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原発についての膨大な言説が渦巻くなか、さて、文学だとこんな風にも語れる。評価が難しいが、読んで良かった。ところで、AV撮影というモチーフが下品な言葉で綴られるが、不謹慎かというと、そうでもない。このくらいの作品を受け止める器量は、日本にはあるのだ……と信じたい。
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震災支援チャリティAVの制作現場をストーリーの軸に据え、虚実世界を飛躍する下ネタの羅列は刺激的であるというより痛々しい。
おふざけなエロ話に風刺を挟み込むスタイルは、とても「昭和」な感じがして、なんとなく懐かしい気分になりました。
合間に挿入される「震災文学論」は興味深いんだけど、せっかくのスピード感を落としてしまってるような。
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大きな字でスカスカと、そして感嘆符!や♪をこれでもかと連発すると、ここまでオゲレツになれるものなんだ。
なるほどね。
ブンガクって何なのか、よくわからないけど、これはブンガクじゃないような気がするよ。
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AV製作にその場を借りながらのメッセージ。挿入されている『震災文学論』は、懐かしい香りがして面白かった。そして、バックに流れる音楽は古びず新しく響いた。でも、ちょっと下品かな?
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ラストまで通勤車中で読むこと、活字のでかさと内容が合間って、しばしば躊躇した(^^)わかる人にはわかるだろうと、黄色い表紙を目立たせて読んでは見たものの。
私的には、Twitterよりも長い高橋源一郎の文体に、久々に触れられて、楽しかった。勢いに任せて、一気に読めるが、もう一度、丁寧に読む必要があるなと。見落としたものがたくさんあるだろうから。
山田詠美のと前後して読んだのは、なとも素晴らしい巡り合わせ。いろんな意味で対局にあり、考えさせられた。そして、どちらも私には必要だとあらためて思った。
高橋源一郎の言葉への想い、文学への執着と憂い、原発社会への批判‥‥てんこ盛りの題材をどこまで感じ取れただろう。もう一度読まなきゃな。
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あんまりだと言わないでほしい。名前なんか気にしてはいけない。名前なんか、ついてりゃいいんだ。
彼女の中に育んだ、彼女固有の感覚、彼女が絶えず行ってきた自身との対話、それから、彼女の日常生活の一こま一こまからやって来たものだ、とわたしは感じる。ソンタグの論理には、彼女の肉体が刻印されている。
それから~死者44人の~歌舞伎町ビル火災~♪
ああ~あれね~セクシーパブ・・・の店名~なんだっけ~♪
スーパールーズ~♪
スーパールーズ~♪
スーパールーズ~♪
スーパールーズ~♪(三人でハモる)
社長~だから~どうして~その時は~チャリティーAV〜作らなかったの~♪
うーん~死んだ人数が少ないから~かな~♪
じゃあ~ハイチの大地震は~死者はざっと20万~そっちのチャリティーAVは~♪
うーん~作らなかったなあ~♪
それは~なんでですかあ~♪
外国だからじゃないかなあ~♪
でも~社長おお~同時多発テロも外国でしょ~アメリカなら作って~ハイチは作らない~なんて~その基準はなんですかあ~♪
うーん~特にないかも~♪
そんなんでいいんですかあ~♪
だから~"なんとなく"~っていってんじゃん~♪
なんとなく~♪
なんとなく~♪
なんとなく~♪
なんとなく~♪(三人でハモる)
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原発事故を題材にフィクションをつくるってのは、「負け戦」にきまってるのであって、それをあえてやった本作に『不謹慎だって言葉をかけるってのは最高のほめ言葉』だって、わかっていってるんだろうけど、全編ミュージカル仕立てのAVっていう、ああ、そんなのもの誰もつくってないよね、だってチ○コが勃たないもの、youtubeとかで音楽検索して聞きながらみるといっそう馬鹿馬鹿しいだろうけど、そこまでやるのもなんか馬鹿馬鹿しいからやってないし、なんらかのメタファーを感じさせる要素は微塵もないから、まあちょっと「天皇」なんて言葉がでてきて、ドキっとする以外は、ただただ、馬鹿馬鹿しく、この饗宴に参加していればいいわけだけど、「震災文学論」ってのが、巻末付録ではなく中程に堂々と挿入(きゃっ!)されていて、AVの「モザイク」になっている、ってのは誰がいってたんだっけ?うまい表現で、結局、AVもモザイクが一番おもしろいところで、故立川談志はテレビがあまりにもつまらないから、加入してないWOWOWの「モザイク」ばかりみてたってエピソードを思い出したけど、たぶん、天国(あるいは地獄)ではこの地上をみてるのかな、それとも、相変わらずモザイクばっかりみてるのかな?「馬鹿馬鹿しい」って。
