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ネタバレは書けませんが、歴史に対して柔軟な思考を
持てる人にはお薦め。教科書通りの歴史が好きな人は
読まない方が良いです。
上巻の風呂敷を上手に下巻で収束させて
くれたので、読了後の不満感はほぼなし。細かいこと
言えばキリないですが、十分に面白い。
しかし上巻のレビューでも書きましたが、まさに歴史は
勝者が作るもの。その作った歴史の辻褄合わせを
今でも脈々と引き継いでいく。これが一つの国家という
形なのかなと改めて考えました。と考えれば今の民主党
政権の存在意義は、日本史の中においてどういう位置づけ
で存在させられているのだろうか?と読了後、考え込んでしまった。
存在しているのではなく、存在させられているというところがミソ。
氏の別の書も手に取ってみようと思う。
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日本の歴史には不思議な部分が多くあると思います、幕府と天皇という二大勢力が併存していたこともそうですが、天皇家が南北朝に分かれて今の天皇家はどちらなのかという問題もあるようです。
表向きの解釈では現在の天皇は北朝家らしいのですが、この本の解説にあるように、明治時代には国会で「南朝が正統である」と合意されたり、明治天皇は南朝に関する建造物を作らせたりしているようです。
いままで多くのものを閉じ込めていた箱のふたが一斉に開いて、飛び出してきているような気がします。この本で言っていることが他の本でも言われているような気がしましたので、類書を読んで、自分なりに理解を深めていきたいと思いました。
以下は気になったポイントです。
・北朝系の明治天皇、しかし実は南朝の血を引く若侍にすり替わっていた、なので明治天皇は、南朝を称賛し、全国に15もの南朝神社を立て続けた(p87)
・古代の天皇について記した「古事記」(712)と、日本書紀(720年)の特に前半部分は、史実ではなく天皇の権威づけのために天皇の歴史をねつ造したというのは学問上の常識(p92)
・宮内庁は、900近くの古墳を天皇家の墓だと指定して、調査をさせない(p93)
・明治天皇にすり替わったのは大村寅之助で、それまでは長州にいた、北朝に敗れた南朝天皇の子孫(大室家)は、ひそかに吉野を抜け、長州に落ち延び毛利家の庇護のもとにあった(p115)
・西日本の「薩長連合」と、東日本の「奥羽越列藩同盟」において、東側は、東の天皇という意味で「東武皇帝」を名乗った(p117)
・西郷隆盛は、南朝武将の菊池家の子孫であり、長州にいる、南朝天皇の血を引く大村寅之助を天皇にして南朝を復活させようとした(p120)
・版籍奉還とは、藩という地方の小国家を壊して中央に返上させる見返りとして、藩主(1万石以上)に公家と同等の身分である華族という称号を与えて、士族のボスを抑えた、これは天皇の権威づけ作戦の最たるもの(p122、171)
・華族制度のすごさは、華族となった旧藩主に東京在住(人質)を命じて、地方の反乱の芽をつんだこと、山口組暴力団は同じ方法をとっている(p122)
・1868年正月のもっとも重要な儀式(四方拝)には、明治天皇は欠席したが、正午からの御所での儀式には出席している、四方拝は顔が丸見えだが、御所の儀式は簾の陰に隠れるので(p139)
・屈強な侍を御所に引き入れ、女官の総罷免と、武人の侍従採用があった(p158)
・明治維新後、3か月ほど東京にいた寅之助(明治天皇)は、京都に戻って1869年2月6日に、一条美子(はるこ)と結婚した(p159)
・明治以降に天皇の財産となったものは、日本銀行、横浜正金銀行、三菱、三井、済十、満鉄、日本郵船等の巨大株主、国家予算の3%(現在換算で3兆円)の財産家となった(p179
2011/7/16作成
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激動の明治維新の裏側を、1枚の写真から紐解いていく。
教科書やテレビには決して出ることがないだろう、歴史の裏側。
歴史物はほとんど読まないため、教科書レベルでしかない私の歴史観は簡単に崩壊させられました。
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フルベッキ写真!どっかで見たこと有るけど、言われる様にただの武士の写真を、幕末の志士になぞられただけだと思っていた。
それが、何と南北朝の話まで!
壮大なお話しです。
フリーメーソンの話まで行くと、チョットね!
