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吉原の小見世の白妙ことおなつは、元は武士の娘。父親の短気から家はお取りつぶしになり、一家は江戸へ。兄の借金のかたに色里に売られてきたのだった。そんなおなつの前に現れた浪人風の男が一人。何をするでもなく毎晩訪れ、じっとおなつを見つめる男の目的は・・・「素見(ひやかし)」
朝霧太夫がつかんだ上客の大旦那。若くて色男な大金持ちに身請けされるという幸せをつかみかけたとき、胸によぎった過去の面影は・・・「色男」
中見世の二階座敷。銀のかんざしで喉を突いた女。
その後その部屋から漏れてくる、すすり泣きの正体は・・・「泣声」
贋作つくりの男が過去にだました女と出会う。不思議な縁が生み出した復讐劇・・・「真贋」
武家の身分を捨て、愛しい女郎の年季明けを待ちわびる保次郎。その前に、かつて彼を尊敬のまなざしで見つめた年若い少年が現れて・・・「夜明」
第2回小説宝石新人賞を受賞した「素見」を含む短編集。
『刀圭』もよかったけど、こちらの方がより話がこなれていて読みやすかったかも。
出だしとラストが印象的で、スリリングな展開の「泣声」なんかが好みでした。
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【第2階小説宝石新人賞】受賞作品。
吉原の妓が関わる短編集。
読みやすい、時代物でした。
切なくて、やるせない。
各短編の随所にちりばめられた、気持ち。
憎しみ、恋慕、希望、裏切りなど。
彼女達にとって、惚れるは地獄。
27になり年季明けして、幸せになれた人はどれだけいるのだろう。
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吉原で生きるしかない妓たちの逞しさ描いている。読みやすく、歌い流れるような文章に中島要さんのセンスの良さが窺える。
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著者初の短篇集だという。小説宝石新人賞受賞作「素見」を含む吉原女郎をテーマにした短編5編が収められている。
女郎たちのしたたかさ、矜持、母心、魔性、一途さが語られて読み応えあった。女郎の心意気を描いて前向きな作品ばかりで読後感もすがすがしい。
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短編なのに読後の満足感がある。 素見(ひやかし)と色男が特に良かった。 お約束どおりもあるが、どれも結末がうまいと思う。
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吉原もの、短編小説。
最初の「素見」とラストの短編がいい。
ラストの「夜明」は、特に気に入って3度くらい読み返しました。この短編が読みたくて、また図書館で借りて読んでしまうかもしれない(苦笑。
他の吉原ものとは一線を画すくらい良かった。
中島氏の本を読むのは初めてだけど、また他のも読んでみたいなぁ。
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吉原物の短編5作どれも短いながら良い。
女郎達の境遇はさまざまだが、腹を括った女の潔い生き様が胸を打つ。
表題作「素見」ひやかし
張り店で客を引く「白妙」を籬の外からただ見つめる浪人…その真意とは。
内容といい、ラストの白妙のセリフにグッとくる。
最高の短編「夜明」
これが良かった〜。゚(゚´Д`゚)゚。
しの梅が好いた男に胸の内を吐き出すセリフ…
これがまた格好良いのです。
中島要さん色々読んでるけど、この作品は話の締めがどれも素晴らしく粋です。