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【きっかけ】
D21の干場社長によるブログを読んで興味を持った。
http://d21blog.jp/discover/2011/06/post-587b.html
「問題は、狩猟採集社会にふさわしい感情を身につけたまま、文明社会に生きていることだと、著者の石川先生は言う。
と同時に、『感情に対して、こうした歴史的認識がもてれば、個人としても社会としても、「感情の発露」に対して、寛容になれるかもしれない』とも。」
また、7月3日配信のビジネスブックマラソンでも「仕事や人生に関する疑問・悩みが、一瞬で解決してしまう、すごい本」との評価が。
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人間の心を文明発祥以降の理性を中心とした「文明固有の心」、動物の時代に形成された感情を中心とする「野生の心」に大別し、更に「野生の心」をおもにジャングルで生活していたころ身につけた『ジャングル由来の心』と人類とチンパンジーがの共通祖先が分岐した後に形成された『草原由来の心』に二分する。
そして、恐怖と不安、怒りと罪悪感、愛情と友情、好きと嫌い、嫉妬と後悔、自己呈示と承認、楽しさと笑い、悲しみと希望、信奉と懐疑心、驚きと好奇心、名誉と道徳観、幸福と無力感について、それぞれどの心か、そしてそれが人間の進化にどのように寄与したかを論じます。
ここでは、人類の進化というとてつもなく長いタイムスパンについて論考していますが、一人の人間の成長も子供だった頃の感情を理性で覆って大人になるので同じことではないだろうか。自明性に閉ざされた日常のなかで感情を押し殺しているのが現代の特に日本人のように思う。
もっと、若かった頃、子供だった頃のように感情に揺さぶられながら生きても良いんじゃなかろうか。
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進化心理学の本。
人類の進化の段階でうまれたさまざまな感情を
その感情がうまれた環境を説明することで
わたしたちがその感情に遭うときの違和感みたいなものを
説明してくれる。
好奇心は、環境の変化に対応していくための
長期的な行動を要する挑戦なのだそうだけど
好奇心に基づく行動は淘汰される傾向にある話は
実感があって恐ろしくなった。
日々の生活で感じている感情的な違和感に
理由づけがされたようで、ちょっと落ち着く。
間違った感情の使い方を反省できた。
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・農耕が始まってから1万年。ただ1万年という期間は、生物進化の観点からは、ごくごく短期間でしかなく、進化は十分に進まない。だから、狩猟採集社会にふさわしい感情を身に着けたまま、我々は文明社会に生きていることになる。
⇒進化スピードは環境の変化スピードに追い付けていない。
・後悔、嫉妬や羨望などの感情は、狩猟採集時代の小さな集団のなかでは一定の価値があった(ダダをこねれば、小集団の中では同情を引いて利益が再分配される可能性あり)が、現代社会では無用の長物となっている。
⇒現代に不要となっていても、当時必要だった感情が残っていることがある。
文明社会で失った利益は、取り戻すことは不可能と自覚すべし。
・自己呈示欲求は、複雑な自己を集団の要求に合わせて簡素化し、集団で必要とされるために必要だった。
・つまり自己呈示欲求には、対象となる集団が必要。言い換えると、提示する自己像を固めるには、まず集団で何が必要とされているのかを知ることから。
⇒いわゆる自分探しは、あくまでどこの集団に属するかとセットで考えないと意味がない。
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感情は、生きのびるのに、必要な機能として、生物進化の歴史を通して、徐々に積み上がってきたものである。
感情が高ぶっていると、記憶や学習の効果が上がる。
感情というと、マイナスに捉えられる面が多いが、肯定的な面が多々ある。
感情と認知度は一緒になって働いている。
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進化心理学という学問については初めて本書で知った。人間の脳の構造に小脳と大脳があり、小脳が本能的な行動をつかさどるということは学校の理科の時間で習った。本書によるともう少し奥があるらしい。
脳は進化とともに発達してきたと考えられるが、その過程においてさまざまな感情を発達させてきたと考えるのである。人類がまだジャングルに生活していた時に身につけた恐怖や不安の感情は、類人猿にも共通して見られるが、恨みや妬み、さらには好奇心や希望、楽しみ、笑いなどは人間にのみ顕著に現れるものであるという。これは人類が草原に下りてから身につけた感情であるらしい。
進化心理学の立場では、感情は生得のものではなく進化の末に獲得されたものということになる。進化とは生存のために起きるのであるが、この感情こそが敵から身をまもり、食糧を確保し、絶滅を回避するための手段だったというのである。そして、こうした感情が理性や思考の発達を促してきたというのである。
こういった学問は生物を概観するのには適するが、個人的差異については注意深く無視される。個人個人の問題ではなく、種としてあり方を扱う学問といえる。だから例えば男は競争的なものに向き、女は共感的なものに向いているという傾向を冷静に語ることが出来る。
