投稿元:
レビューを見る
新薬開発にからんだ20年前の事件に発した連続人斬り事件。平四郎、弓之助らが解決していく。
シリーズ3作目。相変わらず人間の内部の浅ましさや卑しさが表現されているが読み終わりはすとんと落とされて落ち着いて読み終えられる。弓之助やおでこ、今回は淳之助の登場がほほえましくいつも救われる。毎度、人の毒を知らされて自分はどうかと考えさせられる。平四郎のように他人を見れる人間になりたい。
投稿元:
レビューを見る
何時読んでも安心して読める、宮部ワールド
優しさと思いやり、親切心、一途な思い、愛情、恋心・・・
いろいろなものを包み込んで時間は流れていく…
投稿元:
レビューを見る
これだけたくさんの人物を魅力的に書き分けるさすが宮部さん。特に弓乃助の兄、淳三郎がいい味を出していて、弓乃助との兄弟のやりとりがおもしろかった。本筋の事件は恐ろしいものなのだけど殺人犯にも事情があり切ないと思うのは仕方がないもんなんで。男と女、人と人の繋がりというのは哀しいもんなんで。と、すっかり丸助の口癖が移ってしまった。
投稿元:
レビューを見る
上下合わせて1,000ページを超える巻を措いて、しばし呆然とする。
著者が稀代のストーリー・テラーたることは、改めて言わずもがなであるが、ひとの心の機微をこれ程細やかに描写するとは恐れ入った。
おかげで、読了するのに二週間程かかってしまった。
これは、嬉しい悲鳴というべきか。。。
投稿元:
レビューを見る
「何気ない日常の中での人情の機微」「ユーモラスな表現」が宮部みゆきの魅力だが、論語や仏教用語などをさりげなく引用するので語彙を増やすのにも役立ちそう。
投稿元:
レビューを見る
さずがだ、落としどころが、泣かせる!!
良かった、なんか、ホッとした、
誰もが幸せには程遠いけど、情がある。
読んで良かった。
ありがとう!!
投稿元:
レビューを見る
広げてしまった風呂敷を畳むのが大変~弓之助がおとく屋の2階で謎を明かす場に呼ばれなかった関係者は,新兵衛の娘の史乃。継母の佐多枝に前夫の死の真相と新兵衛が秘密を明かした場に見習い医師がいた可能性を聞く。見習い医師は松川哲秀,剣術の心得を持ち美貌の持ち主だが万事目立たず,史乃を可愛がっていた。史乃に心を寄せる間島信之輔は瓶屋を訪ねて,自分はそのような疑惑はないと語ってしまう。小僧と得意先を廻ると出掛けて史乃は姿を消し,罪は大叔父の本宮源右衛門が被って,おとく屋の二階に移って手習い塾を開く。二人の行方は判らず,間島は生薬屋・大黒屋の佐多枝に心を寄せ始めるが佐多枝は村田医師に惹かれていき,村田医師の女中おしんは自殺を図っておとくの総菜屋で暮らし始める。三太郎の実母おきえは空樽屋主人が中風で倒れて離縁が沙汰止みになっただけでなく,娘の養い先から部屋住みの男を迎えて店の実権を握り,三太郎の出生の秘密を明かし,二度と姿は見せないと誓う。八百屋の嫁に懸想して往来で刃物を振り回した仙太郎の解き放ちのため池之端の茶屋を懲らしめるための草として弓太郎の兄・淳三郎が活躍する。手配から一月経って二人の隠れ家が朱引き外の小畑村の医師の隠居と知れ,下手人が小舟で出て行った隙に史乃を抑え,小舟で帰ってくる哲秀を取り押さえる算段をして待ち構える。哲秀は尾行に気が付き,追っ手を振り切って徒歩で帰宅し,老医師に話を聞きに行った弓之助が人質となってしまった。兄・淳三郎のわめき声と信之輔の秘手・犬おどしが窮地を救う~楽しみにしていた下巻だが,サイドストーリーが長々と続いて苛々させられる。前巻で広げすぎたお話を収拾させるために行方の知れなかった手持ちぶさたの時間を宛てているのは現実的だが,早く結末が知りたかった。小説現代に掲載されなかったのが最終章の犬おどしだが,雑誌を読んでいた人も単行本を買わないと完結しない仕組みで,もう一度読み直しておしまいを楽しませようと云う算段かも知れない
投稿元:
レビューを見る
+++
