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クリステンセン氏のシリーズの中では一番とっつき易かったです。非常によくまとまっていると思いました。個人的には翻訳の日本語が良かったです。
内容は、イノベータと呼ばれる人の行動特性をまとめたもので、『発想する会社』などに近いようなことも書かれています。読む人によっては新鮮さに欠けるかもしれません。
イノベータの才能は生まれつきの特殊な才能ではなく、行動を真似ることで鍛えることができる、というようなことが書かれています。確かにそうなんですけど、一方でお手本は、イノベータを地で行っているような人達なんですよね。彼らが先人の行動を意識して真似てトレーニングを積んだ結果、現在の場所にいるのかというと、そうも見えないです。地道に力をつけることと、何かに没頭し続けて突き抜けることの間には、やはり壁があるような気がする、というのが率直なところです。
とはいえ、最後まで飽きずによめる面白い本でした。
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「イノベーションのジレンマ」、「解」、「解 実践編」と続き、どんな内容になるかと思い、読み進めると、今回は個人のイノベーション能力に関しての記載が、5章分もあり、今まで、敷居の高さや、自分ごととして読み進められない読者の方にも、読み進めやすい内容となっている。
著名なイノベータから、一般的には無名な起業家までを、長期間かけて調査し、イノベーションを起こす個人の5つの能力を定義している。
5つの能力とは、関連付ける力、質問力、観察力、ネットワーク力、実験力の5つと定義。後半では、組織におきる5つの能力(DNA)を、組織にどう根付かせるかを、3つの観点から語っている。3つの 観点とは、人材、プロセス、哲学。
組織におけるイノベーションも、個人にフォーカスして、語っている部分が、今時でかつ、今までに以上に共感を得る内容になっているように思う。
組織に所属する方でも、今後起業を考えている予備軍の方にも、バイブルとなる内容になってますね。
巻末に、実践時に使用が可能な、マニュアルなどもありますので、そちらを参照しましょう!
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この本は、本物だ。「破壊的イノベータの5つのスキル」との副題だが、創造的に何かに取り組みたい全ての人に役に立つエッセンスが、分かりやすく書かれている。何度も読み返したい名著。
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2010年頃Harvard Business Reviewでもイノベーションを特集していたように思うが、今回は一冊の本にまとまって非常に内容の濃い、しかも経営者だけでなく一人一人がイノベーションを生む力(質問力、観察力、ネットワーク力、実験力など)を伸ばすヒントがついているのがうれしい。
前作では高かったハードルが、コンテンツ的にも、読みやすさにも良い意味で今回は下げられたような感じで、自己啓発に近い内容になってます。内容がとにかく濃いので、再読予定。
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クリステンセンのイノベーションシリーズ、個人編。
"ジレンマ"の頃は正直に面白かったのに。
結局はスマートなリスクを取れるための、人材、プロセス、哲学(3P)が重要だという、ある意味お決まりの議論。
なぜかこの手の本は決まって、どの経営幹部も気づいてないような事実を教えてやろう、というスタンスが見え隠れする。でも、程度の差こそあれ、たぶんどの経営幹部も気づいてるし、分かってる。この温度差がもやもやする。
気づいているのに実行できない理由(心理的障壁、組織的障壁、そもそもイノベーションって言葉で意味してるものが違う、などなど)を体系的にまとめあげたものが出ないもんかと期待しているのだけれども。
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自分が優秀だと感じる人は、常に疑問を持っていると常々感じていたが、そう感じていた自分の意見を肯定するような内容だった。
関連付ける力
質問力
観察力
ネットワーク力
実験力
一番印象的だったのは、「質問ストーミング」。
「質問筋肉が錆びているなら、筋肉を鍛え始めよう。」という一文に、ドキっとした。
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「発見力」がイノベーションを生み出すための鍵であり,関連付け思考という「認知的スキル」,質問力・観察力・ネットワーク力・実験力の「行動的スキル」から成る.イノベータは質問力・観察力・ネットワーク力・実験力を駆使してイノベーションの元になる『アイデアの成分』の在庫を増やし,関連付け思考により一見無関係に見える疑問や問題,アイデアを結び付け新しい方向性を見出す.
