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下巻はアジア通貨危機から始まり、もっとも著者が力を入れて書いたであろう911同時多発テロからイラク戦争へいたる転換、そして日本にとっても他人事ではないスマトラ沖地震などの自然災害と、それに乗じて新自由主義的な「構造改革」を強行するシカゴ学派との関わりを描いています。
最終章は、新自由主義に対する抵抗勢力の勃興について触れていて、希望を持たせた終わり方になっていますが、本書出版(2007年)後の世界金融危機と東日本大震災を経験した今になってみれば、楽観的すぎるのではないかとも思います。
奇しくも現在(2011年10月)、日本政府は震災の衝撃も冷めやらぬ状態のまま過激な新自由主義的改革であるTPPに加盟する意思を示しています。そういう意味では今もっともタイムリーな本だと言えるかもしれません。
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援助問題を含めて、現代史を改めて知った気がする。まじめに復興に取り組んでいた人々がどれだけの挫折を味わったかという事にも思いが及び、いろいろと考えさせられる本だ。
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上下2冊本の大作。上下でまとめてレビューを書く。
まず、著者であるが、カナダ人でまだ30代の女性で、今や世界的な有名人だ。彼女は、現在アメリカを中心に広がっている格差反対(1%の富裕層が99%の貧困層を抑圧している)運動にも関わり、YOUTUBEではウォール街の公園で演説している姿が流れている。
大作だが、読み始めてみると、豊富な史実に裏打ちされていて、なるほどと頷けることが多く、読み通すことは苦痛ではない。
ミルトン・フリードマンを頂点とするシカゴ学派がいかに人民に災厄をもたらしたかを、これでもか、これでもかと告発する。
自然災害、人的な災害(戦争その他)で時の権力が行き詰まっているときに、シカゴボーイズたちは、新自由主義路線の経済政策、政治政策を押しつけ、それによって、大変な利益を得るものが生まれる一方、人民は大変な災厄に遭遇する。
今回の東日本震災でも、そういう動きは皆無ではない。しかし、住民の闘いでかなり食い止めているようで、それが救いでもある。
20世紀後半からの世界の動きを理解するためには必読の書だろう。
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フリードマンを頭とするシカゴ学派の新自由主義者達の自然災害や戦争から如何に民主主義を踏みにじりグローバル企業や新たな災害復興便乗ビジネスが利益追求の為に何をしてきたか。
時には自ら惨事を作り出してイラク戦争や南米や東欧で一部の人間の為に活動してきたか、全く住民や地域社会を無視しての利益追求型復興、IMFや世界銀行がその片棒を担ぎ弱者を苦しめる為に何をしてきたか。
3.11以降この国でも震災を機に漁業や農業の集団化や原発事故を起した東電の完全民営化などがTPPとセットにして復興の名目で行われ様としていますが、それに因って何が起こるかを知らせてくれます。
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911後のイラク戦争への流れと占領復興の過程が惨事便乗型資本主義のあらわれとして克明に書かれている。
その民営化された戦争及び復興の過程でイラクの文明発祥の地としての2000年にわたる文化、歴史が破壊され、一方的な富の強奪が起こったこと。
その反発としてテロが激化したこと。特にテロの激化はテロの発生が宗教的なことに要因があるというものではなく経済的要因がはるかに大きいということこの本はを示している。
他にも、スマトラ沖地震後の津波を利用したスリランカやモルディブの事例やカトリーナが直撃した後のニューオリンズなど
上巻に続いて下巻も豊富な事例と資料に基づく詳細な内容となっている。
イスラエルとイスラエル企業の成長のところが惨事便乗型資本主義と関連して、パレスチナ問題への理解が深まる内容で地味に良かった。
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フリードマンらシカゴ学派が提唱して来た新自由主義が、どれだけの罪を犯して来たかが克明に書かれている。
資本主義なんか消えてなくなってしまえ。資本家共の一切の権利を剥奪せよ!そう言いたくなる。
まあ、奴等も最期の悪あがきに入っているようだが、まだまだ油断ならない。
今後も注目しよう。
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フリードマンが提唱した過激な市場原理主義(新自由主義)は徹底した民営化と規制撤廃、自由貿易、医療などの社会支出の削減を柱とする。
こうした経済政策は大企業や多国籍企業、投資家の利害と密接に結びつくもので、貧富の格差拡大やテロ攻撃を含む社会的緊張の増大につながる。
チリのクーデターをはじめとする70年代のラテンアメリカ、イギリスのサッチャー政権、ポーランドの連帯、中国の天安門事件、アパルトヘルト後の南アフリカ、ソ連崩壊、アジア経済危機、イラク戦争、スマトラ沖津波、ハリケーンカトリーナ、イスラエル 等での
ケースで検証されている。
まさに惨事につけこんだ、ショック療法。
久しぶりに衝撃を受けました。
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惨事が起こったとき、どさくさまぎれて企業が進出する。
惨事便乗型資本主義のより最近の例が細かく挙げられている。
アジアの通貨危機、スリランカの津波
他に、
公共事業部門を請負企業へ発注する(民営化を行う)。
外国人が資産を100%保有できるようにするとか。
幾島氏(訳者)の説明によると【危機を利用して急進的な自由市場改革を推進する行為「惨事便乗型資本主義(ディザスター キャピタリズム)】
2011年以後、日本の状態はどうだろうか?
