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著者が伝えたいことは?
ジャーナリズムが危機である。一番チェンジしなければいけないのは、マスコミである。
ジャーナリズムとは、真実を追及する姿勢である。中立、公正、あるいは、客観性というものが、取材の常識のように語られているが、ジャーナリストには、それぞれの立ち位置があり、純粋な客観性というものは、存在しない。すべて色付きである。
しかし、日本は、客観報道などというありもしない建前を、あるがごとく置いている。その為、アメリカ、イギリスに比べ、非常に曖昧な姿勢に終始している。
ありもしない中立性を置く事で、責任を負わず、逃げ道を作っているとも言える。
国民目線などというインチキをいわず、自分はこう思う、こういう立場に立っているというのを明確にすべきである。その覚悟がないことが、日本のマスコミの大きさ問題点である。
そこで、私たちにとって、大切になってくるのが、常識を疑い、自分の頭で考える力を身につけること。流れてくる情報を受け身になって何でも飲み込むのではなく、自分で選択することである。
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たいへん勉強になりました。
1864年創刊の『海外新聞』から、東日本大震災の報道まで語ってらっしゃるので、きっとかなりはしょっている部分もあると思いますが、テレビで活躍し、実際に様々な政局に直面されてきた著者ならではの臨場感ある政治家の話が面白かったです。
また、新聞などのメディアが、それぞれの政局で、どういう振る舞いをしてきたか、という客観的なジャーナリズム史に加え、大戦・学生運動などによる自身の価値観の変遷も正直に書かれていて参考になりました。
特に、橋本内閣失脚の際に感じられたという、国家権力というものはカラッポでそれをメディアがただ批判するだけでは政治は何も変わらない、というような意見は、本当にそうだなぁと思いました。
新書の帯に「事実を追わないマスコミは今すぐ退場せよ!」とあるのは、マスコミを牽引してきた田原さんに言われても〜と思わなくもないですが、テレビで活躍されてきた著者のパフォーマンスを踏襲した編集の戦略だと思うので、むしろその帯の下に隠れた文章のほうが、本書の中身を表していると思います。
少し前に『誰が小沢一郎を殺すのか』という本を読み、やはり悪いのはマスコミという趣旨でしたので、世の中のそういった時流に乗って出版された本かとも思いますが、ずっと政治報道をされてきた著者ならではの、日本をよくしたいという真摯な気持ちが伝わってきました。
メディアの第一線に立ち続け、70才を越えてなお色んなご活躍をされていて頭が下がる思い。まだまだ色んなことを教えてほしいです。
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戦後、GHQによる言論統制を批判しているのに注目した。
なぜ新聞社はGHQの要請に応えてGHQの不利な記事を載せるのを中止したか。
今まで、私自身そんなことを考えてもなかったので、それはそれは新鮮な見方だった。
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明治から東日本大震災までのジャーナリズムの歴史
結局日本にはジャーナリズムは存在しないということなのか?
これから日本のジャーナリズムはどこに向かっていくんでしょうか?
歴史を学べたので良書とは思うが、
上杉隆の方が視点がグローバルで面白い気がした。
田原さんには、もう少し現役でジャーナリズムを引っ張って欲しいですね!
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「誰も書かなかった日本の戦争」と同時期に読んだので、戦前のジャーナリズムの話は重複している話が多いし、最近の話は「今だから言える日本政治の「タブー」」等ですでに知っている部分もあった。新しい話としては、戦後のGHQによる検閲について述べているところだ。この時の影響で、現在の腑抜けのジャーナリズムができあがったと思われる。また、ここでも田中角栄の悪影響があったことがわかる。通信社ではなく新聞社である存在意義を示す日が果たしてくるのであろうか・・
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残念、の一言。新しい論点はほとんど見られなかった。タブーに挑戦しているふりをしているジャーナリストの言い訳に見えました。
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要約すると前半が戦前から占領期までの新聞史で、後半が戦後の政治史。そんで結論が「今も昔と変わらず大本営発表になってるやんけ!」ってことみたいです。ただ所々に非常に有意な示唆があるので、ヒマがあれば一読してもよいかも。個人的には、ありもしない「報道の中立」をマスコミ自身も読者も信じてしまってるっていう主張に横並び報道に陥るマスコミの現状の突破口があると思うので、そこを突き詰めて考えて欲しかったと思います。
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前半は戦前から占領期までのジャーナリズム史。後半はその後のジャーナリズム史なのだが,著者はその渦中にいたのでものすごく当事者。熱もこもってる。
彼はテレビの人なので,戦後のジャーナリズムをテレビマンの視点から記述。顔が見えるメディアということで,影響力が大きいことを自分が関わった事例をいくつも挙げて縷々述べる。思い入れが相当強いんだろうな。宮澤首相や橋本首相が失脚したのは自分の番組のせいだとしてる。
かつて軍国少年で,戦後ジャーナリストとなった彼の思想は,占領期までのジャーナリズムのありかたに深く影響を受けている。本書でも明治期からの新聞,その後のラジオ,言論統制の歴史を駆け足で見ていく。明治以降のジャーナリズムの歴史は弾圧の歴史かと思ったら,意外にそうでもない。
日清日露戦争のころ,新聞はこぞって戦争を煽ったが,別にこれは弾圧のせいではなく,その方が売り上げが伸びたから。非戦論の新聞は売り上げが低迷した。最後まで反戦を貫こうとしていた萬朝報もついには戦争賛成へ転向してしまう。読まれるものを書くしかない…。