「発見力」の反対として「実行力」があり,分析力・企画立案力・行き届いた指導力・規律ある実行力が特徴である.
本書は,多くのイノベータに対する分析から,発見力(関連付け思考・質問力・観察力・ネットワーク力・実験力)を強化する方法を,個人およびチームに対して示している.
- 関連付け思考では,(1)深く精通している分野に他の分野のアイデアを取り込む,(2)深く精通している分野のアイデアを,浅い知識しかない探索中の幅広い分野に取り込む,を実行できるT型人間を目指せ.
- 質問力では「いまどうなのか」「なぜこうなったのか」「なぜそうなのか/なぜ違うのか」「もし~だったなら」という質問スキルを修得せよ.
- 観察力では,顧客がどのような用事を何を使って片付けるかを,意外なことや普通でないことに注目しして観察せよ.
- ネットワーク力は,会議への継続的な出席(専門分野1つ,無関係分野),アイデアを相談できる相手の幅(自分と異なる社会集団に所属)を広げる,などで伸ばせ.
- 実験力は,新しい経験をする,ものを分解する,実証実験や試作品を通じてアイデアを検証する,ことで身に付くろ.
最後に発見力を磨く5ステップ(優先順位を見直す,発見力を自己診断する,イノベーションに関わる切実な問題を探す,発見力を練習する,コーチを見つける)を説明する.そして,5ステップを練習することにより熟達をもたらし,熟達が新しい習慣・能力を生み出し,人と違う行動が取れるようになると行動を促している.
イノベーションを起こしている企業は,採用段階からイノベーション人材を見分ける方法を持ち,積極的に新しいイノベーションの血を取り入れていることがすごい.
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世界的に有名なイノベーターの思考傾向や歴史事実をを多分に盛り込んだ著書である。
本書を読めば、イノベーターたるものの思考はおよそ理解できる。また、イノベーターに必要な要素も理解できるであろう。
しかしながら、イノベーターに憧れる人であれば、既読の書にて類似の内容を習得したことも多いため、新鮮味に欠けると感じる人もいると思われる。
そういった意味では、イノベーターに興味を持ち出した人が読むに適しているレベルではと思う。
とはいえ、全体を通じよく考察された内容であり、学ぶべきポイントが的確に示されている点を鑑みると、良書といえる。
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前半部分と最後は面白いが、途中は普通。
結局、分かっているけど、それが出来る人と出来ない人がいる・・・ってことではないのかなー?
人事制度を考える人は読んで、組織のイノベーションを高める工夫に使えるアイデアがあるのではないかと思った。
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イノベーションシリーズの最新刊。ジョブスも第一作の「イノベーションのジレンマ」を読んだと。そのアップルの事例もひもときながら、数々のイノベーターにインタビューした結果から、イノベーションを起こす人、企業には何があるのかを調べる。それは、「関連づけ」「質問」「観察」「ネットワーク」「実験」であると。確かに、このような行動をする人はイノベイティブでクリエイティブであると思う。今、仕事でイノベーションを求められているので、実践してみよう、と思う。
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イノベータの5つのスキル(関連付け力、質問力、観察力、ネットワーク力、実験力)とイノベーティブな組織の3つの秘訣(人材、プロセス、哲学)を紹介。
以下、心に残った文章。
『一般知能はほぼ遺伝的に受け継がれた特質だが、創造性はそうではないということになる。こと創造性に関する限り、「生まれより育ち」なのだ。』
『イノベーションは全員の仕事だ、研究開発部だけの仕事ではない』
『イノベーションがラディカルであればあるほど、プロジェクト・チームは、既存の事業分野や体制からより自律的にならなくてはならない。』
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イノベーションのジレンマや、イノベーションの解などにくらべると数段理解しやすく、また今をときめくイノベーション企業の例に基づいて書かれているので、内容もイメージしやすく。すっきりとはいってきた。
