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紙の本

生態圏の「外部」から「内部」への転換

2011/11/17 21:56

7人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ゆうどう - この投稿者のレビュー一覧を見る

 東日本大震災による、東京電力福島第一原子力発電所の事故をきっかけとして日本は大転換しなければならないという主張が展開される。

 その際に核となるのが、エネルゴロジーである。エネルギーの存在論である。今後、〔地球科学と生態学と経済学と産業工学と社会学と哲学とをひとつに結合した、新しい知の形態〕を創っていかなければならないと著者は説く。

 ポイントは、原子力のような生態圏の「外部」のエネルギーを使うのではなく、生態圏内の物質と技術でエネルギーを作らなければならない、ということ。つまり、太陽の内部で行われているような核反応というエネルギーの生成(生態圏外部の現象)を模倣するのではなく、地表からせいぜい数キロメートルに過ぎない生態圏の内部で生成可能なエネルギーのみを用いるべきだ、というのだ。それが太陽光の利用であり、太陽光からエネルギーを取り出す光合成の模倣である。また、太陽エネルギーを媒介として発生する風力発電であり、波力発電である。「第八次エネルギー革命」である。

 文明学者アンドレ・ヴァラニャック(Andre Varagnac、1894-1983)は、人類の経験したエネルギー革命の歴史を7段階に分類しているという(『エネルギーの征服』)(本書p26)。

 第一次革命……火の獲得と利用。

 第二次革命……農業と牧畜が発達し、農業は余剰生産物を生み出し、交換経済が発達。

 第三次革命……金属が作られるようになる。冶金のための火を工業的に利用するため、家畜や風や水力がエネルギー源として使われる。

 第四次革命……火薬の発明。化学反応の速度を高めて、燃える火から爆発する火への移行。

 第五次革命……石炭の利用、蒸気機関を動かす技術の確立。産業革命が起こる。

 第六次革命……電気と石油の利用。

 第七次革命……原子力とコンピュータの開発。

 そして、原子力という生態圏外部のエネルギーではなく、地表すなわち生態圏にそそぎこむ太陽エネルギーを変換・媒介させることによって生み出されるエネルギーの創出が、「第八次エネルギー革命」である。それが私たちの使命であり、日本が率先して取り組む課題である。

 原子力発電には、核廃棄物の問題もある。現在の技術で処理できない廃棄物を放置することは、危険を将来に先送りして子孫に禍根を残す行為に等しい。地中深くに埋めても、深海に投棄しても、解決したことにはならない。想定外の地殻変動などで容器が壊れ、放射性物質が漏れ出す可能性を完全に否定することはできないのだから。つまり、生態圏の外部の「技術」を使うということは、問題が起きたときに生態圏内では処理しきれない可能性があるということだ。それがまさに福島原発の事故だったわけである。

 あれは設計ミスによる人災だったという説もあるが、そもそも惑星衝突も含め、自然現象、森羅万象すべてを人間の「想定内」に収めることは不可能であろう。たとえファイブナイン(99.999%)の安全性を実現したとしても、残り0.001%の事故が起きてしまえばそれまでだ。そもそも確率で安全性を語ること自体、ナンセンスなことだ。まだまだ人類には予測不能なことがあるし、それはどれだけ科学が進歩しても、0%にはならないであろう。

 また、著者は「超生態圏」、「生態圏の外部」の存在の問題を一神教とのアナロジーによっても語っている。つまりそれは西欧・中東で発明された思想に基づいている。一方、日本は、西欧的な文明とは異なり、多神教を保持し、一種の「生態圏文明」という特質を備えている。日本のようなリムランド多神教の世界に生き日本人にこそ、生態圏外部の技術の放棄と、新たな「第八次エネルギー革命」の推進が可能であるという。福島原発の事故の教訓が、まさにそれを強力に推進する原動力となる。

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