投稿元:
レビューを見る
2015年11月30日、水木しげる逝去。だからという感じで、この本を手にして読んでみた。天津の大学で仕事をしていた時に、学生たちにNHk朝ドラマ版の「ゲゲゲの女房」を数話、授業で鑑賞させてみたが、何人かの学生らはそのあと自分で150回分を観て感動したという話を聞いたので、やはり国を越えたところでも共感できるものはあるんだなぁ~と思った。
水木しげる先生、ご冥福をお祈り申し上げます。
投稿元:
レビューを見る
素晴らしい昭和の夫婦の軌跡。不便だけど、モノがなくても幸せな時代。現代はモノで溢れかえってるけど、それなしでは居心地が悪く、生きづらい世界だと感じた。改めて昔の人はすごいなと思うと同時に、うらやましい気持ちになった。これからの人生、苦しいことも悔しいこともたくさんあるだろうけど、前を向いて生き抜く人になりたい。
投稿元:
レビューを見る
私は引っ込み思案で、人前で話なんて考えただけで頭がくらくらしてしまうようなタイプ。自己主張というものをほとんどすることなく、、、
→こういうのをするりと言えるってホントいいな。一方僕は自己主張はほとんどないが、とやかく言われるのもイヤな一番めんどくさいタイプや。
でも、自分で相手を見つけるなんてことは、とてもできません。チャンスがないというのではなく、そういう発想すら、私の中のどこを探してもみつからなかったのです。
→すごくよく分かる。僕も今まで与えられた環境で育ってきたから、つい最近まで自分の望む環境を自分で手に入れようとする発想すらなかった。しかしその発想がなかったらなかったでそれはそれで幸せだった。選択肢の多さは、今の自分とは異なる自分に期待して、ここで頑張るんだという火事場の馬鹿力を奪うし、利便性の向上を体感したが最後、もう元の不便な生活には馬鹿馬鹿しくて戻れない。ある意味辛いな~。
なぜこう昔ながらの伝統は心を打つのか。
水木さんが、いわゆる失敗の選択をしてきたことがよく分かった。武蔵野芸術大に入って中退したり、不動産業で儲けようとして失敗したり、誰だって選択にミスはある。そこから、成功するかしないかで過去の自分を正当化できるかどうかが決まってくるのか。
もう、水木さんを幸せにする流れができてしまっているんですわ。水木さんの幸せは、人の幸せを超越しているんですわ。
→すごい言葉だ。
「生まれてきたから生きている」
→すごい言葉だ。
「すべてを受け入れる」だけの人生でした。
→言い切れるのはすごい。
投稿元:
レビューを見る
「追悼水木しげる ゲゲゲの人生展」を目指す電車の行き帰りで読んだ。
ドラマ未見。映画は鑑賞済み。
単行本は2008年刊行。
展覧会の予習として角川文庫「私はゲゲゲ 神秘家水木しげる伝」(2006-2007)を読んでいたのだが、結構挿話が重複している、というか引き写しの部分も多い。
「ボクの一生はゲゲゲの楽園だ」(2001)を改題した「完全版水木しげる伝」(2004)は未読だが、
思うに、度々刊行される水木しげるの自伝漫画や自伝エッセイや自伝小説を読み込んだライターが、著者に書かせた……あるいは語らせた、という経緯なのではないか。
まあカブっているからダメということではまったくなく、家内手工業的な漫画家事務所としては挿話も切り口も似通ってしまうのは、仕方ない。
ただ奥様による手記が成立しただけでも、意義深いことなのだ。
こうやって水木しげるの筆と身内の筆と信者の筆がダマになって判別しづらくなってもわーっとした伝説となっていくのだろう。
ファンとしてはエピソードの羅列を享受するだけだ。
(脱線するが稲垣足穂の妻志代が「夫稲垣足穂」を足穂の死去6年前に刊行しているというのはすごい。どういう経緯だったんだろうか……)
個人的には、布枝さんの少女時代や戦前のド田舎の生活を、もっと読みたかったかな。
投稿元:
レビューを見る
家族旅行の帰りに境港へ。
その道すがら、中海、島根半島、境港の風景に息をのみました。
布枝さんの文章でつい先日見た風景が蘇ります。
投稿元:
レビューを見る
読了。アマゾンプライムでドラマの配信をしており、夢中で見ている。原作が気になり、文庫を購入して一気に読んだ。ドラマが原作の通りではなかったが、、面白い本であった。読みやすかった。また楽しみにドラマを見ようと思う。
投稿元:
レビューを見る
優しい語り口で展開される。
ドラマと内容としては同じ。
なんとかなる、とか、平凡な中への幸せ、を痛感される。