内容的にはいまイノベーションを求める企業が何をすべきかという内容であるが、今の日本の官僚的組織とは対極の組織の組み換えが求められる。
日本の政府や大企業はこのような方向にいくとは全く想像つかない反面、世のグローバル企業は確実にこの方向にむかっている。(経営層が本当にイノベータかは別として)
日本の経営層もこういった本をよんでほしいな~
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「イノベーションのジレンマ」で有名なクレイトン・クリステンセンの最新著書。その名著より遥かに読み易く、分かり易かった。イノベーションを生むための習慣や行動を具体的な経営者のケースを基に検証している。その事例が自分の好きなセールスフォースドットコムやイーベイ、アマゾン、アップル、P&Gなどだったのでイメージもしやすかった。
やっぱり本質的にその仕事(遊び??)が好きでそれにのめり込む中で関心の領域が生まれ、イノベーションが生まれるんだなってことを再認識した。
ハーバード・ビジネスレビューの論文は簡単なことを難しく…なものが多いので読みながら寝てしまうことも多い(笑)けど、この本は1日で読み終える珍しい一冊でした。。。
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多くの優良企業が、優良企業であり続けようとするが故にイノベー
ションから遠ざかるという逆説を描いてビジネス界に衝撃を与えた
『イノベーションのジレンマ』以来、イノベーションの研究を続け
てきたクリステンセン教授。最新の研究成果をまとめた本書では、
イノベーションを起こす人=イノベータに光を当てています。
ちなみにここで言うイノベータとは、「イノベーティブな経営者」
のこと。中でも、アップルのスティーブ・ジョブズやアマゾンのジ
ェフ・ベゾスなどのイノベーティブな創業者に注目しながら、イノ
ベータの本質(=DNA)は何かが明らかにされます。
イノベーティブな経営者に注目するのは、イノベーティブなリーダ
ーの存在がイノベーションの必要条件だというのが、長年にわたっ
てイノベーションの研究をしてきた著者達の結論だからです。つま
り、スティーブ・ジョブズのような経営者が出てこない限り、組織
はイノベーティブになれないし、イノベーションも起こり得ない。
何とも身も蓋もない結論なわけですが、ならばジョブズのようなリ
ーダーになるための方策を考えればいい、というのが著者達のスタ
ンスです。それゆえ、イノベータの秘密を探り、共通する特質を模
倣可能なスキルとして抽出することに本書の主眼が置かれます。
そうやって抽出されたイノベータのスキルが「発見力(Discovery
Skill)と総称されるものです。それは、「質問力」「観察力」
「ネットワーク力」「実験力」と「関連づける力」の五つから成る
ものと説明されます。
平たく言えば、「現状に異議を唱える挑発的な質問をする。人類学
者のように世界を観察し、驚くべき洞察を得る。さまざまな背景や
経験をもつ人たちとのネットワークを通して、斬新なアイデアを触
発する。実験を何度もくり返し、有効な解決策を生み出す」ことが
できる人がイノベータで、その一番の特質は、「まったく異なるア
イデアや経験を関連づけて、驚くような解決策に仕立て上げる」能
力だということになります。
この「驚くような解決策」を見出す「発見力」に対置されるのが、
「実行力」(Delivery Skill)です。「実行力」は、事業を形にし
たり、組織を維持したりするのに求められる能力で、大企業になる
と、この「実行力」支配的になるので、イノベーションが起こせな
くなる。だから、「発見力」を取り戻せるよう、個人としても、組
織としても努力することが必要だ、というのが本書の論旨です。
とてもわかりやすいですね。このわかりやすさが本書の魅力ですが、
同時に、こうやって「発見力」などというものをわざわざ議論しな
いといけないところに経営学のつまらなさを感じたのも事実です。
何故かと言えば、本書で言う「発見力」は、子どもには当たり前の
ことばかりだからです。イノベータとは、要は、子ども心を忘れな
い大人達のことを言うのでしょう。そう考えると、おすすめしてお
いて何ですが、本書を読むような時間があるなら、子どもと遊んだ
