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最近流行りのgamification(ゲームのノウハウを活かしてユーザを盛り上げること)について体系的に解説した本。
自分は生まれてこの方ゲームを買ったことがないという、世代的には珍しい類の人間だが、世の中のソーシャルビジネスが一部の巨大企業を除きゲームしか儲かっていないところをみると、ほっとけない分野な感じがする。(もっとも、いわゆる任天堂的ゲームと、ソーシャルゲームは目指すものが違うようにみえる)。とはいえ、ポイントの付加や、ステータスの明示、演出なんかもその具体的な方法なので、奇抜なものではなく、浸透していくと思う。
面白い例が載っていて(Investigate Your MP's Expenses)、議員の経費不正利用を追及されて、イギリス政府は100万枚を超える領収書やレシートの画像データを公開する手に出た。画像データなら目視しないといけないから容易に不正を導けないだろうという魂胆である。
そこで英国の新聞社ガーディアン社は、画像データをWeb上に公開して「ゲーム」化し、国民全員で調査できるようにした。結果、議員が年俸の2倍にあたる経費を使っていることなどが分かり、何十人という国会議員が辞職する結果になったのだそうである。
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ゲーミフィケーションには非常に興味があったので購入。色々アイディアの種をいただきました。
ソーシャルゲームは嫌いだけど、この概念をもっと生産的なコトに応用していきたい。
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なぜはまっていくのか、どのようにはまっていくのか、ユーザの分類等しながら解説。根拠として論文等挙げてるし納得できる内容。
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ゲーミフィケーションという考え方を、ソーシャルゲームという観点から掘り下げ、最終的にその概念をまとめあげている本。ソーシャルの現在のトレンドを押さえた上で、ゲーミフィケーションを構成するためのフレームワーク、およびアプローチも体系的に整理されており、リファレンスとしてもわかりやすい。また、概念的な部分はマーケティングや経営・事業戦略などの分野にも応用できるため、一読の価値はありそうです。
以下、要点と解釈の整理です。
○ゲーミフィケーションとは
ゲーミフィケーションについての定義について、本書を読んでいくとそのヒントがダニエル・ピンク著の「モチベーション3.0」にあることがわかってきます。そのポイントは
・目的 : なすべきことが明確であること
・自律性 : 自発的に行う、強制されて行うものではないこと
・有能感 : 自分の能力が活かされること、それを実感できること
の3点に集約できます。
そしてアメリカの心理学者であるミハイ・チクセミントミハイが提唱するフローの理論に従い、以下の要素が具体的に盛り込まれることが必要となってきます。
・達成できる見通しのある課題に取り組んできる
・自分のしていることに集中している
・行われている作業に明瞭な目標がある
・行われている作業から直接的なフィードバックがある
・無理のない没入状態で行為できる
・自分の行為を統制できる感覚がある
・感情移入ができ、行為が終わった後により強く自己を感じる
・時間経過の感覚が変わる
つまり、自発的にものごとに入り込み、集中するための仕掛けがゲーミフィケーションの重要要素であるといえるでしょう。
また、このときに人間の欲求に訴えかけていくことが必要になってきます。これはマズローの5段階の欲求よりもさらにほりさげた、アメリカの心理学者、スティーブン・リースによる16の分類を考えることが必要となります。
・力
・独立
・好奇心
・承認
・秩序
・貯蔵
・誇り
・理想
・交流
・家族
・地位
・競争
・ロマンス
・食
・運動
・安心
こうした欲求は社会活動の中に存在しており、目的の明確的な定義と自律性の誘引には必要不可欠な概念となってきます。また、有能感を感じるときにも、これらの要素を抑えることは必要でしょう。
さらに、人間には感情があります。この感情があるからこそ、ものごとに変化を感じ、あきることなく継続することができるようになります。以下の6つの基本的な人間の感情は、アメリカの心理学者、ポール・エクマンの定義によるものです。
・怒り
・嫌悪
・恐怖
・幸福
・悲しみ
・驚き
こうした要素を統合し、
・目的を達成するために
・ユーザのモチベーションを高め
・継続的に集中してユーザが行動できる環境を作りだす(パフォーマンスが高い状態を作り出す)
仕組みがゲーミフィケーションといえそうです。もっと単純に言えば、ものごとをを「楽しんで」ユーザが取り組める仕組みといってもいいのかもしれません。なぜなら「楽しい」と感じているときに、これらの要素が必ずといっていいほど含まれているからです。
○ゲーミフィケーション・フレームワーク
ゲーミフィケーションを形にするためにはフレームワークが必要です。以下、キーワードで整理しておきます。
・プレイヤーの分類 : ユーザや関係者の整理
- タイプわけ
・アチーバー : とくにかくゴールを目指す
・エクスプローラー : 新しい発見を求める
・ソーシャライザー : コミュニケーションを重視する
・キラー : 他者との競争を好む
- 習熟度別
・初級者
・中級者
・上級者
・離脱者
・目的・コンセプトの明確化 : 最終的に求めるもの、ゴールのデザイン