生活は楽ではなく、苦労も多かったと思われるが、そうは感じさせないところが、筆者の強いところなのだろう。
終わり良ければ全てよし。
気持ちの持ちようだと言うこと。
最後の水木先生の幸せの基準は自分で決めるものだ。という考え方に改めて考えさせられる。
そうなんだよね。考え方で簡単に幸せを感じられるのだ。
投稿元:
レビューを見る
僕にとって水木しげるは、手塚治虫、石ノ森章太郎、藤子不二雄と並ぶ漫画界の巨匠。
子供の頃からのファンで、むさぼるように読んでいた。
もちろん、『ゲゲゲ』ではなく、『墓場の鬼太郎』時代からなので、相当に長いつきあいである。
中学時代はちょっとませたガキだったんで、月間漫画雑誌『ガロ』を読み、水木しげる、つげ義春の作品が贔屓だった。
さて、この本の著者は水木しげるの奥様である武良布枝さん。水木との結婚から晩年までを、さらりとたんたんとした筆致で綴っている。
貧乏時代の話も壮絶だが、明るく笑顔を忘れずに乗り越えていくその姿が、日本女性の芯の強さと相まって感心する。夫を立てる謙虚さと、たくさんのやさしさが文章に溢れている。
一気読み、かつ読後感も爽やかだった。
この本を読んでから、ドラマも観たくなってしまい、YouTubeにアップされている動画を探してみたら総集編があった。
何と、3時間ぶっ通しで鑑賞(笑)。
松下奈緒の演技がイメージ通りで良かったと思う。
『マッサン』以来、連ドラマニアになって、このところは『あさが来た』の録画を毎日楽しみにしているくらいだが、『ゲゲゲの女房』を見逃したのは今さらながらに後悔している。
総集編を観た限りでは、原作に忠実だったのも好感が持てた。
投稿元:
レビューを見る
NHKドラマと内容的には全く同じです。一歩引いて付いてくるタイプである布枝さんらしい控えめで品のある文章で、さらっと読む事が出来ました。最近は女性の社会進出が進んでいますが、こういった生き方も悪くないなと思わせる良作です♪
投稿元:
レビューを見る
水木しげるの奥さんの自伝的エッセイ。
同名の朝ドラの原案。この朝ドラは観てないです。
人生はかなり苦労したけど、終わりよければすべてよし。
投稿元:
レビューを見る
水木先生はもちろん、ずっと支え続けた布枝さんも本当にすごい。売れっ子漫画家になってからの布枝さんの苦悩を初めて知りました。
投稿元:
レビューを見る
水木しげるさんの奥様の自伝だが、やっぱり偉大な人の奥様はやっぱり偉大な人だなぁと思う。夫をちゃんと理解して尊敬してついていく。なかなかできないこと。境港にぜひ一度行ってみたい。
投稿元:
レビューを見る
水木しげるの妻である作者の人生を辿るエッセイ。
クセのない、サラッとした読みやすい文体が魅力。
するする読めたので2日間で読了。
鬼才・水木を支えた妻の生き方は
曲がらず、ひしゃげず、いつもまっすぐ。
悲しいこともいつまでもは続かないと
前を向く作者の心のありようが
水木に似ていると思う。
水木の他のエッセイを読んでいるからか、
性格は正反対だけれど、
心の方角は同じ向きを向く夫婦だから
いろんなことがあってもバラバラにならず
うまく行くのだと思った。
お見合いであっという間に結婚を決めた
2人だけれど、こんなにも合う人を見つけることの
できた2人の審美眼が素晴らしいと思った。
そして、水木のおおらかな自由さを
影でずっと支えていた
作者の寄り添いはすごい。
途中、夫婦間で言い合いになって
作者が1時間ほど
家を出ていってしまうシーンがあるが、
帰宅後に娘が絶対帰ってくると
信頼を寄せていたところが
作者の家族に対して真摯に向き合ってきた
大きな証拠だと思った。
投稿元:
レビューを見る
前向きで明るいご夫婦で楽しい!
水木氏の一生懸命な姿を尊敬し、正直者っていい、頑張るだけの人生を見直せるだけの余裕が生まれた幸せを超越している水木氏の「すべてを受け入れるだけの人生でした」という懐が深い布枝さん、夫の水木氏の目線と作者の妻としての目線が異なり、恨み節が嫌味なく慎ましく表現されていて、素敵!
薬害のことや「負け戦とわかっているのに、そんなもん、やってもムダだから」とバケツリレーの練習に参加しなかったお義母様の戦時中のエピソードなどをさりげなく書かれていることに驚いたが、いい!
終わりよければすべてよし!選んだ道で「どう生きていくか」布枝さんから学べること多し。
挿入されているイラストや写真も楽しめ、心地よく読了。
水木氏が好きだというゲーテを学んで、健康的な精神になって「生きる力」を身につけようっと!