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とにかく主人公望月が最後まで好きになれなかった。なんというか品がない。ひたすら上から目線なのに、えらく言い訳地味た記述が多い。(最初のほうの数十ページとか前作の批判に対する言い訳だし。)
幕末を舞台にした歴史もののフィクションとしては楽しめそうなテーマだっただけに残念。
もっとも、話の本筋であるはずのある謎に対しては論拠がグタグタすぎやしないか?と思ってしまうけど。多分答えありきでの論理展開だからだろうが、大分都合のいい解釈だらけ。上巻あたりまではいい感じに盛り上がってきてたのに下巻にはいっての薄っぺらい展開にかなりがっくり。
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この百年を地震のあった百年とだけ記載される百年にしてはいけないね。そういう意味で、強引な維新の偉業はとても参考になりますね。さぁ、こちらさんの番ですよ。
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いやー、大胆ですね。そう来ましたかって感じですね。ネタばれしてしまうので書きませんが、ストンと腑に落ちるような気がしますね。着想がすばらしいです。
どなたか主人公の品がないとコメントしてましたが、確かにそれは少し感じました。でも、それで作品の良さがそこなられているとは思えません。
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下巻になって、謎の解き明かしがどんどん始まる。フルベッキ写真の中央に写る少年は高貴な装いに見えるが、その前後の生い立ちは分からない。また、それまで北朝系の天皇であったにも関わらず、明治になってから、南朝を厚遇するようになり、180度転換している。こんなことから、孝仁天皇の息子である睦仁は暗殺されて、この写真の中央に写る少年にすりかわったのではないかと推理する。ミステリーの要素も加えたストーリー展開でとても面白かった。幕末の流れに違和感を持っていたが、このストーリーなら、イメージが湧く。
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☆3.7
どこまで本当なのかなー。所々比較写真もあるし、後書きを読む限り妨害にもあってるみたいだし、これはひょっとして...??
結局解決するのかしないのか、曖昧なままで終わってたけど、やっぱりああいう形にするしかないのかなぁ。
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明治天皇すり替え説をぼくがはじめて知ったのは10代の頃でしたが、当時、伊藤博文の印象や大室近祐氏のインタビューに怪しさを感じ、それ以降あまり深入りしていませんでした。
先日「西郷の貌」を読んで少しづつ鹿島昇、加治将一あたりを読んでいこうという気持ちになりました。
幕末維新の暗号は確かにフルベッキ写真に隠され、当時は相当な破壊力があったように感じます。現在でもぼくらの日常の影に潜み、特にアメリカにおいては対日政策上重要なカードとされてきたのかもしれません。
入念な偽装を行ってまで大久保利通や岩倉具視が作り上げたかった日本はどのようなものだったのか、またどうしたかったのか知りたいと思いました。
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2014.1.5-2014.1.6
『天皇の世紀』を読むと、明治維新における英国をはじめとする諸外国の影響力が大きかつたことが分かる。こんな本を書きたくなる気持ちも分かる気がする。
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初めて知った「明治天皇」の入れ替わり説。あくまでも本作は「小説」として読んだけど、何があってもおかしくなかった幕末と明治初期。天皇の入れ替えなんてあり得ないと思うけど、何があってもおかしくなった時代だからこそだと思うと、なるほどなという部分もあり。
私が本作を理解していないのだと思うが、なぜそんなに南朝に肩入れするのかがわからなかった。後醍醐天皇に魅力があったとは思えないし、三種の神器は当時、それほどのものだったということなのだろうか。学校で習い司馬遼太郎でイメージした幕末の藩士たちのイメージが結構変わった。「小説」として読んだはずなのに笑
望月にどうにも好感がもてず★は3つ
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なんとなく・・・ちょっと・・・・面白そうだったんだけど、落ち着く先がそんなとこ????・・・って言う感じでした。
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なかなか面白かったし、かなり信ぴょう性がある気もする。「明治天皇の幼少期?」という写真は、ちょっと笑ってしまうが、本当だったとしたら、やっぱり後の明治天皇とはあまりにも違いすぎるような気がする。
もし本当のことだったとしても、天皇をどうするだとか、天皇制をどうするだとか、なにかが不安定になるようなことはあってはならないな。そういうことも含めて、既に今の世の中が成立していて、それで真なり、ということだろう。
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南北朝?いつの話だ…と思いつつ、読み進めていくうちに、ある程度の説得力を感じる。明治天皇すり替えねえ…。たしかに、明治維新の鮮やかな方向転換や、欧米との強固な関係は不思議ではあるが…今後、この説を念頭に置きつつ、自分なりの検証が必要かな。