・目標設定 : プレイヤー分類ごとにモチベーションを与える目標の設定
・可視化とフィードバック : 状況を指標化し、そのレベルに合わせたフィードバック(報酬)の定義
・ソーシャルの導入
- プレイヤー間の関係性 : 継続したくなる、せざるを得なくなる
- ナビゲート : 互いにプレイヤー同士が助け合う
- プレイヤーの呼び込み : プレイヤーが新たなプレイヤーを呼び込む
- 相場の構成 : ものごとに対する共通認識が生まれる
- 自己表現の場 : プレイヤーのパフォーマンスの向上につながる
- 新たなゴール : プレイヤー間の相互作用により、新たな目標が設定される
・プレイサイクルの定義 : 目標設定 ⇒ 行動の選択 ⇒ 達成のサイクルをスパイラル・アップさせながら継続
・運用による介入 : バランス調整、イベント投入、要素追加などによる継続改善
こうした要素をみると、BPMやユーザエクスペリエンスデザインの話とほとんど変わらないことが良くわかります。ゲーム的な要素を組み込むことによって、ユーザが継続的に楽しめる環境をつくる、という点が強調されることがゲーミフィケーションの特徴といえるのかもしれません。そして、現在のソーシャルのトレンドは、ゲーミフィケーションを実現するために活用度の高い要素となっているわけです。
この本の最後の章でまとめられている通り、ゲーミフィケーションは単にゲーム産業にのみ適用する言葉ではありません。マーケティングやビジネスプロセスにも組み込むことによって今までにない価値を生み出す、その可能性には大いに期待できます。
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正直、ハタから見ている分には意味不明なソーシャルゲームについて、わかりやすく解説してくれている本。仕組みづくり・プラットフォームづくりに興味が湧く。
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「ソーシャルゲームとは一体どういうものなのか」、それを踏まえた上で「ゲーミフィケーションとは何なのか」を解説する内容でした。
前半では既知の内容も多く、読みやすいかなと感じましたが、中盤あたりに進むにつれ、やや文章が周りくどく(良く言えば丁寧過ぎ)読むのがしんどかったというのが正直な感想でした。
内容に関して言えばもう少し広く事例などを取り扱ってくれればよかったなというのが個人的な意見です。
とはいえ、ソーシャルゲームについて知りたい、学びたいと思っている人にはおすすめできる一冊だと思います。
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ソーシャルゲームにはユーザーがハマるようにたくさんの仕掛けがある。その仕掛けを分解し、他のゲームやゲーム以外のものごとに応用しよう、というのが大まかな内容。
本書の前半は「ソーシャルゲームがいかにしてユーザーのモチベーションを喚起しているか」という話を展開していく。
僕はそもそもソーシャルゲームがヒットしている最大の要因は、本書に書かれているようなポジティブなモチベーションのコントロールによるものではないと思う。
「損をしたくない」という強烈にネガティブなモチベーションを利用している。
「アクセスしないとエネルギーの回復が無駄になる」
「アクセスしないと宝を奪われる」
そういうネガティブなサイクルの上に成り立っている。
本書の主張は僕の考えとかけ離れていて、その内容も納得することができなかったので、高い評価をつけることはできなかった。
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まとめ的な本。
ソーシャルゲーム全然知らないって人にも良いかも。
(うちのメンバーもみんな読んでくれるといいなぁ)
個人的にはゲーミフィケーションと混ぜずに
一冊ソーシャルゲームにして欲しかった。
結局ゲーミフィケーションも語る事になると思うけど。
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感想は以下。
http://masterka.seesaa.net/article/265609331.html
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ソーシャルゲームのフレームワークから実際のゲームの分析そしてモチベーションについての考察からゲーミフィケーションの応用まで、ソーシャルゲーム自体に興味が無くても、ほう、成る程と引き込まれる。
フロー理論での能力と課題のバランスや自己決定論の自発性など、ソーシャルゲームでしかモチベーションを発揮できないようでは困りものだ、可視化、フィードバック、演出などをビジネスの場にどのように持ち込みモチベーションを向上させるかを考えた土曜日の昼下がりとなった。
そういえば、売り上げの1/3が利益という某社はゲミフィケーションを職場にとても上手に導入してるように思います。
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コンピュータゲームは、単純なロジック(仕組み)で、どれだけ人間の思考を刺激させることができるのかが要である。
本質的な仕組みは20年以上前のゲームとロジックは変わっていない。近年のコンシュマー系のゲームはとても美しく作り込んでいるように見えるが、それはあくまで外見と装飾だけで、本質的な中身は驚くほど進歩がない。物によっては、20年前のゲームのほうが作りがしっかりしているものがあるほどだ。
ソーシャルゲームは、その中でグラフィックに力を入れるのではなく、社交性と射幸性を高めるために作られている。
