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後半一気にやられました。まさかのどんでん返しだった。
2部から全く弟の充が登場しなくなったので「まさか」と思ってたけど、そういうオチだったとは。
読んでて終始感じたのが「美緒の心の闇の深さ」
これがすっごく感じれる文章でとてもよかった。
初読作品だったけど、すごくよかったです!
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新刊にするか再読にするか迷ったが、加筆部分があったので新刊ということで。
「7月のクリスマスカード」(単行本)の時は、瑠璃の誘拐事件の背景がはっきりわからず、結局どういうことだったのか得心できないままだったのであまり記憶に残っていなかったのかもしれない。
今回文庫化されて気づかずに読み始めてから「ああ、あれだったのか」と思ったのだが、単行本の時より深い感じはした。
ただ、美緒の心の闇が今ひとつ伝わってこないので、やたら意固地なだけに見えてしまう。終盤で一気にその謎が解けるし、どんでん返しに似た展開もあって引き込まれるが、なんとも苦いものが残る。実際にも美緒のような環境で生きざるを得ない子供がたくさんいるのだろうなあと思うと暗澹たる気持ちになる。
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大切な何かを失った者に
哀しい「真実」が突き付けられる。
登場人物の心の闇とか
内面に潜めるものを感じ取りやすい作品。
最後まで意外性があって面白かった!
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読みごたえがあるミステリーだった。魅力的な登場人物と、ストーリーも好き。
なぜだか読んでいて落ち着かない気分になったのは、体を痛めつける記述がででくるからかしら。。
さりげない淡々とした文体、内容が最近好みだからちょっと好みより濃い味のものを食べた時のような感じかな。
真実や正義とは…最終的に各人に基準があるものというのを再認識。
#bookoff
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美しいタイトルとは違って人間の暗い闇が描かれる。
少女の深い闇に一筋の光を照らした過去に傷をもつ老人の話。
人間とは欲深い生き物で。人を傷つけることなど厭わない。
それでも、誰かと繋がらなければ生きていけない脆弱な生き物。
強者と弱者が存在する世界で生きていくには。
知恵と力と運がなければ上っていけないのか。
綺麗ごとばかりではいけないかもしれないけれど。
それでもなお、誰かを信じたいと繋がりたいと思う気持ちはあると思う。
他の人間にはとてつもないがらくたにしか見えなくても。
それだけで生きていけるという人間がいることを忘れないでいたい。
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現在と過去 東京と長野
様々な人間の様々な思いが交錯する。
後半で一気に真実が明らかになっていくが
前半部で触れられてない話も多く
もう少し伏線があって欲しかったなと思う。
文章の途中で三人称が突然一人称に変わったり
その逆があったりするところに違和感を感じた。
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6月-13。3.0点。
母親が離婚し、アル中の少女。叔母の助けを借りながら、弟と暮らす。
昔娘を誘拐された、検事。検事と少女・叔母の交流を描きながら、
誘拐事件の真相と、弟の罪の真相を究明していく。
まあまあだけど、暗い。とにかく暗い。
ラストもどんでん返しというか、なんとなく想像ついたかな。
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ヘビーな物語であるが、中盤辺りからはグイグイと読み手を引き込んでくる力のようなものを感じた。
もう少し掘り下げてもいいのでは・・・と思うところもあったが、その点を差し引いてもよいと思える本であった。
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読了!★★★★☆ 伊岡瞬は「いつか、虹の向こうへ」を読んで以来だな。作品数は少ないんだな。
思ってたよりもずっと面白かった!「いつか・・・」よりもずっとレベルアップしてる!