二十年前から続く因縁は、思わぬかたちで今に繋がり、人を誤らせていく。男は男の嘘をつき、女は女の道をゆく。こんがらがった人間関係を、“ぼんくら”同心・井筒平四郎の甥っ子、弓之助は解き明かせるのか。事件の真相が語られた後に四つの短篇で明かされる、さらに深く切ない男女の真実。
+++
謎解きは、切なくやり切れないものだった。盲点ともいうべき人物の存在が浮かび上がり、にわかにそれまでとは違った方向に目が向けられるようになったのである。「おまえさん」は、過去の罪が生んだ哀しい事件を解き明かす物語だが、それに連なる四つの物語は、人の恋心の物語でもあるように思われる。恋ゆえに理不尽な想いに悩み、恋ゆえに恐ろしい目に遭い、恋ゆえに真実を見失う。そして今作では、レギュラー陣の人となりがより生き生きと濃く感じられた。弓之助とおでこ、そして弓之助の兄・淳三郎のこれからもずっと見守っていきたいと思わされる一冊である。
投稿元:
レビューを見る
下巻で新キャラ登場。読み応えたっぷりであきることなく最後まで読み終えた。終わってからあらためて相関図見ると納得。
投稿元:
レビューを見る
弓之助の見立てで明らかになっていく真相。
そしてそれぞれの恋心。
上巻でモヤモヤとした気持ちが、スッキリとおさまりました。
今後の弓之助の、三太郎の活躍に期待します!
投稿元:
レビューを見る
自分軸がなくて儚げでおもわず回りが護ってあげたいという気持ちにさせられてしまう美女、佐多枝さんに多くのところを持って行かれた気がするがこれもまたよし。
淳三郎の今後の活躍が楽しみ。
中身がなく、悪意や計算もなく人の心を惑わしてしまうという意味では私の中の待賢門院璋子や楊貴妃に重なるんだけど、そこまで上つ方でないからか嫌悪感は感じない。
なれないな、とは思うけれど。
投稿元:
レビューを見る
あぁ読み終わっちまった。
あぁもったいない。
にやりとさせられたりほろりと泣かされたりでした。
事件を通して人を描く宮部さんのが人というものを面白がってんじゃないかしら。
淳三郎好きだな。現実に側に居たら惚れちまって面憎い思いをしそうだ。
投稿元:
レビューを見る
「おまえさん(承前)」
弓之助がポワロや金田一のように関係者を集め犯人の名を明かす。犯人を泳がせているうちに逃げられてしまう。
「残り柿」
犯人出奔後の成り行きを岡っ引き政五郎を主人公に据え書かれている。
「転び神」
「残り柿」のその後が十徳長屋の丸助を主人公に書かれている。弓之助の3番目の兄 淳三郎が出てくる。
「磯の鮑」
若い同心間島信之輔を中心に「転び柿」ののちの様子
「犬おどし」
隠れて住んでいた犯人を見つけ、いよいよ主だった人たちで捕えるが…
弓之助は14歳なのに、随分幼い書かれ方がしてあり気になりました。
とにかく長かった。 殆ど変化が無いだけにその長さがかなり苦痛でした。もっと不要な部分を削ぎ落して、折角書かれた作者のものに対する考え方にもっとスポットが当たるようにしたらいいのにと素人ながら思いました。
投稿元:
レビューを見る
丸助さんの周りが少しずつに賑やかになっていくのが、
微笑ましいです。
ミステリー部分はちょっと残念だけど、時代小説としては◎
おきえさんのコトが最初からひたすら嫌いだったけれど、
強い人だったんですね。
投稿元:
レビューを見る
物語の密度も文章量もたっぷりでとても読み応えのある物語でした。満足。
同心・井筒平四郎が主人公のシリーズ第3作目で、前作を知らなくても(忘れていても)読める物語でしたが、前作を未読の方にはややネタばらし要素も含まれていたのでその点は要注意かと思います。
今作の物語は瓶屋の主人・新兵衛が切り殺されたことをきっかけに謎がどんどん深まっていく展開の中、新たに出会った人々や昔の知り人たちなどの本筋の謎とはあまり関係のない物語もまた面白く、中でも新しく登場した源右衛門と淳三郎兄は実に良いキャラクターで今後(があるならば)ますます楽しみなシリーズとなりそうです。
また、今作も実に「人」が丁寧に描かれていて、タイトルの「おまえさん」には最後にぐぐっときました。