ロジックとしては単純であり、お金を沢山払えば強くなれるというものである。日本以外では法律上の規制により実装が困難である、コンプガチャを始めとする射幸性を煽る機能により、顧客満足度を高める。
初めてお金を支払いガチャをする場合はあたりが出やすいテーブルから抽選し、ある程度の額を支払っている中毒者に対しては、あたりが出にくいテーブルに移り、資金の回収を図る。このロジックを、顧客に不公平感や不正感を感じさせず、なるべく自然な形で組み込むことに各社精力をかけて研究開発している。
パチンコと違い、当たりの確率を操作しても、第三者機関の監視を受ける必要のないソーシャルゲーム業界では、やりたい放題である。50%の確率で当たりますという煽り文句で、12回挑戦して一度も当たらないという経験があった(SEGA Kingdom Conquest)。確率的には0.02%であり、可能性は存在する。SEGAの公式解答としては確率はゲーム性を高めるために操作していると明言している。最も、たとえ表示上50%で、内部的に異なる値であっても、それを裏付ける術がないため、一般社会で景品表示法の違反としてやり玉に上がる事はないだろう。
これらのコレクターアイテムは資産価値があり、トレードにより現金化できるものが一般である。しかし、ゲームそのもののはやり廃りが激しいため、2年でサービス停止して資産価値がなくなるということも当然ある。
人気のないソーシャルゲームにお金を数十万円突っ込むのはやめよう。ゲーム内で強くなっても、サービス停止になったら何も残らないぞ。
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ソーシャルゲームでお金を払う人の気持ちが知りたくて購入。
「とりあえずプレイしてみろ」とのことだったので、DUNGEONS & MONSTERSというソーシャルゲームをやってみたが、たしかにハマりそうになった。
始めて数日は単純すぎて微妙だったが、何日か続けているとやることが習慣化した。
ただやっぱりお金を払う気にはならなかった。
もっともっとやりこんでお金を払わないと進めなくなったらお金を払いたくなるのだろうか。
本によればお金を払ってアイテムを購入することで時間が節約できると考えるらしいが、それなら初めからやるなよと思うのは自分だけだろうか。
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ゲーミフィケーションの本。釣り★スタや怪盗ロワイヤルなどのソーシャルゲームを通して、ゲーミフィケーションのフレームワークを分析している。
興味が持続拡大していく部分の分析には、モチベーション、特にダニエル・ピンクのモチベーション3.0や、チクセントミハイのフロー理論を使って解説されている。若い頃に考えていた「楽しさの科学」をもう一度考えてみる必要のある時代なのかもしれない。
ゲーム以外の分野へのゲーミフィケーションの例として、マイレージプログラムやくら寿司、Nike+等を上げているが、Investigate Your MP's Expense(イギリス国会議員の経費調査)の例は、興味深い。日本の国会議員の経費調査や、東京電力の値上げ根拠の分析などで使われても面白いと思う。
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ゲーミフィケーションについて勉強するために手にとった一冊。
内容としては、ゲーミフィケーションを考える上でのフレームワークを提示した上で、釣り★スタと怪盗ロワイヤルを対象にゲーミフィケーション的な仕組みを解説する、という内容が半分以上を占めます。
最後に、ゲーミフィケーションのマーケティング分野などへの応用について、簡単に事例を交えながら解説してます。
新知見を得られた部分もありましたが、個人的にはこの本はゲーミフィケーションに関する解説というよりもゲーミフィケーションを理解する上で前提となるゲーム(特にソーシャルゲーム)が流行る仕組みの解説という要素が強い印象。
あまりにも釣り★スタと怪盗ロワイヤルにフォーカスしているので、「この本はゲーム事業を立ち上げるための本だっけ?」と錯覚してしまうことがあったくらい。(ゲーミフィケーションはゲーム以外の分野にゲーム的な要素を盛り込んで顧客との関係強化を図る、という趣旨のはずなので)
私が元々コンプガチャに懐疑的だったのと、コンプガチャの問題が前面に出て禁止に至った後にこの本を読んだこともあり、ゲーミフィケーションを理解する」という目的に対してはちょっと物足りないというのが正直な感想です。
私自身はゲーム自体が好きということもあり、本書の前半で述べられているゲームの面白さの仕組みについては既知のものでしたが、自分自身でゲームをやったことはないけど、ゲーミフィケーションに興味があるという方であれば、ゲーミフィケーションを理解する上でのゲームの仕組みについて知るというエントリー的な一冊として良いと思います。
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3/8読了。ソーシャルゲームで実際に用いられているモチベーションの維持や顧客ロイヤルティーの向上に関する仕組みを、Webサービスをはじめとしたビジネスにも活用させる考え方(ゲーミフィケーション・フレームワーク)を提供しようとしています。釣り★スタや怪盗ロワイヤルなどでの実例を取り上げており、ソーシャルゲームをよく知らない自分には参考になりましたが、フレームワークを使った分析はちょっとまとめ切れていない感も。問題意識や切り口は面白いので、今後の深化に期待。