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●内容紹介
うつ病に苦しむ人が増えています。
うつ病は生活にも大きな障害をきたすため、本人のみならず、家族などの身近な人も悩みます。
うつ病は、がんに次ぐ「社会的損失の要因」とすら言われているのです。
うつ病の研究・治療は、実はまだまだ現在進行形です。
次々に新しい薬が開発され、認知行動療法(心理療法の一種)の有効性もわかってきましたが、
それでもまだ原因が特定されたわけではなく、特効薬も出ていません。
ただ、ひとつだけわかっていることがあります。
それは、うつ病からの回復には“協働”作業がとても有効だということです。
詳しくは本文で解説しますが、キーワードは「バイオ・サイコ・ソーシャル」です。
本書では、精神医療の最先端にいる医師と、心理療法の最先端にいる臨床心理士がタッグを組み、うつ病の正しい“理解”と、協働して治療に取り組む“知恵”を提示しています。
(「はじめに」より)
●目次
1章:うつを「理解」しましょう
…「うつ病」とは何でしょうか?/うつは心身のエネルギーが低下した状態/発症から回復までは長い道のり/「心・体・生活」との関わり…etc.
2章:大切なのは「協働」です
…うつ病かどうかを見極める/周囲の「協力体勢」が大切な理由/専門家と「信頼関係」を築く…etc.
3章:家族・友人・同僚として「できること」をしましょう
…身近な人が環境を作る/「新型うつ」への対処法/いたわりつつも、甘やかさない/自殺を未然に防ぐ…etc.
4章「希望」を捨ててはいけません
…うつ病は「完治」するのでしょうか?/回復期の落とし穴/社会復帰をする前に/「再発」への心備えをしておく…etc.
●監修者について
<下山晴彦>
教育学博士。東京大学大学院教育学研究科教授。1957年生まれ。
東京大学教育学部心理学科卒業。臨床心理学を専門とし、東京大学学生相談所臨床心理士、東京工業大学保健管理センター臨床心理士を歴任。
現在は大学で教鞭をとる傍ら、初台関谷神経科クリニックにて臨床心理士をつとめる。
<中嶋義文>
医学博士。三井記念病院精神科部長、東京大学大学院教育学研究科客員教授。1961年生まれ。
東京大学医学部医学科卒業。東京大学医学部付属病院、スウェーデン・カロリンスカ医科大学病院精神科を経て、三井記念病院勤務。
現在は精神科臨床のかたわら、東京大学と上智大学で教鞭をとり、官庁・企業の産業医として多くのうつ病を持つ職員の支援を行っている。