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著者のかなり引いた書き方が非常に小気味よかった。Amazonなんかの評価を見ると予想通り分散が大きい印象。おそらく著者自身も想定通りなのでは。その辺のありきたりな数字を持ってきて喋る学者よりかはよっぽど面白い。
自身も書いているように若者資料集としては十分思慮を与えてくれるのではないか。
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草食系とか植物系とか、就職難とかオトナからは色々批判される若者たち。
でも、二〇一〇年の時点で二〇代男子の六五・九%、二〇代女子の七五・二%が現在の生活に「満足」している。
戦後すぐよりも、高度成長期よりも、バブル期よりも、今の日本の若者は幸せだという、「若者」である筆者による若者論。
視点が新鮮で、修士論文がもとになっていてデータの裏打ちも豊富で説得力ある。
唸るほど面白い。
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もはや「青春」という言葉が死語化しているように、「若者」という言葉も機能しなくなっているのだと感じました。せいぜい社会を捉え切れなくなってきた世代が自己肯定する際、彼らにとって他者である世代を言い表す客体として使われるだけであり、今の若者が主格として自らを「若者」と自称することはないと納得。大きな主語としての「若者」が消失したとすると、そこに残るのは「自分」を中心とした小さな世界、リアルな関係、ということになるのでしょう。補章での佐藤健との対談で、過去でも未来でもない「いまここにある日常」に幸せを見出すことを希望としています。「絶望の国の幸福な若者たち」という題名は未来を切り離すことにより成立しているわけですが、「自分」と「自分のまわり」の世界を明るくしていくことは楽しい、という積み重ねが作る未来に期待します。
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若者についてというよりも若者という切り口で日本について書いた本といった感じ。シニカルな口調で中にはん?と思うような言及もあるが、普通とはちょっと違ったなるほどそういう考え方もあるな、とおもわれるものもある。人はその先に希望がなければ今が幸せだと言ってしまう、というのはちょっと寂しい。
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面白かった。上の世代の考える「今の若者は可哀想」論をバッサバッサと斬っていくのが痛快だった。あと今でいうリア充だとか、昔の現象にわざと今っぽい言い方を当てはめて説明したりするとこが言葉の使い方にセンスを感じた。読みやすくてあっという間に読めた。
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幕末に生まれて日本を変えるより、千葉でバーベキューすることに幸せを感じるのが今の若者だと筆者は言う。
海外旅行も行かない、車も持たない、お酒も飲まない。でも20代男子の65.9%が、女子の75.2%が現在の生活に満足しているという。
継続的に自分をUPDATEしていく勝間和代的考え方と、身の丈にあった幸せを追求する高山リカ的考え方が全く相容れないのと同じく、学生時代の多くの同級生達が、尊敬する人物に「坂本竜馬」を挙げる時代に生まれた僕にはあまり理解できない。だったらあのホリエモンフィーバーはなんだったのだろうか。みんなあんな生き方してみたいと少しでも思ったんじゃないのか?
どうせやるなら板垣退助風に前のめりに倒れたいじゃないか。でも現実は倒れる前にやめてしまうけどね。
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売れる本の共通点であるようにも思えることではあるが、わかりやすい文章で書かれており読みやすい。
多くの「若者論」が存在するのだろうがここまで実際の若者のリアリティを持って書かれた「若者論」はないのではないのだろうか?
現代の若者の幸福度は高いと言う。
これだけ世代間格差や社会保障や雇用の問題があるのに何故か?
人は今日より明日がよくなると認識している時、来るべき幸福な未来と比較し、今を不幸と感じるらしい。
その逆の帰結もありえるわけで。
ということから端をなして書かれている。
よく聞く「最近の若い者は…」的な若者批判に対し著者はオジサマ達の自分探しに過ぎないと述べる。
全く持ってそうだと思う。
自分達とは違う価値観である他者(若者)を批判することにより自分達の生き方やアイデンティティを相対的に高いものと位置付ける。
しかし、特定の個人を批判することはできず、若者という括りで批判する。
どっちかが正しいという問題ではないし、他者を批判したり下に位置付けなければ成立しないようなアイデンティティにどれ程の価値が?
