十字が描かれる事件が発生。
さらに、兄妹たちが暮らす屋敷の庭から白骨が見つかり、人畜無害な駅のポーターが殺される。
ロバートは妹リリーやウォーカー警察署長と協力し、これらの事件にも関わることに……。
好評シリーズ第6弾。
訳者あとがき=戸田早紀
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2005年(平成17年)に刊行された1930年代のアメリカを舞台にしたグレイス&フェイヴァー・シリーズの第6作です。
町の郵便事情を改善するべく兄ロバートが奔走するかたわらで、仕立屋のウィンドウに鉤十字が描かれる事件が発生し、屋敷の庭からは白骨が見つかり、駅のポーターが殺される……。
うーん… これはミステリなの? という印象でしたね… 殺人事件や殺人未遂事件が発生し、その犯人を探り逮捕する顛末が綴られているものの、ミステリ要素は乏しくて物語のサイドストーリーっぽい印象、、、
メインストーリーはロバートが町の郵便事情を改善しようと奮闘するエピソードなのかな… 大恐慌時代に、必死に生きる人々の生活を描くことが主題なのかもしれませんが、そこに中途半端にミステリ要素が加わっている感じでバランスが悪い印象でした。
主人公のブルースター兄妹にも魅力を感じなかったなー いっそのこと、ミステリ要素を排除して、兄妹が町の人々に溶け込みながら、協調しあいながら成長するヒューマンドラマとして描き切った方が良かったんじゃないかな… と感じました。