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つまらなかった。ただのキャラクター小説で、ミステリでもハードボイルドでもない。
主人公と、彼を取り巻くメンバーについて、筆致はあっさりしているが、かなりくどくどと描写してある。過去、現在のエピソードやらサーフィンとの繋がりなど、サイドストーリーの枝葉は際限なく拡がっていく。もしくはメインがこっちで、事件がサイドストーリーなのか?
私のような、最近の作品からファンになった人にはとてもお勧めできない。軽くて甘くて明るい。陰謀や裏切りもなく、友情とサーフィンがすべてを収束させていく。無駄に長いから余計に疲れたなあ。
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サーフィンの合間に探偵家業を営むブーンの下に、行方不明になった裁判の証言者捜索の依頼が舞い込む。
簡単そうに思えた依頼は、証言者と思われる遺体が発見されたことから複雑な状況になっていく…。
ウィンズロウの新作は前作の「フランキーマシンの冬」の流れを引き継いでサーファーもの。
私立探偵のブーンがドーン・パトロールと呼ばれる仲間たちの協力を得て事件に立ち向かう。
軽く疾走感のある語り口だけど、ドーン・パトロールの誰も彼もが重い過去を持ち、ウィンズロウはそれを容赦なく描いている。
文体に誤魔化されがちだけど、結構ハードな物語。
人間関係も物語りもぐいぐい読み手を引きつけて話さない。
ウィンズロウは「犬の力」を経て、ハードな世界が当たり前に存在するところへ作品を持っていってしまったようだ。気を入れて読まないと、こちらがダウンしてしまう。
でもそれがまたいいんだな。
次作刊行予定もあるそうなので、楽しみにしている。
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ウィンズロウの新作は、嬉しいサーフィン関係。内容は探偵物だけど、1人1人の描写が細かく深い。後半はドーンパトロールのメンバーの闇を掘り下げて、さらに厚みが増してる!しかもシリーズ!次回も楽しみ。
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元刑事でサファー兼探偵のブーン。人生に一度あるかないかのビッグウェーブが近づき仕事どころではなかった。そんな中放火を目撃し証言をする事になっていたストリッパーが姿を消し、その行方を捜す仕事が舞い込む。仕方なしに引き受けたブーンだったが、証人と間違われ別のストリッパーが殺害され、次第に単純な保険金詐欺ではないことに気がつく。
ブーンとその仲間たちドーン・パトロールに加え地元の麻薬王レッド・エディなど個性的なメンバーが登場するが今ひとつ個性が生きていない。ストリッパーのタミーと形成外科医のテディーの行動と姿は予想外だったが、タミーの思いには不自然さを禁じ得ない。展開が強引すぎる。
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ま、最後まできっちり読ませるしところどころグッと惹き込まれる箇所もあるのだが、期待には満たなかったかな。自分がもっと軽快なものを求めていたのかもしれないけども。事件そのものがあまり面白くない、とか云っちゃっていいのかしら...。ドーン・パトロールの面々の魅力は次作以降に期待、としておこう。
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ドン・ウインズロウの新シリーズ。私立探偵ブーン・ダニエルズは夜明けのサーフィンをこよなく愛する「ドーンパトロール」のメンバー。警官時代に関わった事件のトラウマを抱えながら、奇妙な事件に巻き込まれてゆく。相変わらずのスピーディーな展開と魅力的なキャラクターによって、悲惨な事件もどこか乾いた印象がある。文句なく、面白い。
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「犬の力」は血なまぐさすぎて好きな本じゃなかったので一抹の不安を抱きつつも、やはり波乗り物は外せない、と、いうことで手にとる。
ウィンズロウは2冊目なのだがストーリーの流れで読ませる作家ということのようだ。
本作は出血量は激減しつつストーリーの方はウィンズロウらしく、最後の決着まで停滞がなかった。
加えて馴染みのないサンディエゴという街の歴史や、主要登場人物ごとの経歴やらが、本筋同様面白い。
続編もあるらしいのでこうした寄り道も楽しみだ。
主人公グループが大切に思っている事柄の中に「ビッグウェンズデー」が。
おおいに共感。ある年代には間違いなく思い出の名画。
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解説にストリート・キッズシリーズのファンも喜ぶ軽妙さが、みたいなことが書いてあり(『犬の力』は敬遠して未読のまま)騙されてもいいか、と思って買ってみましたが解説に偽りはありませんでした。嬉しい。ドン・ウィンズロウ独特の淡々としたクールな語り口で、楽しんで読めました。南カリフォルニアを舞台に、海とサーフィンという絆で固く結ばれてはいても仕事も生き方も矜持も違うメンバーが、その絆を守り絆に守られ生きてゆく様を、ある事件を通して描いたお話。シリーズになってるみたいなので続編が楽しみです。
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職場にて借りた。
中盤までちょっとダラダラした感じだったが、後半はテンポよく読めた。
主人公、ちょっとカッコつけすぎ?ペトラとどうして惹かれあうのか意味がわからないし、出てくる美人さんはみんな主人公と恋愛関係になる、っていうのは永遠の男のロマンなのかしらね?