問題は自分がそうはならないようにするにはどうしたらよいのかなのかもしれないのだが。
戻るべき「あの頃」もないし、目の前には問題は山積みだし、未来に「希望」なんてない。
だけど、現状にそこまで不満があるわけじゃない。
なんとなく幸せで、なんとなく不安。そんな時代を生きていく。
絶望の国の、幸福な「若者」として。
(本文より)
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1985年生まれの若者が「若者」を分析する。 著者自身が語っているように少々くどいが「面白い」。 今の20代の若者の70%が今自分は幸せだと思っているらしい。 すごいことだ。 だが、著者はそれを「明日に希望が持てない」状態だから今を受け入れそれを「幸せな」状態と認識すると分析する。 以前は「今はつらいけどきっと良い未来がある」という希望があるから「今は不幸だ」という若者が多かったと。
キーワード
①コンサマトリー
今、ここの身近な幸せを大事にする感性
②仲間
仲間がいれば無敵だ
・斎藤祐樹
今日何を持っているか確信しました。 それは仲間です。
・One Piece 「仲間のために」
仲間って何? 小さな社会~「村」 でもムラムラする・・・。
③とにかく何かしたかった
本当か? 誰のために? 自分のため?
③ナショナリズムのイベント化
ワールドカップにおける日本というのは一瞬で消費される商品と
変わらない
◆なんとなく幸せでなんとなく不安。 そんな時代を僕たちは
生きていく。
若者へどんな言葉をかけてやればよいのだろう。 がんばれ!か、
一緒に頑張ろう!か。 それとも。
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若者の僕達が読むべき箇所は、前半の若者論の変遷についてくらいで、後半の'日本ブーム'などの事例は現代の若者世代の人なら読まなくてもすでに感覚的に理解してるんじゃないかと思う。後半はダレているように感じた。ただ、前半は圧巻だし勉強になった。
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何かのヒントを得たくて読んだけど、確かなものは何も得られなかったような…。佐藤健くんが少し好きになりました。
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1985年生まれの著者。
まず、いい感じでゆるい。
同じ年代だから勝手に親近感も持って読めるし。
世代間格差、モノを買わない、海外旅行・留学をしない、内向きで・・・・可哀想な若者たち。でも実は、幸せ。
その幸せの理由を、若者って何?ってとこから様々な資料や書籍を引用し、若者=日本人であり、最近の日本人の傾向や、幸せについて書かれてる。
うん、実感と内容が一致した。
おじさん達に読んでほしい。
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現代の一「若者」として共感できる部分が多くあった。
著者自身、若者であるがゆえに書体もフランクで読みやすい。
友達と遊んで飲んで何の変哲もなく、過不足ない生活
「リア充」を再認識。
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とりあえず、パオロ・マッツァリーノ的な、統計の読み方
問題は? 格差社会ではなく、階級社会(=格差固定社会)
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筆者は、東大大学院在学中の26歳!の社会学者。自分より下の世代の作品を読んで、しかも非常に読み応えのある内容に感動。(筆者は、そもそも世代間比較を論ずることを意味がないと断じているが)
最初は、情報化社会で知識を詰め込んだ若者の、シニカルな社会評論なのだと思って読んでいて、確かにその通りの箇所もあるのだが、だんだん読み進めて行くうちに、彼の考察の方向と深度に共感することとなった。
今の若者について、筆者は次のように述べる。
経済状況が悪化すればするほど、人々の幸福度はあがる。それは、twitterやニコニコ動画なども含めた、自分の身の回りとの「つながり=承認」をより大事にするようになり、中国の農民が都市部の人間を「別の世界」と感じるように、格差を受容して幸福のレートが下がるのである。
日本の未来の姿を「年齢や世代に関係なく、一億総若者化時代」という。
そこでは、国家の未来よりも個のあり方の方が重視され、極論すれば、日本が財政破綻しようが侵略戦争を受けようが、「その先の日常をいかに生きるか」なのだという。インドや中国に出稼ぎに行くか、日本にとどまり小さな社会に生き続けるか。
Facebookに登録して旧友の近況を覗き見るにつけ、人生のレートと立ち位置を考える。つながる社会の大きさ。日本という国との距離感。NPBの選手が、やっぱりメジャーを目指すこと。そのあとのこと。イチローは5年後に何をしているのか?
26歳にして、このような論を書く事の出来る学者の存在にとても勇気づけられる思いがした。
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若者というマジックワードについて、解きほぐしてもらっています。
いまのこのへんのひとたち(『若者』で 元気なひとたち。ぐふふ)が言ってることがふわふわとわかります。うわずみ、引き出しにいれといて、結びつけるのがたのしみになるよい『読みもの』でした。こんなの『書き物』じゃねぇ!っていうひとは、ごりごり、パワフルに書いちゃって下さい。