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ソ連が消えて資本主義は社会主義に勝った。しかしこのところの経済危機が示している実態は行き過ぎた資本主義のためではないか。そこにはバランスを欠くイデオロギーへの疑念が湧いてくる。イラク戦争を経てショック・ドクトリンは衝撃の最大値・行き着くところまで来た感がある。ネオコン・新自由主義が本当の自由主義・民主主義を導かないことは広く人々の知るところとなった。この流れに逆らうような衝撃を生み出さないように資本主義を律しなければいけない。
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アメリカのショックドクトリンも、イラク戦争後は、衰えているのではないか。新たな惨事を引き起こすのか。世界のパワーバランスが中国を中心に大きく変化する中で、どんな事が起こるのかに、本書を読んでから一層関心が深まった。
グリーンゾーンについて、深堀すべきと思料。
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ノーベル賞をとったミルトン・フリードマンがどうして批判されているのか各国の事情を詳しく例にあげて説明しているので大変良くわかった。
3.11がショックドクトリンにならないように、この本を参考にしていきたい。でも自民党が政権を奪回し増税などと言い出すと、ちょっとやばくありませんか?と思ってしまうな〜。
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ショックを受けた人々の自助努力が終章「ショックからの覚醒」で語られる。
クラインの造語「Disaster Capitalism」を「災害資本主義」ではなく「惨事便乗型資本主義」と訳したのは名訳だと思う
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ドナルド・ユーイン・キャメロンとミルトン・フリードマンに共通するのは「漂白」という概念だろう。人間も経済も真っ白にできるというのだ。そのためには洗濯機でグルグル回す必要があるわけだが。
http://sessendo.blogspot.jp/2014/02/blog-post_9.html
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上巻に続き、ロシア、アジア経済危機、米国内、イラク、アジアの津波、ハリケーン カトリーナ、イスラエル、
テロとの戦い 惨事便乗型資本家 戦争、疫病、自然災害、資源不足 確実に利益増をもたらす。
NATOのユーゴ空爆の理由は、コソボで窮状に陥ったアルバニア人を救うためでなく、ユーゴが政治的、経済的改革の流れに抵抗したため、
イラクに自由に米軍基地を展開、アメリカ多国籍企業に全面的に開放
戦争民営化モデル、破壊事業と復興事業の併設、ロッキード社 医療市場
イスラエル経済の飛躍的成長、テロとの戦い ビジネス セキュリティビジネス、
イスラエルパレスチナ問題、1990年代100万人、ユダヤ人人口の18パーセント以上、ロシアからの大量移民、高いフェンス、パレスチナ人労働力が不要、
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上巻に引き続き、新自由主義のもたらす害悪を糾弾しています。新自由主義の特徴の1つである「貿易障壁の撤廃」に対して、TPP離脱を決めたトランプの「アメリカファース卜」や、EU離脱を決めたイギリスは新自由主義への反動とも読み取れるのかもしれません。この本を読むとモノゴ卜を複眼的に見ることができるようになる(かもしれません)。
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