投稿元:
レビューを見る
「ニコ動を知っている人も知らない人も…」なんていう安易な感想の枕詞を思い浮かべつつ読み始めたら、実態はそんな軟派なものじゃなくて正真正銘、ニコ動ユーザーとボカロを知る人に向けたニコ動ボカロ賛美SF小説だった。ニコ厨かつボカロ好きかつSF読者でこれを読まないのはもったいなさ過ぎる。いろんな意味で刹那的な作品。
投稿元:
レビューを見る
なんというか、ここまで元ネタのわかる小説っていいのか?
という疑問のほうが先にきたり。
いろんな所でしっかりSFしてるのでハヤカワなんだろうな、と。
もうちょっとキャラよりになればもっとライト系のレーベルでなければ
合わなかったとおもうし、結構ギリギりな線ではないかと。
ま、面白いのでいいんですが。
最後はイカロスだよなぁ。。。と思いながら。
投稿元:
レビューを見る
大変嬉しい久しぶりの新作。
意外なアイデアからの宇宙への旅、異星人とのファーストコンタクトという作者の定番が嬉しい。面白く読ませてもらいました。霧子ちゃんも懐かしい。
ただ私はニコ動と初音ミクもあまり興味ないので4話目よりは1~3話が楽しめた。
小隅 黎氏もこの作品を読んで喜んでいるといいですね。
投稿元:
レビューを見る
即購入して、ずっと積んどいてやっと読み始めて、一気に読んだ。
表題作に関しては面白いんだけど、普通にラノベっぽい冒険チャレンジものという感じ。実は最初の方にちょっと目を通して、積ん読事になったのはそれが理由だな。
一気に読んでしまったのは、野尻さんのいつもの、メチャ明るく前向きの表現もあるけれど、2篇以降のテーマが軌道エレベータ、ファーストコンタクト、星間文明。めちゃ楽しい。
さすが野尻P。ボカロやニコ動のノリがどうしてもNGって人(いないと思うけど)以外は素直に楽しめると思う。
投稿元:
レビューを見る
思えば「神秘の島」のサイラス・スミス技師も、「キャプテンフューチャー」ことカーティス・ニュートンも、「こんなこともあろうかと」(実際言ってないらしいけど)の真田さんも、その卓越した科学の知識で困難を切り抜け事件を解決してきたというのに、だ。
いつから科学はワルモノになって、自然がイイモノになってしまったのだろう。SFの世界の中でさえも。
―――てなことをもいもいと考えていたので、だからこそ、明るい未来を謳ってくれる「技術の無駄遣い」な、このシリーズが一冊の本にまとまったことは嬉しかった。しかも書き下ろしつきで!
ニコ動ユーザー、とかもボカロことボーカロイドのファンでないと(ある程度の知識がないと)、さっぱり話がわからないだろうということや、登場人物が全員「好意の人」であり、善人すぎる。ご都合主義的だという面は確かにあるにしても、だ。
かくいう自分も相当のニコ厨であり、ボカロ好きではあるけれど、ただ、一番印象に残ったのは「コンビニエンスなピアピア動画」で、主人公が「真空殺虫器に適応した新種の蜘蛛を発見する」場面。
ここだった。
ヒロインにとっては「ただの蜘蛛」だったものが、知識を持った主人公が見れば違うものになる。
さかなクンが絶滅したと思われたクロマスを「発見」できたのは、彼がマスに関する膨大な知識を持ち、鋭い観察眼を持っていたからに他ならなかったのと同様に、「正しい知識を持つ(身につける)」ことの大切さ、自分の周囲の事象に論理的に敏感であることがいかに大切であるかということを痛感させられたのだ。ここで。
そして「星間文明とピアピア動画」。あーやきゅあにネコ耳つけてなんになるんだ、というつっこみに対して、山下が言い放った台詞が、学生時代の文化人類学の教授が言い放った言葉と一緒だったので―――
その教授のいわく。
「人間と動物の最大の違いはですね。人間は、オトナになってもムダなことをするんですよ。つまり、遊ぶんです。生存に直接関係がない、ムダなことばっかりするのが人間なんです。わかりますか? 動物は真面目なんです」
科学と技術の無駄使いをしている限り(フリーソフトに物理演算積むとか、キューブサットにミクのっけて打ち上げて、ネギふらせるとかね!)、未来は明るく、楽しいものになるはずだ。
……それにしても、「星間文明と……」は、あれは反則というか卑怯すぎるなあ。また電車の中で目を真っ赤にしている怪しい人になってしまったじゃないか……。MMDであーやモデル早くでないかなー。
投稿元:
レビューを見る
子供のころにドラえもんを読んで夢見ていたような輝かしい未来を、今の時代からもう一度語り直したような本だと思った。震災後の日本のこの状況のなかで、明るく希望に満ちた未来を脳天気に力強く描く物語が生まれたことは価値がある。
投稿元:
レビューを見る
ブートストラップの話があったけど、本作でやっているのがまさにそれで、「ニコニコ的ネットコミュニティに、こんな事件をつっこんだらどうなるか?」を描いた物語と感じた。
なんとも楽天的で頼もしい物語だと思う。
ピアピア動画は、ニコニコ動画ではない(作者の期待の入り交じった理想の姿)ですが、その他の固有名詞(津田大介とか!)は現実とリンクしていたりするので面白いです。
投稿元:
レビューを見る
技術部の「とりあえずやってみようぜ」の行動が
未来を作っていくところに希望がものすごい感じられて楽しかったなー。
拡散手段がコンビニ配送だったりして
ちゃんとSFしているのに身近なもののおかげで
これって自分たちの未来なんじゃね?
