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大震災直後の原発事故でシーベルトやらベクレルやら放射能の単位について色々と調べるうちに行き着いたのが、YouTubeでヒトラー映画(「ヒトラー~最期の12日間~」と言うらしい)をパロディにして「総統閣下」が放射能について語るお笑い解説だった。残念乍らその画像は著作権に抵触するとの事で削除されてしまったようだが、今ここに書籍版としてパワーアップして再登場だ。
科学に関しては判りやすいが何よりだが、それ以上に「面白い」が重要だと気付いた、と語る著者が生み出したのがYouTubeでの「総統閣下」シリーズだが、本書ではそのキャラを利用した会話形式で改めて放射能を始めとして世に溢れる様々な数字・データについての見方を提示している。
放射線量についてはこんな具合だ。
「いいか、ここに白い皿、紫の皿、赤い皿、金の皿の寿司がある。それぞれ100円、200円、300円、500円だ。では白5、紫3、赤1、金1なら幾らになる?」
「合計10皿で1900円です!」
「皿の枚数を数えるのがベクレルで、シーベルトは財布に与えるダメージだ。すなわち同じような頻度で放射線を発生しても核種によって人体に与えるダメージは違うものなのだ。」
なんて判りやすく説得力のある説明なんだろう。YouTubeで当時見ていたよりはガンダムとかで判りにくかったけど、今回のは格段に表現がこなれているじゃないか。てな具合でサクサク読めること請け合います。
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総統閣下のおかげでベクレルとシーベルトの関係がやっと理解できました!
総統閣下万歳!
…という訳で。
難しい問題を難しく説明するのは誰でも出来る。
難しく問題を易しく説明するのは才能が必要。
普通はこの二つにひとつです。
しかし、本書のように難しい問題を面白おかしく説明して理解させるのはほとんどのひとがやろうとしない。
笑わせると解らせるは性質が異なる作業なのだから、相当のセンスが必要と思われます。敬遠されるのも無理ないですね。
総統閣下じゃなくて元木氏は類い稀なる才能の持ち主なのは間違いないでしょう。
それから、まさか澤井健先生の新作(?)が読めるとは思ってもいませんでした。
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総統閣下シリーズは好きだが、本にすると量が足りなかったのだろうか
冗長だった
説明のしかたが良いだけに残念
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副題は、インチキ数字に騙されるな。(2011年刊)
・本書の成り立ち
・登場人物紹介
・怪しいグラフ
・【漫画】ベクレルってなあに?
・原発対こうにゃくゼリーの決闘
・シーベルトを追え
・必殺の放射能1億倍
・ネット情報0指令
・疫学調査のひみつ
・科学コミュニケーションは誰のために
・焼肉屋の悪夢
・プロジェクト・風車
・【巻末付録】東浩樹×元木一朗 対談
・コラム
・総統閣下より愛をこめて
本書は、ユーチューブなど動画投稿サイトで人気を集めたMAD動画「総統閣下シリーズ」をベースとし、書き下ろしたものである。
本来、客観的であるはずの数字であるが、ある意図のもとに加工されることにより、歪められインチキ数字となる。本書では、いくつかの例をあげながら、メディアリテラシーの重要さを判りやすく、面白く解説している。
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「インチキ数字に騙されるな」との副題の通り、数字を使って人を惑わす輩を糾弾したもの。現代ほどこのような数学リテラシーが必要とされる時代はないのでは。