昭和に入ると政府の統制が強まってく。5・15事件ではまだ各新聞が「言語道断」「未曾有の不祥事」等と論評を加えたが,2・26事件になると陸軍省発表以外は一切掲載禁止とされるに至った。軍の台頭は深刻になっていき,戦中の大本営発表報道に至る。事実は国民に対しては伏せられた。
そして敗戦。GHQは,国家管理のもとに置かれていた日本のジャーナリズムを,そのまま占領統治に活かした。日本の牙を抜き,民主化を進めるための宣伝機関として有効利用した。軍部を除いて,いろんな組織が温存されて間接統治に使われた。これは効率がいい。
敗戦の責任をめぐって,各新聞社で内紛も起こった。読売新聞などは,正力社長が戦犯として拘束されると,組合が経営を管理することになった。そんなごたごたはあったが,日本のマスコミは,戦時下と占領下の総括をいまだになしえていない。それが今にも尾を引いている。
後半はほぼ自分史。早稲田を7年かけて卒業すると,丁度60年安保の年。就職した岩波映画で仕事を干され,安保闘争にのめりこむ。新条約の内容も知らずに,「戦犯の岸がやるんだから改悪に違いない」と批判していた。後で冷静に考えて,「改善」だったことに気付く。
とはいえ当時は本当に世の中「反体制」だったそうだ。今も震災関連で反体制が勢いづいているようだが,それとは較べものにならないくらい。安保改定前夜,岸と佐藤は暴徒に殺されることも覚悟していた,というのはまんざら誇張でもないんだな。
北朝鮮がこの世の天国だとか,毛沢東の文化大革命を絶賛だとか,そういう言説が信憑性をもって受け止められてた時代だった。ところがそのうち十年・二十年が経ち,左翼運動は退潮していった。その大きな原因として,日中・日ソの国交正常化があるというのは盲点。
それまでは,共産党とか左翼がソ連や中国との情報のパイプを握っていた。そのパイプが国交回復によって,自民党に奪われることになった。沖縄の返還も「沖縄返せ」という運動のテ���マを失うことであり,左翼の影響力は失墜していった。
その後,角栄,リクルート事件等と記述は進み,90年代くらいからは著者自身政局に深く関係するようになっていく。なんだか,首相にひょいと会いに行ったり,側近から相談をうけたり,一介の民間人のはずなのになんだこれは…と言う感じ。やはり第四の権力なんだろうか。
国家への不信,反体制が原点にあったふうな書き出しの本書だったが,いつの間にやら,テレビジャーナリズムの政治に対する大きな影響力という全能感あふれる文章になっていったのはなんだか不思議な感覚。
最後,あとがきで現在のジャーナリズムに苦言を呈す。コンプライアンスという観念が普及してきて,批判を避ける事なかれ主義の番組作りに陥っている。これでは,ジャーナリズムの存在理由がなくなる。特に原発問題については,事実の追及がないがしろにされている。
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朝ナマで有名な田原総一朗氏の著書。
若干、自分が時の政権を崩壊させたという話は、自慢に感じた部分はありますが、ある意味、事実ではあるのかもしれないと思いました。
ジャーナリズムの役割って何だろうか?と考える人には、是非、読んで欲しい一冊です。
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著者の過去の書にそれほど目を通していない身としては、過去のジャーナリズム変遷、最近の政治の変遷について、とても勉強になりました。
いまのマスコミのことを批判するに際しても、この欧米とは違った日本のジャーナリズムのなりたちを読むと、また納得できて今後の新聞、テレビニュースの読み方も変わろうかというものです。
しかし、「バブルがはじけた時に、政府はカラッポだ、実は何もないのだということに気づいてしまった。だから政府を攻撃するときには、対案を用意しなければいけない、提案も必要」というのはとても痛烈な批評だと思います。
「多くのマスコミがただ政府をサボタージュするばかりだ、企業を叩けばスポンサーから降りられてしまうが、権力はいくら悪口を言っても問題ない・・・」
という主張もまさに今の状況を表しています。
国民もそれに相当飽き飽きしているわけですから。
国民は不勉強である、とは言うかわりに、マスコミは不勉強だというのを最後に締めくくっています。
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題名と内容が合っていないと思う。 リンクしているとしたらあとがき位…?
ただその時代の雰囲気とか、政治や首相の裏話とか、その時代に生きていて本人に会ったことでしかわからない挿話は興味深かった。
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田原さん、途中で本筋を忘れてしまったんじゃないかな、と思ってしまった。自身の功績を記している伝記的な内容でジャーナリズムの落とし穴じゃないよね。
でも、新聞の成り立ちや、GHQとのせめぎ合いから日本のマスコミは弱ってしまった事はよく分かった。
好きなジャーナリストなだけに加齢による衰えが心配です。
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ジャーナリズムの歴史に始まり、田原さんがジャーナリストとしてやってきたことや政治家との関わりなどから、この人の熱意がよく伝わってくる。
でもタイトルから想起される内容と本文が今一つ合致していないことが腑に落ちない。
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13012
ロッキード事件やリクルート事件なんていうのももう「史実」、歴史の中の出来事になってるんだね。
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偉そうなことをいうジャーナリズム,特に新聞とかがいかにデタラメで反省しないものかが再確認できる。
2013/03/26Amazonから購入;04/17朝の通勤電車から読み始め;04/18夕方読了