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これまで読みたいと思っていた、沢庵和尚の『不動智神妙録』が、分かりやすく解説されている良書である。
この本は、剣豪の柳生但馬守に向かって剣禅一如を説いた本であるが、何事にも、心惑わされず、生きる本を説いた本であり、現代でも、役立つ本である。
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やさしい現代語訳と読みやすい書き下し文のおかげでスラスラと読みこなせました。
一般には武道書の位置付けですが、人生論、また処世に関しても言及しているので繰り返して読みたい一冊です。
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「不動智神妙録」、「玲瓏集」、「太阿記」が収録されていました。
私には、武道とは何であるかを語る資格はありませんが、「不動智神妙録は、沢庵和尚が柳生但馬守に剣禅一如を説いたものだと伝えられているそうですが、仏教の世界観が平易に説かれおり、沢庵和尚の喩えが絶妙で、思わず唸ってしまわずにいられませんでした。
現代語訳の後に、ルビ付きの原文が掲載されており、たいへん読みやすい構成になっていました。
現在の日本文化は、戦国時代から明治、大正、昭和初期にかけてと育まれた禅仏教の世界観に、たいへん強い影響を受けていると思います。それ故に、現代の私達にも沢庵和尚の教えが心に響くのだと感じます。
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これはいい本だと思う。わかりやすいとも思う。僧侶が剣術家に、心構えを指南する。きっと何度読んでもためになる類の本。折にふれて読み返せるいい本だと思う。
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(不動智神妙録)全体を通じて、剣の達人柳生但馬守に、「とらわれた心は自由に動けない、無心無念になり心を解き放ちなさい、それが不動智というものです」といろいろと例を挙げながら詳しく説いています。但馬守自身に対しては、「あなたは欲に目がくらんで義を忘れている。あなた自身が身を正しなさい」と臆することなく叱っているのがすごい。最後は「心こそ心迷わす心なれ、心に心 心許すな」と風雅に歌で終わっています。「無」になる禅の考え方には、現代に生きる私には無理がある気もしますが、誰をも何をも怖れぬ沢庵の自由な心に憧れます。▼(玲瓏集)義とは忠恕のこころ、すなわち思いやりとまごころ。ひたすら無欲で正直な中心として隠れているもの。世の人は、名利や怒りのための死を義だと誤っている。義のための死は尊いが千に一つのまれなもの。君臣の道を説く。現代では理解しがたい。一遍上人「となふれば、仏も我もなかりけり、南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏」。一切衆生悉有仏性。草木の悲しみを人は知らない。我々は草木のことを全く知らないし、草木も我々のことを知らない、ただそれだけのことです。「何の根拠もなく、あらゆるものが生まれてくること、これを妙というのです」。▼(太阿記)兵法者は勝負を争わず、真我の我、見性成仏。より抽象的になり理解しにくい。