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80点。震災チャリティーAV『恋する原発』を作ろうとする男たちの狂騒劇に震災文学論が織り込まれた不謹慎かつ挑発的な小説。
9・11の後『メイキングオブ同時多発エロ』という小説を書いていたのが原型らしい。原発増設、天皇制、靖国まで、設定をAVにすることで戦後日本が抱える諸問題を小説に盛り込んでいる。
『タブー』や『見えないもの』をあぶり出す、というのは高橋源一郎の小説に共通したテーマかもしれない。日常生活の中で代表的なのは性器、死躰だし、震災後の「正しさへの同調圧力」にあらがうような意見もそうかもしれない。
我々が見ている現実とは何か。見えてないもの見ようとしないものは何か。見えていると思うのは飼いならされた現実でしかないのでは、と鋭い意見をつきつける。
文学は衰退したというけど、未来の死者にどう責任をとる、どう行動する、といった命題に文学や文学的な想像力は依然として必要不可欠だと思いたい。
途中に挟まれる『震災文学論』は内容は素晴らしいがやや蛇足かな。
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震災チャリティーAVを作るという馬鹿馬鹿しい内容の中に、タブー視されてきたさまざまなことへの主張が織り交ぜてある問題作。すげぇ。震災後の「不謹慎」という言葉狩りへの世の中の空気をも風刺しているように感じた。途中挟まれていた震災文学論。川上氏「神様2011」とナウシカ、読みたい。
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なんだかんだで読むのにめちゃめちゃ時間がかかった。良くも悪くも源一郎さんにしか書けない作品だと思います。
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アリかナシかと聞かれたら…
ナシ。だなぁやっぱり。
形式というか順番というかそういう問題じゃないというか。
苦海浄土持ってきたあたりは感涙。
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AV監督が主人公のどたばた小説。読み込めば何か見つかるのかもしれない。そうする気にはなれなかった。頭の(回転のひねくれた)いい人は楽しめるかも。
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ミュージカル小説。
コンテンツではなく扱われ方が面白いんだと思う。
こんなにつまらないのに潰そうとした社会の過剰反応とか。
知人が玉音放送に例えていたけど、そんな感じ。
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出版時、話題になっていたのが気になりながら、ちょっと避けてました。
読んで良かった。
震災当時、「復興」「チャリティ」などという言葉を冠に頂いた事業、商品がたくさん、数え切れないほど、今までのはいったい何だったんだ、言葉一つ付属されるだけで、中身がそんなに崇高なものに変わるのか、と疑問に感じたほどたくさん出現したよな・・・ということを思い出しました。
放送禁止用語だらけのチャリティAV撮影のメイキングに挟まれた、「震災文学論」。
正しくて美しい言葉ではなく、今のリアル(とされている世界)で切り捨てられてしまう言葉たちが詰まっています。
「不謹慎」って、何よ?「自粛」って何よ?何に対しての謹慎で、何に対しての自粛なのか。その対象や、そこに向かう意味も知らずに謹慎や自粛だけをする方が、罪深いのかもしれないな。なんてことを考えました。
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原発をテーマにしたAV監督の苦悩?
重い事件をAV監督の苦悩に落とし込んでいてコメディーになっているけどテーマはしっかりしていて、監督を取り巻く状況がセカイのそれと同じであって、たださわいでいる。
震災文学論にはまだ読んでいない作品がたくさんあってどれも面白そう。