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デザイン事務所を経営する川方準一のもとに、方野葉小学校同窓会の通知が届いた。廃校になった方野葉小学校は、方野葉団地の敷地内にあった。
そこ会場で、準一は幹事の押田明人に声をかけられる。
親しげに話しかける彼のことを、しかし準一は何も思い出せない。他のクラスメイトのことは覚えているのに・・・。
幼なじみで精神科医の藤間未香によると、方野葉団地の女子中学生が、やはり記憶のねじれを実感しているという。
準一は記憶の改ざんが悪意ではなく、善意によって行われることもあることを知る。
他者を傷つけるより他者の痛みを気遣おうとする人々を描いた、団地の記憶の物語。
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ミステリーのようにスタートし、途中からファンタジーに変化し、最後はSFみたいになる。初に提示された謎が、とんでもない理由に落ち込んで行くのでミステリーを期待した人からは、結構きつい評価をされてますね。私は元々SF好きですから、拒否感は感じませんでした。もっとも最後のシーン、主人公二人を間一髪で友人が救う所は、ちょっとB級SF映画っぽくて頂けませんが。
登場する人物、特に女性陣が魅力的です。主人公の幼馴染の精神科の女医さん、事故で母親を亡くした女子中学生、ステレオタイプと言えなくもないのですが、なんだか素直で前向きで可愛らしい。
好みがあるのでお勧めしませんが、私は好きでした。
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東京バンドワゴンが流行りすぎていて、なんか、食指が伸びなかったのは、ただの偏見。
なんとなくおもしろそう?で買ったら、内容がSFチックで、お、びっくり。
そして、団地という舞台と、文章のうまさからか、ものすごい絵が浮かぶ。主人公とヒロインが37.35という素敵な年代ということも相まって、どんどん引き込まれて、セブからの飛行機で、2時間ほどで読了。
ところどころ泣く。
ミステリーに引き込まれ、謎解きとサスペンス感の危険にドキドキし、優しさに涙して、登場人物たちの真っ当さや強さに惹かれる。
あっという間に読み終わった!素敵なエンタメ。
絵がすごい浮かんだので、ぜひ映像化を!!
とはいえ、陳腐になりそうな感じもするから、ぜひ、エンタメです!って全面に出しての映像化を!
2016.12.25
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記憶とは、その人の人生そのものではないだろうか。
まったく覚えていない友の存在。
子供の頃のこととはいえ、友に関するすべての記憶が消えてしまうことなどあるだろうか。
そんな疑問が準一の不安をかきたてる。
優しさとは何だろうと、この物語を読んであらためて思った。
たぶん同窓会さえなければ、友と再会することさえなければ、準一にとってはそれまでの日常が続いていくだけだっただろう。
準一の心は守られ、その代わりに失ったものもある。
失ったことすら知らないまま準一は生きていっただろうに。
それでも話しかけずにはいられなかったアッキの変わらぬ思い。
何が一番良い方法だったのかはわからない。
それでも、どこかに釈然としないものが残ってしまう・・・。
そんな物語だ。
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2018/5/9
苦手なタイプのやつ。
それでも読ませるのが小路さんなのでは。
しかし苦手なタイプのやつって何だろう。
日常との距離かな?
お化け妖怪大好物なのに?
おかしなことが起こってその理由を求めるのは苦手?
おかしなことと一緒に愉快に過ごすのは大好物?
今のところそんな気がする。わからんけど。
主人公の二人よりお友達の高崎さんがいい感じ。
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不気味な表紙だと思いながら 手に取った1冊
出だしはちょっと読み難い
ああ こんな感じで進んでいくんだ。
小路幸也さんらしからぬSFミステリーかな?
読み終わって思うことは 面白いTVドラマだなぁ
失礼しました。
小路幸也さん
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あの月に、行ってみたいと思う。
まるで、自分の半身がそこにあるみたいに。
遠く離れた故郷への思いのように。
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団地に住んでいた過去を巡るノスタルジックな群像劇かと思いきや、不思議な展開を見せる。[more]
大切に思う気持ち、愛おしいと思う気持ち、懐かしいと思う気持ち...。それらはステキだけど、描ききれていないのではないか。SF としてもファンタジーとしても煮え切らない感じ。