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なにげない日常、
あなたの傍で起きていることは
実は「奇蹟」だったら。
ありえないことが起きるとしたらどんなことでしょう。
起こそうと思って出来ることではありませんが、
いつもと違う眼で
いつもの出来事の先を読んでみるとどんな風になるでしょうか。
たまには想像力を働かせてみましょう。
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7つの短編集。泣かせる描写は相変わらずだけど短編集だけに感情移入しずらくて物足りない。やっぱり浅田次郎は長編じゃないと。
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海沿いの埋め立て地にあるコンビナートで荷役を
生業として生きる辰夫。
貧しさのため、お墓に入れられない母親の遺骨と共に
安アパートで暮らしてきた。
ある日、飲んだ帰りにとぼとぼ歩いて帰宅していると
近くで急停止したメルセデスの助手席から、
一人の美女が降りてきて同乗してきた運転席の男を
大声で汚く罵りながら車に蹴りをくれている。
男は車を降り、女を張り倒したかと思うと、
運転席にある高級そうなセカンドバッグから
札束を一つ取り出して女の顔に投げつけて、
捨て台詞を残して帰っていった。
空きのタクシーなど全く通らない夜のコンビナートの
湾岸道路で辰夫は先ほどの揉め事で怪我をした女の
足が気がかりになり、家にオブって帰ることになる。
この美女は銀座で働く高級ホステス
名は リエ。
先程のメルセデスに乗った実業家とは
結婚の約束を取り付けたが、男が妻子を捨てて、
離婚が成立する目処がついた途端、
突然全てが嫌になり、大喧嘩になったのでした。
プライド高い銀座の高級クラブの美女と、
間逆な生活をしている安い肉体労働者の辰夫。
満たされていないはずの人生を歩みながら、
身の丈を超えたことは考えたこともなく、
いつも自分よりも他人を本心から想いやる辰夫。
リエは、辰夫を失うと、自分の手から
大事なものがすり抜けて、一生取り戻せないような
衝動に駆られ、自分から始めて行動をおこそうとする。
心に残るストーリーでした。
このブログから
http://ameblo.jp/kymt/entry-11406900457.html
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秋の季節になると必ず読みたくなる「小説の大衆食堂」と自称する大人の寓話作家浅田次郎の綴る「女のエゴと男の包容力」をテーマにした7話からなる短編集。氾濫気味の「ベタベタ甘々な恋愛ストーリー」では語ることのできない、恋人、親子の情愛、後戻りはできない人生、孤独、不倫愛など、現代を生きる男女の世相を写す反面、願望に似た登場人物の立ち振る舞いと生き方に強く心を揺さぶられる。表題作の『月のしずく』は童謡の「里の秋」の元の詩を男と女のお話に置き換えた秋の十五夜の月も新たに映える秀作。浅田次郎の短編は外れることがない。
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短編集。上手に書きますなーと思いました。
それぞれ個性的な話で、この世のどっかにはあるんだろなーという話。ドラマやねドラマ。
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目次
・月のしずく
・聖夜の肖像
・銀色の雨
・琉璃想(リウリイシアン)
・花や今宵
・ふくちゃんのジャックナイフ
・ピエタ
浅田次郎の作品にしては珍しく、読みながら眉間のシワが深くなっていくのを感じていた。
小説っていうか、これは、勘違い親父の妄想なのでは?
とにかく女が鼻持ちならない。
特にひどいのは「聖夜の肖像」の久子だ。
結婚して何不自由のないというよりも、どちらかというと上流の生活を与えてもらい、子宝に恵まれ、自分の両親の面倒まで見てもらってもなお、夫のことを愛せないことはあると思うが、しかし、20年以上も夫婦でいる相手に「愛してません」と面と向かって言うかね。
情ってものはないのだろうか。
なのに「ぼくは愛しているから」と言い続ける夫も気持ち悪い。
っていう男女関係がいくつも出てきて、よほど質の悪い女に引っかかったのだろうかと心配になる。
解説では
”どれだけ女から残酷な言葉を投げつけられても、無償の愛を捧げる彼らは、一見、弱い男のように描かれているが、現実にはこれほど強い男たちがいるわけはない、というほど強い。”
とあるけれど、理不尽を理不尽のまま受け入れるのは、強さの方向を間違えた自己満足なのでは?
これでは女としても、態度を変えるきっかけを失ってしまう。
唯一好きなのは「銀色の雨」
5人も人を殺しておきながら、「死ぬのは怖い」と言う章次。
結局警察が迎えに来るまでに自殺することもかなわず、正座して待つという弱さと向かい合わせの潔さ。
暴力団の中でしか生きられない男が、時代とともにそこからもはみ出してしまった哀しさ。
そこがなんかいいなあと思いました。