そうなると作者の希望の投影に付き合わされたみたいで、内容の魅力も半減する。残念。
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著者のサンディエゴ近郊への愛着がよくわかり、その描写から風景が浮かんでくるようでした。が、仲間との絆が描きたかったのか、事件を描きたかったのか、なんとなくまとまりに欠ける気がしました。
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いいですねえ、ウィンズロウ。期待に満ち満ちて読んで、その通りきっちり面白い。SF以外の翻訳物ではイチ押し。「ストリート・キッズ」のニールは少年だが、本作のブーンはおじさんで、その分(?)陰翳が深い。ニールをこよなく愛することにかけては人後に落ちない私だけれど、読んで面白いのはこっちかも。いつものことながら、脇役陣が個性的。シリーズになっているようだ。次作が楽しみ!
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最高!ウィンズロウ凄い!!サーフィン時々探偵なんて軽いミステリーを装っておきながら、徐々に顕にされていくお気楽メンバーの過去も絡みあって、胸にグッとくる物語となっています。ルヘイン程重すぎもせずなかなかいい感じ。
同じ海仲間としてサーファーとダイバーって人種が違うなって感じがしていたのですが、その謎も解けたし。
夏は終わってしまいましたが、切なく海を感じさせてくれるこういう物語もいいなぁ。
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ドン・ウィンズローならではの軽妙なハードボイルド、として楽しく読めました。ニール・ケアリーシリーズのファンなもので。ミステリ的に見るとあまり大きなヒネリも無く、割とシンプル。そのこともあって、ウィンズローならではの語り口を楽しめます。
主人公のブーン・ダニエルズはサンディエゴの近くの町Pacific Beachに住む生まれつきのサーファー(で、元警官の探偵)。私自身はサーフィンをやったことは無いのですが、自然を相手にしたスポーツというのはいろいろな意味で生活と結びついた楽しみがあるのはわかります。日頃から天気や風の具合を感じるようになったり。本書ではサーフィンについてもいろいろな話が語られていて、そういう点も心地よい。特に、「大波がくる!」的な盛り上がりも本書の見どころの一つで、読んでいる側も「来た~!」と熱くなりましたね。
物語の舞台となるサンディエゴに関する記載も盛りだくさん。サンディエゴは会社の出張で一度だけ近くまで行ったことがあるのですが、見て回ることができず、一度観光したい!と思っていた場所。「水族館」「軍艦」「お天気!」という印象の街です。サーフィンが盛んという印象は無かったのですが、本書にはサンディエゴの歴史のような部分もあって(どこまで本当なのか、よくわかってませんが)その部分も興味深い。
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ドン・ウィンズロウの新作。
サーファー・ノワールということで、元警官でサーフィンが日常となっている探偵が主人公。
この人の作品の特徴は、主要な登場人物がほとんど、明確な行動原理(あるいはそこに至る過去を)を持っているということ。それによりキャラクター造形が荒唐無稽な表現であっても確かに存在しそうな気がするという点。
シリーズものの1冊目ということで次が楽しみ。(この人のシリーズものはニール・ケアリー以来かな。)
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サンディエゴを舞台に、サーファー探偵が癖のある仲間たちの力を借りながら巨悪に立ち向かうお話。サーフィン、保険金詐欺、メキシコの貧困、バイオレンス、過去の失敗を引きずる探偵、とエッセンスを取り出したら『カリフォルニアの炎』と『犬の力』を足して2で割った感じだけど、まさにその通り。なんか見覚えのあるシーンもチラホラ。面白くなくはないし、読後の爽快感もあるので、特に前の二つを読んでない人にお薦めかな。