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羆猟なんて一生やらないだろうし、そんな根性もない。だけど、俺らが望んでる自然との関わりは全部この本に詰まってる。焚き火の匂い、川が流れ石を削る音、音の無い闇。そこにはシンプルな感情と美しさがある。そうだろ?アル中になったお前。
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著者の出会った一匹の猟犬が魅力的です。著者がハンターとしての腕を磨く過程と、この賢くて気の利く猟犬との生活は、すごく面白かった。
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自然とともに生きること。言葉では簡単だが、プロのハンターとして生活していくことは、想像を絶する世界である。主人公である久保さんが、初めて熊を撃った時のリアリティさ、命のやり取りをする動物たちとの対等な関係、その動物たちと同様自然の中で研ぎ澄まされる五感。
自然や動物に対する深い愛情と畏怖の念が凝縮され、読む者の心まであわられるようだ。
また、自ら育て上げた猟犬フチとの深い深い信頼感で結ばれた関係も見事に伝わってくる。
北海道の自然を背景としたこの1冊。今年のベスト作品である。
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平積みの装画が目を引き長い事気になっていたが、文庫になっているのをやっぱり平積みで見かけたので購入。
プロのハンターさんが書いたそうだが、これは普段から物書きしている人じゃないのか!?と何度も疑ってしまうほど、読みやすい本。
するする読めるので2日程で読破。
自然の描写がすばらしい。
また、狩りの作法をしらない人でも想像しやすい親切な書き方。
ハンターという未知の世界なのに、気付けばその光景を想像してしまっている自分に気付く。
帯に書かれている「美しき猟犬との絆」に、美しいとはどれ程のものかとちょっと上から目線に思ったが、読んでるうちに完全に猟犬フチの虜いなってしまった。これは美しい!!
甘やかしたり、うわべで褒めたりしないような著者さんが、フチを色々と形容するたびにフチの素晴らしさが伝わってくる。
でも、親バカなとも思う。笑
でも、それも素敵だった。
二人の絆にとても感動し、泣いた。
空港で飼い主と再会するフチのシーンが特にお気に入り。
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自然に対する畏敬の念、獲る命に対する責任感。
文章の構成はそれほどうまくないけど、部分部分の臨場感はすごい。
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手を伸ばせば、その凍える雪に触れられそうな圧倒的筆力。不覚にも電車内で、相棒との永遠の別れに涙し、飯盒の残りめしに腹が鳴りました。タイトルのわりには老若男女を問わないと思いますし、読む価値はかなり高い、と断言します。
というPOPを立てて販売しています。
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古典的でありつつも前衛的なクマ(マタギ系)小説。アメリカでのハンター修行のエピソードが含まれているのは、この手の小説では珍しい。
「熊との死闘」というよりは、「孤独な鍛錬」という感じ。猟の様子が緻密に描写されている。
前半は比較的淡々と話が進んでいくが、終盤、猟犬フチとの別れのシーンは涙必至。
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北海道で羆、鹿等を獲る猟師だった著者による体験談。北海道の厳しくも美しい大自然を背景に、山中での数日に及ぶ追跡の末に羆と対峙する狩猟の体験が感動的である。著者が北海道犬の子犬を熊狩りの名犬に育て上げる話、アメリカのプロハンターガイド養成学校での留学体験等興味深いエピソードも多い。雪中のキャンプ、早春の山河等の自然描写も素晴らしい。名ハンターは、名文章家でもある。
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狩猟シーンの動物が生き絶えていく描写がリアルで、いたたまれなくなるが引き込まれる表現力。
愛犬フチとの絆が涙を誘う。
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展開に波が少ないようにも感じたが、その分自然の中で過ごす日々の描写が丁寧で、臨場感溢れる文章だった。
動物の痕跡を追跡して対峙して仕留めるスリリングさと、それらの動物を含めた自然への畏敬など、様々な要素が入り混じり、盛りだくさんの作品だった。
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素晴らしいです。狩猟経験がなくとも、まるで自分が山の中を歩き、せせらぎや鳥の声を聞き、落ち葉や獣の臭いを感じているかのような気分になります。野性味あふれる料理や食事の描写も実においしそう。
文章も勿論ですが、「パファーン」「ドチュン」といった擬音語が臨場感を高め、上手だなと感じました。
久々に号泣しました。清らかな気持ちになれる良書です。
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生きることの真剣さ、命に対する真剣さがひしひしと伝わってくる。森や山での静寂が手に取るようにわかり、自分自身も山の中へ分け入っている気持ちになる。
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序章を除き、愛犬フチの登場までは、自然の中で営まれる暮し、兎、狐、鹿や羆などとの勝負が続き、自然との共存や命の大切さ、生きる者の責任という事柄を考える。根本的には同じことの繰り返しのため、飽きてしまう部分もあり、正直に言ってしまえばとても読むのは辛かった。
フチが登場してからは一変、展開が変化し、アメリカへ留学したり、その先での出来事などは興味深い内容が多くあった。
しかし、具体的にどこのページであったかは忘れてしまったのだが、初めて使用するライフルを練習も無しに羆へ発砲し仕留めてきたり、他にも、「これって、本当のこと?」と疑問に思ってしまう箇所があったのは読者として歯痒い。
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プロのハンターとして、20代に狩りだけで生活した著者の若き日を綴ったメモワール。五感を研ぎ澄ませて山に入り、自然と対峙する孤独と自由。狩りというのは具体的にこのように行うものなのかということも初めて知ったが眼からウロコだった。食糧として持参するのもわずかな米と塩程度。あとは川で魚を釣ったり、獲物が仕留められれば解体したそばから心臓を食べたり。ビバークして明けた厳寒の朝、飯盒でわかした雪を白湯にして飲み、雪に混ざっていた落ち葉が香ばしい香りをつけていてうまい、なんていう経験は絶対にできないだろうと思うと、こういう生き方を選ばなかったことが残念に思われてくる。
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就職はせず、猟師として生きる道を選らんだ著者の半生記。自然そして獲物を斃すまでの情景、駆け引き、心の動きなどは、ヒシヒシと迫ってくる。良い悪いではなく、日本とアメリカの猟とハンターの違いなども垣間見られる。何より、猟犬フチとの出会い、そして別れは、思わず涙してしまう。犬を飼っている読者には、何ともいえず胸にこみ上げてくるものを禁じ得ないであろう。
そして、本書「あとがき」まで読み進んで、初めて著者が、ドキュメンタリーTV番組「大草原の少女みゆきちゃん」のお父さんだったことを知った。何か、ストンと胸に落ちるもの感じ、納得できた。すでにお母さん(奥さん)が急逝されていたことも本書で知った。遅ればせながら、ご冥福をお祈りいたします。