やっぱり子供が可哀想な話は胸にくるな。虐待というか、トラウマというか、悲しい思いをした子供の心情がとても痛い。
自傷行為に走ってしまう子供の姿は印象的で、心に強く訴えるものがある。
「瑠璃」・・・ラピスラズリの和名。美しい青色の宝石のことだ。
だからといって私がここに何か気の利いたことを書けるかというとそんなことはない。
ミステリなので、ちゃんと謎はある。行方不明になった「瑠璃」はどこへ行ってしまったのか・・・
そこにたどり着くまでに一つひとつ明らかになっていく、各自の思い。目的。
しかしこの物語の本当に面白いところは、この事件のミステリ部分ではなかった。私には。
犯人や事件の真相には驚かされたが、美緒の話の方がずっと良かった。
親の不仲はやはり子供を破壊してしまうのだと、改めて思った。
丈太郎と薫。ふたりのやさしさが滲みる。
しかしそれさえも本人達にとっては贖罪の想いがこもっていたのかもしれない。
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全体的に哀切漂う、崩壊した家族の物語。
ミステリーとしては、圧倒的にパンチに欠けると言うか、物足りない面もあるが、物語としては、1人の少女の心の闇を巧みに描き出した秀作だ。
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普段ミステリを読まないけど惹きこまれた。
美緒と丈太郎の距離感が、お互いの信頼関係が、とてもよかった。
そして様々な事件の真相にも驚かされた。
決して明るい話ではないけど、一気に読みたくなる話。
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かなり重い内容にもかかわらず悲壮感がなく、読後感はむしろ爽やかさに近いものがあります。
主人公である美緒の真直ぐさ、優しさ、強さ、危うさのバランスが絶妙でした。
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ある日突然出て行ってしまった父、アルコール依存症の母、末弟を叩いて窒息死させてしまった弟、そんな家庭環境の中に杉原美緒はいた。美緒と弟は、入退院を繰り返す母の留守の間、母のいとこである薫さんと一緒に暮らす事になった。末弟を叩いて殺したという大きな罪を親から与えられてしまった弟はまだ小さく、無邪気なままで、それが逆に美緒の心をかき乱していく。両親が不仲になったのは弟のせい、時にそんな怒りが弟に向けられていく。「あいつ死んじゃえばいいのに。」 なのに2人の家族という繋がりが、逃れようもない強い絆として2人を繋いでいる。ある日美緒は、薫さんの知り合いの元検事、永瀬丈太郎と出会い、その優しさと人柄に少しずつ心を開いていく。。しかし丈太郎は愛娘の瑠璃という少女が誘拐されたまま見つからずにいるという大きな闇を持ち続けていた。やがてあるきっかけで、その闇の本当の正体を知る。。弟に向けた自分の罪、母親に対する大きな怒りと軽蔑、そして家族だからこその愛情と紙一重の憎しみ、どうすれば永瀬のように運命に降りかかってしまった罪を赦す事が出来るのか、それを見つけるべく美緒は、この事件を調べ始める。いろんな人物が交差しながら、この事件は予想もしない結末へと流れていく。時折ちらりと見せる伏せんのようなモノが、新たな展開への期待を駆り立てていく。
美緒の心情、怒り、悲しみ、葛藤の描写がとても痛々しく胸に突き刺さり涙がこぼれた。罪を与えてしまったもの、そしてその罰を受けるべきもの、何が罪で、何が罰なのか、何が正義で何が悪義なのか。家族とはなんなのか、考えさせられる作品でした。
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情景の描写が丁寧で場面設定がわかりわすく、頭にすっと入ってくる。ストレスなく読める点が評価できる。ストーリーはかなり重たいものだが、その重さよりも人と人との交流のさわやかさが活きている。雑誌で「泣ける」という紹介されていたので読んだが、感動や涙が出るほどの盛り上がりはなかった。普通におもしろく、普通に読める本だと思う。
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小学6年生の美緒。父は家を出ていき母はアルコール依存症。内に向かって見つめることで自分を保っている子供。出会ったのは元検事。彼の抱えた大きな傷と、いつも傷つくまいと鎧を纏う彼女。
痛い話でした。途中から充君が全然出てこなくなってドキドキしました。
どうか彼女が少しでも温かな暮らしを送れますように。