り、自然と戯れたりして、子ども心を取り戻すことのほうがずっと
大事なのかもしれません…。
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▽ 心に残った文章達(本書からの引用文)
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イノベーティブな企業はほぼ必ず、イノベーティブなリーダーが陣
頭指揮を執っている。つまり結論は、イノベーションを望むなら、
最高経営層に創造的スキルをもつ人材が必要だということだ。
イノベーティブな起業家(兼CEO)は、イノベーションを生み出し
た実績のないCEOに比べて、発見に関わる行動(質問、観察、実験、
ネットワーキング)に1.5倍もの時間を費やしていた。
ほとんどの経営幹部は実行を得意とし、分析、企画立案、行き届い
た導入、規律ある実行の四つの実行力に秀でている。
成熟し、衰えてゆく組織は、一般に実行力の高い企業幹部に牛耳ら
れていることが多い。
大組織の企業幹部のほとんどは、どうすれば人と違う考え方ができ
るのかを知らない。それは社内で学べるようなことではないし、ま
してやビジネススクールで教わることでもない。ビジネススクール
は、発見ではなく実行に長けた人材を育てるところだ。
イノベータは、自分とまったく違うネットワークをもつ人たちと話
すことで、往々にして新しいアイデアが刺激されることを、直感的
に知っているようだ。
質問、観察、ネットワーキングは、過去(どうだったか)と現在
(どうなのか)についての情報を与えてくれる。だが将来成功する
方法について手がかりを得るには、実験に勝る方法はないことを、
優れた実験者は心得ている。
われわれが調査したきら星のような諸企業は、ただ失敗を許容する
だけでなく、失敗を避けては通れないもの、つまりイノベーション・
プロセスの一部な自然とみなしていた。そのうえ、誰でも創造性を
発揮できるという信念のもとに、チームを小さく保ち、社員に仕事
を任されたという意識と責任感をもたせていた。
秀才や天才には大きな力があると、ほとんどの人が本能的に信じこ
んでいる。だが個人が組織の業績を高めるだけではない。プロセス
や哲学を含む組織の力も、人材が優れた成績を上げるのに欠かせな
いのだ。イノベーション・プロセスと経営資源次第で、B級の人材
をA級に変えられるし、もちろんその逆もあり得る。
「イノベーションでは、袋小路にはまることは避けて通れない。行
き詰まらずしてイノベーションはあり得ない。だが時折、袋小路を
歩いていると、大きな広い道に出ることがある…だから、どんな袋
小路にもはまる価値がある」(ジェフ・ベゾス、アマゾン創業者)
「大事なのは知的好奇心であり、探究心だ。間違いを犯すことにワ
クワクすることだ。間違うことでこそ、新しいものを発見できる」
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●[2]編集後記
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まだまだ寒い日が続いていますが、暦の上では「立春」が過ぎて
「雨水」。土が潤いを取り戻し、生命が脈動を始める時期です。
実際、出張で放ったらかしにしていた畑に2週間ぶりに行ってみた
ら、作物達が急速に力を取り戻し、旺盛な成長を始めていました。
冬の間はうなだれていた植物達が、上を向いて青々と繁り始めてい
るのを見ると、ついに春がやってきたんだなと嬉しくなります。
同時に、季節の巡りの早さに、今更ながらに驚かされもするのです。
この間冬になったと思ったら、もう春。一年がたつのもあっという
間です。震災からもぼちぼち一年。人の思いとは関係なく、時は流
れ、季節は移り変わるのですね。時は無情で、無常です。
仮に80歳まで生きられるとしても、こうして春を迎えられるのは残
り40回もありません。人生はほんとにうたかた。うたかただからこ
そ、発見に満ちた豊かな旅にしたいものです。
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イノベーションを起こすために必要な5つの要素(関連付ける力、質問力、観察力、ネットワーク力、実験力)は、どれも大事。特に関連付ける力は、日々のトレーニングで地道に向上できる領域だけに、これから取り組んでいきたい。