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C0095 原爆に限らず爆撃前の警告ビラは、わりと知られていますよね。放送は初めて聞きましたけど。長崎捕虜救出作戦は、根拠が薄いにも限度がありますよね。空母も制式か軽空母かも不明ですし、空母の必然性が無いです。素人の志願兵より、海兵隊で実行するならまだしもです。
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(2011.08.27読了)(2011.08.23借入)
各地での空襲、広島・長崎での原爆投下の戦災死者に、市民より政治家や官僚、高級軍人の死亡した比率が圧倒的に低いのは、「空襲や原爆投下を、一部の人間は事前に知っていたのではないか」と著者は仮説を立て、事前に知っていた、という証拠を探している。
著者が手掛かりとして挙げているのは、『原爆死』というドキュメンタリー映画です。
1994年度の学生アカデミー賞のドキュメンタリー部門で金メダルを獲得した作品です。
この作品によると、長崎への原爆投下直後(8月9日)連合軍の捕虜救出のために、米軍の救出部隊が長崎に上陸したというのだ。
長崎の米軍捕虜を救出する米軍の戦艦を日本の海軍が道案内し、長崎上陸も手引きし、米軍捕虜を引き渡したというのです。
いずれ、米軍の機密文書が公表されると明確になるのでしょう。日本軍側の書類は、終戦のどさくさに、焼却されてしまったでしょうから、証拠が出てくる可能性はかなり低いでしょう。
著者の問題意識は、興味深いのですが、明確な証拠に乏しく、冒頭の一般市民と軍関係者の死亡比率にしても、具体的にどれぐらいの差があるのかを示していないので、説得力に乏しく独り相撲の印象が強い。
(テーマは、面白いのですが、中身は空疎という印象です。皆さんにはお勧めできません。)
章立ては以下の通りです。
序章、ある元陸軍二等兵の死
第一章、歴史から消された作戦命令
第二章、裏切りの軍都・広島
第三章、米英共同作戦の深き闇
第四章、慟哭の軍都・長崎
第五章、長崎上陸の捕虜救出部隊
●広島への原爆予告(70頁)
広島原爆投下前に対日宣伝ビラが撒かれ「八月五日、広島を大空襲する」と書いてあった。
ビラの日付は八月五日で、グリニッジ標準時、つまり日付変更線を越えている。
また、八月一日、ラジオの「ボイス・オブ・アメリカ」で「八月五日に、特殊爆弾で広島を攻撃するから、非戦闘員は広島から逃げていなさい」と放送を繰り返した。
●旧日本軍の護るもの(80頁)
近代的な軍の本土防衛とは、本土の国民を守ることであるが、この常識は旧日本軍には通じない。彼らが護るのは国土であり、「国体」である。
●原爆投下後の偵察隊(99頁)
最初に広島市街に向かったのは「偵察隊」で、そのなかに物真似で知られた三代目の江戸家猫八がいた。加えて、船舶司令部の二等兵に三十歳で徴兵された東京帝大法学部卒の丸山真男がいたことも記しておく。いずれにしても、調査、偵察隊と一緒に救護部隊を出すことはない。
●大本営発表(102頁)
投下翌日の夜七時の全国ニュースにおいて、大本営は次のように発表した。
「昨八月六日広島市は敵B-29少数機の攻撃により相当の被害を生じたり。敵は右攻撃に新型爆弾を使用せるものの如きも詳細目下調査中」
●最初の原爆投下(123頁)
最初の広島投下では、何が起きるのかマンハッタン計画の学者たちも予想ができず、エノラ・ゲイ自身が原子爆弾の爆風で吹き飛ぶことや、機体の損壊で不時着する可能性さえあった。それを考えて、ティベッツ大佐は���銃と青酸カリを渡されている。
(2011年8月31日・記)
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原爆の投下は、最高級の軍部は知っていたなど、戦慄の走る記述。
現在の福島で行われている現状と、ほとんど重なる。必読の本だと思う
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原爆投下は日本陸海軍、外務省も知っていたということや、日本も原爆を開発していたことは知っていたが、次の内容は驚きだった。
・広島投下前に、陸軍の幹部はほぼ避難していた。
・投下直後の長崎にアメリカ軍が日本に捕虜になっていた兵士を救出するために、長崎に上陸していた。この上陸には、海軍が手を貸していた可能性があること。
・原爆のことは、士官学校で教えていた上に、少年向け雑誌で取り上げられていた。
軍関係者が知らないはずはないのだ。原爆に関する情報を隠す状況と、福島の情報を隠して避難も当初許可しなかった状況を重ねながら、日本の指導者がやることは変わっていないのだという。残念なことだ、憲法改正よりも、指導者が先頭にたち、正しい情報を伝える姿勢に変えることが必要だと思う。