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誰にでも入手できるデータに基づいて、誰にでもできる推論を書き並べた本、という印象です。
しかも、図のデータと文中のデータがそろっていないことも多く(図と文で、年度が異なっていたり、扱っている国が違っていたり、など)、論理にも飛躍が多く(著者の中では筋が通っているのかもしれないのですが、読者には「風が吹けば桶屋が儲かる」的な文が目立つ)、日本語もちょいちょいおかしいので、読み進めていて苦痛でした。
(とはいえ、誰にでも入手できるデータに基づいて、誰にでもできる推論を書いているので、著者の結論を追うことそのものは簡単。)
原発に関わる政策や電力会社、技術に関しては、上っ面だけを追い、理論的に可能そうなことを利用して机上の空論を組み立てており、「確かに、そういう考え方(机上の空論)はあり得るかも」とは思うのですが、現実味はまったく感じませんでした。
政策や電力会社のこと、また、技術的なことは、あまり理解していないのだと思われます。
もうちょっと、自分の足で稼いだ情報を利用して、自分の頭で考えたことを書かないと、本にして出す意味はないのではないかと。
小賢しい人が、小手先のテクニックで、如何にもそれらしいことを書いている、という以上の本ではないと思いますので、タイトルを見て、中身を想像すれば、それで十分です。
ダイヤモンド社が手掛けた本としては、あまりにもお粗末な印象。