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『寄生獣』で一世を風靡した岩明先生の作品。構成がしっかりと練られていて、最初から最後まで物語を形作ってから執筆された印象(これは後の『ヒストリエ』でもっと炸裂)を受ける名著。伏線がどんどん回収されていく展開が心地良し。
南丸くんの呑気な三枚目っぷりが、『寄生獣』の宇田さんをちょっとだけ彷彿とさせます。
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SF……なのだろうか?主人公があんまり締まらないキャラで、後半は多少シャキッとするものの、寄生獣の新一やヒストリエのエウメネスのようにやる時はバシッとカッコよくキめてくれるキャラじゃなかった…。
とりあえず後書きを読んで内田樹氏の存在を知れたことは有意義だった。
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ヒストリエの続巻が待ちきれず岩明作品を渇望していたところ思いがけず文庫版が。予備知識なく読み始めたがグイグイ引き込まれる。これも続巻が楽しみ。独特のグロ描写は 昔からなのね。
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とある"世界"からのアクセスを題材にした、ハレの物語。
寄生獣の終盤を引き継いだかのような殺伐さと、どこかのほほんとした主人公の対比が興味深い。
淡々としみこんでくるかのように綴られる、歴史とSFの融合が面白く読めました。
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主人公が全然!主人公らしくないのがいい。
最初に読み始めた時、(え、これが主人公?)と本気で思ってしまったほど。
何の役にも立たなそうな超能力を持った主人公が、ひょんなことから不思議な村と関わることになり、実は主人公自身がその村と同じ血筋であること、そしてその超能力の謎を知る。
これだけを見るとひどく非現実的な話です。
まぁ話の核心はもっと非現実的です(笑)
それでも不思議とリアリティを無くさないのは、主人公が主人公らしくないからだと思います。
ホント、どこにでもいるような人なんです(やるときゃやるんですけどね。)
最終話の主人公。
「………世界中のことテレビでざっと見て、わかった気になったって!そんなのウソだぜ!………」
と、やたら長ったらしい台詞があるのですが、作者の叫びがまさにこの数ページに集約されている!
題材になっている超能力とかの非現実的なものって、現代人が漠然と抱える"何か"を具現化したものなのかなって感じました。
将来への不安とか閉塞感とか。そんなマイナスな"何か"。
SFとかミステリとか民俗学とか、そういう系統が好きな方は特にオススメ。
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寄生獣ほどではなかった。岩明均の全てを描かないところに美徳のようなものを感じるけど、それが物足りない人は消化不良に終わるかもしれない。
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城普請ふしん お屋形さま 頭巾ずきん 新技能開拓 スプーンでしゃくりとったような穴 穴のあいた甲冑かっちゅう 地方豪族・丸神まるかみ家 カササギの旗 豊臣秀吉の朝鮮出兵以降 逢瀬を楽しむ 手が届く者 窓を開いた者 有効利用 みなみまる南丸洋二
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民俗学的な要素があるものが好きだと言ったら友人が勧めてくれた作品。
丸神の里にしか伝わらない能力、手が届くものと窓の外が見えるもの。
村の人間は能力(手が届くもの)を怖れているけれど、南丸は有効に使えないかと思案する。能力を持っていたとしても、あくまで道具であると言い切れる南丸とそうではない人々。植え付けられた畏怖は多くの大人達の中にこびりついている。本人達はそのコミュニティが如何に狭いかに気が付かない。
この村にいなくたって、誰だって狭い世界で、何かに囚われながら生きているのかもしれない。でも中にいるとそれに気づきにくい。南丸は見方を変えなさい、もっと広く世界を捉えなさい、と言う。
りんごの国だと、主人公は続く連鎖を止めようと必死になる訳だけど、こっちは受け入れて利用しようとするアプローチの違いが良い。
村の人は結局失われた丸神山をすぐに元に戻して、祭りも行うエンドがかなり好き。そう簡単になかったことにはならないもんね。
力を使い続けたときの、【神のようなもの】に近づいていくデザインが好き。力を使わないと印が消えていくのはうーん、って感じだったけどまあ細かいことはいっか。