投稿元:
レビューを見る
「科学者」の定義がどういうものか、自分としてはいまひとつわかっていないが、この本に出て来ている方々は、科学者というよりも、「研究者」と言ったほうが適切な気がする。
小学生の時の僕の将来の夢は「科学者になること」だった^^ ので興味津々で読み始めた。
自分の専門分野の本を紹介されている方もいたが(専門分野のことが理解できなかったこともあるが^^;)、それよりも、意外な本を紹介している方のほうが興味深かった。この本は7つの章に別れていて、中でも「夢」と「衝撃」の章に、印象深い本が紹介されていたと思う。
投稿元:
レビューを見る
☆信州大学附属図書館の所蔵はこちらです☆http://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB06836835
投稿元:
レビューを見る
雑誌『科学』の連載「心にのこる一冊」をまとめたものです。心に残る本,道を拓くきっかけになった本,後生に残したい本。分野や影響の受け方はさまざまですが,「本」の魅力とともに,連載を書かれた方々の考えや生き様が伝わってきます。
投稿元:
レビューを見る
ゴツい専門書から読みやすそうなものまであって読んでみたいと思う本がちらほらあった。しかし科学者と一口に言ってもすごい合理的な人から、そうでもない人までいて面白いなあという感じ。
投稿元:
レビューを見る
750
読書と言えば文芸ってイメージだし、あんまり理系の人のおすすめの本って知る機会が無いんだけど、あの凄い面白い科学本の著者はこれが好きなんだとか色々知れた。
西洋音楽は伝統的に、感覚やヒラメキに頼って作曲、 演奏しない。といって理屈だけで何かを捏造する訳で もない。論理と感覚、双方の裏づけのもと「正しい」 音楽作りが求められる。この背景には西洋音楽の発展 とキリスト教の密接な関係がある。かつては教義に照 らして「正しい」音楽が追求されていた。音楽が教会 の影響を離れた一九世紀以降も「正しい」手法の開発 は西洋音楽の主要な課題であり続けた。この点で音楽 と西洋科学、あるいは(教会)建築などに多くの共通性 がある。思いつきの発想で造るのではなく「正しい」 構造を設計実現すること。
大学・大学院と物理を学んだが、専門の課程で音楽 を学び始めたのは中学時代からで、こちらのほうが遥 かに長い。思春期に刷り込まれた音楽の価値観が最も 強く自分を支配している。だがこの専門教育の当初か ら、私は音楽と科学が深く関わる形での教育を受けた。 多くのノーベル賞クラスの創造的な科学者と対話して みて、創り手の立場で考えるとき音楽に立脚する科学 観はむしろオーソドックスなサイエンスへの態度に近 いように、正直を言えば感じている。
MusicとMuseumが語源を一にするように、音 楽と科学はその根が共通しており、今日の先端領域で も両者は有機的関係を形成している。パリ、ポンピド ゥー・センターのフランス国立音響音楽研究所(IR- CAM)の設立に多大な責任を負った作曲家・指揮者ブ ーレーズは大学初年級(リセ)まで数学を学び、一昨年 亡くなったハンガリーの作曲家リゲティは物理学を修 めた。二〇〇七年末に急逝したシュトックハウゼンは 電子工学を学んで、アナログ期の音響学における周波 数解析(ソナグラム化)にヒントを得て、スペクトル (「フォルマント」)そのものを作曲する手法を創始した。
タイトルの「シンメトリー」は文字通り「対称性」 を意味している。本を開くとほとんどのページに彫刻 の写真や花の写真、きれいな図があり、確かに見てい るだけでも楽しめる芸術的な本である。しかし、内容 は完全に数学である。もう少し専門的な用語を使うと 「群」という数学的概念が、芸術・物理・生物・化学 などの対称性を説明する道具であることが解説されて いるのである。
科学者共通の「美意識」のひとつに「対称性」がある
科学者というのは、この世で一番カッコいい人たち だと常々思っている。宇宙の真理、世界の本源を、智 慧の力で解き明かしていくその姿は、まるで平原を疾 走するライオンのように凛として気高いものに思える のである。随分とオーヴァーな物言いだと笑われるか もしれないが、名声世に轟く一流科学者の面々を思い 浮かべるとき、尊敬と畏怖の念はどうにも止めようが ない。科学者として生きるということは、仏教の出家 と同じく、「真理の頂をめざして一筋の道をひたすら に進む勇者の道」なのである。