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今まで少なからず色々な小説を読んできたが、ウサギのハードボイルドはさすがに初めて読んだ。
人ではないウサギを通すことで見えてくる、世の中の辛さや切なさが滲み出てきていました。
カッコつけた感じが大好きです。
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マフィアに飼われていたウサギ、ジョニーのお話。飼い主が殺されてしまい野性に戻って探偵をしているがある依頼から様々なことに巻き込まれ、ウサギとして生きることの意義、人間との違いに囚われながら飼い主の敵討ちに奔走する。設定の可愛らしさとは裏腹に内容は重ためで筋も割と複雑。じっくり読むのに向いている気がします。
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兎が主人公のハードボイルド物。
ずっと読みたかった本で、文庫で出たので購入。
最初にいきなり地図が載っていて、「あー、ファンタジーなんやな。」って思ったんだけど、ファンタジー色は無くせつない。
ジョニー・ラビットは「マフィオーソ」で、男である。
…、とは言ってもやっぱり兎なんだけどね。
本人(本兎?)もそれをちゃんと解っていて、自分に出来る事をしょうと頑張るところが、たまらない。
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小気味良いテンポについつい乗せられて、冗談!! 突っ込みいれながらもグッときたり。
ハードボイルド全開、期待を見事に裏切られた。
伊達兎だね、ジョニー・ザ・ラビット。
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花は桜木、男はジョニー、声高らかに歌うはカンツォーネ!
目次にあった「ジョニー・イン・ザ・ブルー・スカイ」に惹かれて購入。じゃっかん「空」買い
マフィアのドンに飼われていた兎のジョニーは、今
シクラメン通りで兎の探偵業を営んでいる。
かつて難事件を解決した実績を持つジョニーのもとに
ある日、
行方不明の兎を探して欲しいという依頼が持ち込まれた。
兎の失踪などよくあること、と安く請け負ったジョニーだったが
事件はどんどん深みを増し——
ドンから、男の何たるかを教え込まれたハードボイルド・ジョニーの
真の男の物語。
読み始めは、ハードボイルドってこういうことなのかとも思うけど
なんか下品だなぁという印象が強くて
少し抵抗心を持ったのだけど
ハードボイルドを語るジョニーの愛嬌ある性格や
どこまでも兎的に物事を捉える視点がとても面白くて
次第に引き込まれていった。
兎からみた世界
兎がとるだろう思考
兎の習性
その擬人化具合が絶妙で、思わずクスリとしてしまう。
ジョニーは人間に飼われ、またその生き様に恐ろしく感化されていて
自分を真の男だと信じている。
しかし現実には自分は兎で、それなのに兎的思考からも外れてしまっているので、どうしてもはみ出しものになってしまう。
実にわかりやすいテーマだけど、その王道な道をたどりつつも
時々すごくハッとすることも書かれていて
一筋縄ではいかない作品だなと思った。
名言多いな〜という印象。
弱くてもいい。情けなくてもいい。けど、最後には負けない。
そんなジョニーがかっこいい。
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ウサギのハードボイルド、全く想像がつきませんでした(笑) 出会い頭に性交に走り、「ラビッチ!!!」と相手を罵っているシーンは、くすりと笑ってしまいました。
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東山彰良さんの作品の中でもちょっと異質の作品だと思った。
マフィアに飼われていたウサギのジョニー・ザ・ラビットがとにかく可愛らしい。
まさにおとぎ話のようなハードボイルド小説で、今までになかった作品。
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読み始めと読後感で感想が180度変わった作品でした。
第一章ではハードボイルドなウサギというギャップと
妙にリアルなウサギ描写でユーモアが先にたっていたけど、
第二章ではテリーの死に動揺するジョニーの葛藤や
再び戻った人間界でのボビーとの不思議な共存関係
等かなりシリアスで引き込まれました。
ハードボイルドでいようとしながらも自分の存在に苦悩するジョニーが可愛かったです。
ブルーノの正体は以外でした。
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いくつかの書評にあったように、最初は正直、読み辛さを感じた。
ウサギの主人公が本当のウサギなのかメタファーなのか、
登場人物のうち誰が人間で誰がウサギなのかもよくわからず。
ところが後半、一気に加速してもう、手が止まらなかった。
あ、これ、こういうことだったの?という謎解きもしかり、
求めていた敵に半分情が移りかけてみたり。
いやもしかしたら、ジョニー自身が自分の無力から逃げたくなって、
つい庇護される側に甘んじたくなる、揺らぎがそうさせているのかもしれないけれど。
最後のほうはもう、切なくて少し、つらかった。
村上春樹のようなあのくだりは、そういうことだったの?
という、カナシイ謎解き。
ありがちな擬人化でもメタファーのファンタジーでもない。
ウサギである必然とその結末に、読了後はすっきり感と切なさが残った。
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東山さんの作品ってつまるところ「愛は何処に行っちまったんだ?ここ以外の何処かにあるのか?」というところが味噌なんだけど、ウサギを擬人化することでその真理に少しでも近づいてみせようとしたんじゃないかと思う。
ともあれ主人公がウサギだろうが人間だろうが一流のジョークと一流の悪党ぶりで十分東山作品を堪能できる。
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なんとも不思議な・・・
ウサギが主人公で、ハードボイルド。
ギャングに飼われていたウサギが復習を果たそうと・・・
妙に、ウサギの心理に詳しい。
何だかよく分からないようで、でも、面白かった。
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うさぎが主人公のハードボイルド探偵小説。
帯につられて購入したが、私にはちょっと読みずらくて、なかなか進まなかった。
うさぎが主人公って可愛らしいのかと思いきや本当にハードボイルド!
ジョニーが男前。
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うさぎに惹かれて購入。
大分、本棚で眠っていたけどようやく。
導入部か、若干の違和感があったけど最後まで馴染めなかった感じ。まっ、うさぎじゃなくてもよかったよね、と思いました。
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花は桜木、男はジョニー。
ジョニーとは主人公である探偵。
ただし、ジョニー・ラビット、ウサギである。
登場人物のほとんどはジョニーと同じウサギ。
「朝顔酒」を飲んで酔っ払ったり、教会に通ったり、スズラン中毒者になったりと、妙に人間臭い奴らである。
が、しきりに足をトントンさせ耳をピンと立てたりするところはしっかり「ウサギ」らしく、そうやって戯画化され描かれるウサギ社会や会話が面白かった。
ハードボイルドを気取るジョニーは、自立した「ラビット」でありたいと願う一方、人間と向き合えばペットとして可愛がられる「バニー」になってしまう自分のもう一つの本能に気づかざるを得ない。
ハードボイルドであろうとすればするほど、「他のウサギとは違う」と望むほど、人間に対する憧れ、人間だけが持つという「愛」を渇望してしまう。飼い主の仇であっても。
人間臭いウサギ、という出落ち的なネタで終わるかと思いきや、ウサギが主人公だからこそ描けるものをしっかり描いてました。
"ああ、ジョニー・ラビット!あんたがいなくなって、本当に寂しいよ!"
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本物の兎のジョニーが主人公のハードボイルド。
ちょっと読みづらくなかなかページが進まなかったけれど、ジョニーが人間の街に戻ってからは俄然勢いづいた!
兎の街でのジョニーはタフな主人公っぽいけど、本当にハードボイルドなのは人間の街で、チンピラの悪ガキ共にも抵抗の仕様がないようなただのペットの兎になってから。
知恵絞って体張って自分なりのやり方で事件の幕を引くジョニーはすごくリアルに兎なのに、とてもハードボイルド!
ラッキーボーイ・ボビーとの間に築かれていく友情みたいなものが切なかった。