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ジャケ買い。でも失敗じゃなかった。
図書部の面々のなんでもないようでなんでもあるような日々を主人公の視点から描いている。
語りが独特で、自分には歌の歌詞の様に思えた。好きなフレーズも幾つかある。
ヤマもオチもないが、何でか楽しめたことが自分でも不思議だったが、堺雅人さんの解説でシックリきた。
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この主人公は他人と深く付き合うのが苦手なのかもしれない
なおかつそのことに、自覚が薄いタイプなのかもしれない
だからこんなタイトルをつけられてしまったのか?
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ドラマチックなことはさほど起こらないが、ささやかな日常のなかでのきしみやおかしみなんかがいい感じだ。
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表紙の絵がどうにも好みでないのと、うーん高校生の部活の話かーとか思ってたのとでちょっと敬遠していたんだけど、読んでみたら、まったく違和感なく、おもしろく読めた。長嶋有が描く高校生だからかなあ。べつに高校生じゃなくてもいいというか、身分にかかわらず、共感できる。主人公の、じっと観察してて、あれこれ考えちゃうところが、だからって実際なにかするわけじゃない、っていうような感じがすごーくよくわかる。だれもが生きにくさをかかえている、っていうのも、なんだかすごくよくわかる。こういうのって、思春期にかぎらず、感じる人はずっと感じつづけることなのかも。なにかが起きてがらっとなにかが変わったりしないところもリアルな感じがしてよかった。それにしても、ともかく、高校時代こんな図書部があったら入りたかった!!やっぱり長嶋有の作品って好きかも。
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僕たちがいつも使っている図書館だって働いている人がいるでしょ。彼らは僕たちと触れるのが苦痛なのかもしれないな。そんなことないのかもしれないし。
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111118 淡々としているなかで、唐突にふふっと何度も笑わせられて、それが心地いい。から、長嶋作品が好き!
主人公と、頼子、ナス先輩、納見さん、部長、金子先生、本を6冊借りてく彼の人などなどとの距離感が、とても面白い。
【追記】なに、単行本のカバー裏だと・・・!
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うまい。ホントに味わい深い作家だなぁ。
今作の表紙はこっぱずかしいけど、内容はサイコーです。名言!みたいなのを狙って散りばめている感じが、この人を思い浮かべると、ふざけているようにも感じるから不思議な方です。
個人的には、サイダーハウスルールをとりあげたシーンが印象に残った。ジョン•アーヴィングのあのド長い作品の感覚を、ホンの二行で表現しているところに、氏の文章力の強烈さを感じます。
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さらっと読むと、なんか懐かしい的な感想しか出てこない。そこがこの作家のすごさだと思う。こまやかな仕掛けがたくさんあって、その気になって読み込むと、ものすごく深い。系統としては『ねたあとに』と同系だと思う。
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高校の図書部が舞台の青春ストーリー。
図書部のメンバーは何となくクラスメイトと上手くいかない人が多く、さわやかな青春とは違う屈折した雰囲気が漂う日常が描かれている。
最後まで大きな出来事がないのに飽きないところが本書の魅力だと思う。
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まともに仕事をしない図書委員だけでは図書館がちゃんと機能しないから…と設立された図書部。図書館の奥のベニヤ板で仕切られたスペースに、教室では浮いてしまいそうなメンバーたちが思い思いに集まってきます。お茶をいれたり、携帯電話をいじったり、会話に漫画ネタを使ったり。図書部員・望美視点の一年間です。
こんなだったな~、と思うところもあるけれど、あまり懐かしさを感じません。現実や人との距離の取り方はいまだに悩んでます。特に本を読んだり、映画を見たりした後はなかなか気持ちが現実に戻ってこない。頭の中にあることをどの程度外へ出すか、出すにしてもどんなふうに言うか。語感を和らげるためにキャラを作ってみたり、仲間うちでの流行り言葉を使ってみたり。他人への期待や憧れや違和感などなど、本当まだまだ「落ち着きがない」。そもそもそういう感覚に一番真摯に向かい合ったのって高校時代で、その後目を向けてこなかったので当たり前と言えば当たり前なんですが。
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生きにくさと居心地について、丁寧にちょっと不思議に。
長嶋有さんの作品は初めて読みました。偉そうな言い方をさせて頂ければ、この作家さんはセンスがある。この作品が自分にどんぴしゃというわけではないけども。雰囲気のある希少価値のある書き手だと思いました。
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長嶋有さんの独特なたらたら感というのか。盛り上がったり落ちがあったりするわけではないのに(いや、あるのかも知れないけど)空気に質感を感じる。匂いとか、埃っぽさとかざらざらした感触とか。
図書委員だった自分の高校生時代を思い出した。
当時の、クセのある先輩達が懐かしい。
セーラー服の下に真っ赤なレオタードきてたあの先輩とか^^;
また読み直そう
何度も読み返したい。
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図書部員・望美の視点が描かれる高校生の日常。とはいえ、登場するのは図書部員だけなので、非常に狭い世界だ。
そうだよなあと思うのが156頁。
この世の中の人は、誰もがただ会話するだけでも芝居がかる。即興で「キャラを演じる」。役割の中でボケたり、ツッこんだりもする。
誰もがテレビや本や、あるいは先人たちのふるまいや、それぞれの心の中に降り積もった情報を参照して、言葉を外部に発しているんだ。
上手にふるまえない人は、しんどい。当意即妙に冗談がいえたり、余計なこといわなかったり。「空気よめない」のは生きにくい。
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本作の舞台である図書部部室。
図書室を削って作られた細長いその部屋では
繰り広げられる大騒動も事件も何もない。
何もない風に書かれているけれど、図書部員たちは未来に向かって進んでいる。
描かれていないところで影響を受ける些細な何かがそれぞれにあったことが伺える。
その何かがわからないから何も起こっていない風に感じるのだと思う。
何もないようでも部員たちは日々何かに出くわし何かを感じて、そして時には動き出す。
そんなささやかな日々を抱きしめて離したくないと私は思った。
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30ウン年生きてきて一番しんどかった時期に読み、クラスでは目立たない子達がなんとなく居場所を持って背伸びしないで生きていく姿にまったりと救われました。
特に「本はつまり、役に立つ!」の部分に電車の中で思わず号泣。
自分の芯を持って生きている人は強い。