筆者は人間の生物としての特性を踏まえた上で、さらに文明を持ったあとの我々の心をどのようにデザインしていくかということにも関心を示している。本書によれば人間の脳は平和で変化のない毎日を過ごしていくうちに幸せを感じなくなっていく仕組みになっているのだという。それを踏まえこれからの私たちは多様な集団に属し、それぞれの集団と質の異なるつながりを持つことによって幸福感を確保しなければならないというのである。
人間をいかなる生物として捉えるのかという問題については未知の領域が大きい。関心を持ち続けていきたい分野である。
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本著によると我々の感情はジャングル、草原、文明によって形成されたらしい。
それらは「文明の心」と「野生の心」と二つに大別される。
恐怖、怒り、愛情といった感情がなぜ生まれたのか、それらの感情があることでどんな効能があったのかを各時代の環境とともに考えていきながら理路整然と述べられている。
近代に生まれたものもあれば、遠く祖先が野生の中にあった頃生まれたものを遺伝的に継承しているものもある。
これらがわかる事で、今自分が抱いている感情がどの様なものであるかを客観的に理解できるようになるだろう(理解後の対処についてはまた別の話だが)
驚きと発見に富んだ内容
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生活環境への適応として、人類は感情をつくりだしました。だから、感情のルーツは狩猟採集時代に遡って考えると、すごく面白いです。
私たちは、遥か大昔の先祖のDNA を受けついているようです。
感情に関することを学びたい人には、入門としておすすめだと思います。
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人類の歴史を遡り、狩猟採集時代の集団生活のなかで形成されてきた感情を「野生の心」。現代の集団生活で形成されつつある感情を「文明の心」として、人間の心の働きを読み解く。
今日、私達が抱く感情は人類の進化の歴史を通して形作られ、現在も徐々に変化しつつある。
進化心理学は、現在の文明社会に適応した「心のあり方」を提供してくれるだろう。
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進化心理学というと一見難しそうな内容を、初心者向けに実にわかりやすくひもといてくれている。日常的に感じる様々な感情の始まりはどこなのか、どういう意味を持って始まったのか、人間が進化してきた環境から分析する。
普段、感情に振り回されがちな人は(私も含め(笑))、一度読んでみてください。感情の生まれを知ることで、扱い方が少し分かったような気がします。
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目次
「野生の心」と「文明の心」
恐怖と不安
怒りと罪悪感
愛情と友情
好きと嫌い
嫉妬と後悔
自己呈示欲と承認
楽しさと笑い
悲しみと希望
信奉と懐疑心
驚きと好奇心
名誉と道徳感
幸福と無力感
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感情があった方が生存競争に勝ち残りやすかったから、感情が発達してきた。
ただ、近代社会になってから時間が間もないので近代社会に合った感情構造にまだなっていない。
総論納得できるものの、個人的感想をあたかも事実のように書いてある箇所が散見されるのが残念。
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人の感情について、生物の歴史からどのように進化してきたを究明する【進化心理学】なるほど〜とうなずくないようが多かった。【進化心理学】についていくつか姉妹本が出てるみたいなので、そちらも読んで、もう少し深堀りしてみたいと思う。
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感情にはそれが「生き残り」に有利だった歴史がある。
現在明治大学情報コミュニケーション学部教授で、認知情報論と科学基礎論(すみません。どちらも正しく理解していません)を専攻にしていらっしゃる石川幹人さんの進化心理学の本。
「感情」を進化の過程で生き残る為に身につけた(正確には、生き残るために必要な感情を持っている個体が淘汰されにくかった)事と、それがどういう内容の歴史と紐づいているのかを明らかにしている。
「感情」を「思考」を方向づけるものであり、古い脳である小脳に起因する部分も大きいが、「ジャングル」や「草原」で人間が進化する中で生き残りに適した選択をするようにする為に存在している事を説明。
学術書っぽい進行ながら、背景説明が著者の「ストーリー」で説明される部分も多いのは若干違和感がある。
(心理学系の本はあまり読まないのですが、こういうものなんでしょうか?)
ただ、基本的に説明されるストーリー自体に違和感はあまりなく読みやすい。
感情が現代社会に対応できていない部分もキチンと説明があり、他者とのコミュニケーションにおいて、思考を導く感情の理解には参考になるように感じた。
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進化心理学
領域特異性
感情モジュール
笑い ミラーニューロン 共感能力が高い
だじゃれ 意味から音韻への変化に対する驚き