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明治時代の函館が舞台。徹底的に調べ込んで書いてあり、圧倒された。時代背景、生活習慣、風俗、組織体系などなど、当時を直接知っているかのよう。この本物感にはシビれた。稲見一良とかと通じるものがあるハードボイルドだと思った。
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明治二十四年、国際貿易港函館に誕生した小さな警察署。
ラッコ密漁船の水夫長の変死や、英国軍艦の水夫の失踪
などの難事件に男たちは日夜陸と海を駆ける。北の刑事
たちの活躍を描く明治警察物語。
帯には「五条警部は長谷川平蔵を思わせるヒーローだ」
とあるが、確かに雰囲気は似ている。明治の函館という
異国情緒豊かな町の雰囲気がうまく描かれている。
なんせ治外法権のため、外国人に対しては、捜査権も逮捕
権も無い。そんな中でどの様な意地をみせるのかが見どこ
ろでもある。
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この本で“明治24年”、或いは“明治15年”の“函館”という劇中世界を逍遙すると、何か「明治・大正或いは昭和の初め頃の趣を想起させるモノが幾分在る函館」をまた訪ねてみたくなる…
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明治24年の函館を舞台にした刑事ものハードボイルド。
当時の国際港である函館では犯罪捜査が、大国の野心と衝突する。不平等条約のため検挙できない相手に対し、五条次席が打つ手は...。
史実の裏付けが確かであり、また社会の闇を照らす視線が存在するため、(東洋蔑視、アイヌ迫害、官僚主義、領土問題、等々)ファンタジーに堕していない。
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函館、明治二十四年。
水上署。密漁船。荒くれ者。悪女。サーベル。ピストル。領事館。国際問題。事件。
巻頭の函館地図を見い見い、彼らと共に町を駆けるような気持ちで、一気に読むことができる。
時代背景に詳しければもっと楽しく読めるかも。と思うと、歴史の勉強もしたくなってしまうのでした。