と思える。
短編集のようで実は最後につながっているのは、
技術はちゃんと事前に用意しておかないといけないんだぞ
というところに通じそう
投稿元:
レビューを見る
この著者の作品は、とても好きな作品ばっかりだったのだけど、人気が出て疲れたのか、ひどく寡作になって、その後ニコニコ動画にはまっていることをしるとともに、羽ばたいて飛ぶぱんつとかやってて、なにしてんだーってカンジだった。楽しそうだったけど。
新作はでないし、もう働かないで済むだけ稼いじゃったのかなぁとか、下世話なことを考えてたり。
で、ひさしぶりに出た作品が、南極点のピアピア動画って、いかにもニコニコ動画的なタイトルと、初音ミク的なキャラ絵の本作。
正直なところ、う~んって思いがなかっとは言わない。
でも、読み進めてみると、しっかりとした骨格のあるSFだった。
むしろ、ニコニコ動画的な、コラボというか、そのSNSを介したた人間のつながりと動きという実態を見ているだけに、よりリアルに作品を理解できた気がする。
たとえばだけど、これを10年前に読んだとして、この物語をなす人間同士のつながりというか、盛り上がりを理解できるだけのものはもていなかったと思う。
この物語が普遍性を持って生き残っていくのか、それともはやりものを扱っただけの作品なのかは、正直自分は分からない。
それでも、現代のネットワーク上にあるモノと事象を知りつつみるこの作品は、それ故に今の時間にリニアにつながっているように見せてくれて、現実の拡張した先にきれいにSFを演出してくれているように見えて、とてもワクワクして読んだ。
表紙とタイトルで誤解を生みそうだけれども、それは本当にもったいない。
短編で徐々に広がっていく風呂敷と、その後きれいにまとめるさまは、見事というか、本当にすごい。
多くの場合、壮大過ぎるとチープになることもあるのに、すべてがすっかりかみ合っている感じ。
これは楽しいし、心地いい!
投稿元:
レビューを見る
ニコニコ動画と初音ミクに心酔している人は絶対に読むべき。逆に動画サイトやボーカロイドに興味がない人には、なんのこっちゃな小説かもしれない。
状況にブレイクスルーを与えるきっかけが突拍子もなかったりするけど、それも含めてきっちりSF。情報や状況が拡散していく様子が、とにかく気持ちいい。決してノリだけで書かれた小説ではなく、ちゃんとSFになっている。それでいて決して難しくはなく、物語の拡散にあわせてどんどん読み進められます。かなりオススメです。
投稿元:
レビューを見る
地球の文化に影響を与えたくないという割にはあーや増えすぎだよねぇ。あんなに複製して存在したら影響ないわけないし。ってのは分かった上で接触しにきてるってことなのかな? まあ、神じゃないし、知的好奇心を満たすことが目的であればそっちが優先されるか。
投稿元:
レビューを見る
野尻抱介さん5年ぶりの新刊です。Amazon での予約開始直後に注文したはずだったのですが、みごとに konozama を食らってしまいました。
まあ、ワンカップPさんの動画を思い出して、なんだか懐かしい気持ちになりましたけどね。こういう状況ですら楽しんじゃおう!というノリは、きっと人生を面白いものにするのではないかと思います。
……というわけで、つい先程読み終わりましたので、さっそくレビューさせて頂きます。
[続き]
http://wildhawkfield.blogspot.com/2012/02/blog-post_26.html
投稿元:
レビューを見る
前向きで明るい宇宙系SF。
ニコ厨で有名な野尻さん(失礼だったらごめんなさい)の作品なので、ニコ動、ボカロ好きはSFに興味なくとも読んで損はない楽しい作品。
良い意味でも悪い意味でも3.11以降は近未来といえば作家が図らずも重苦しい雰囲気の物語が増えた気がするが、その中でもある意味脳天気で明るい力強さを感じることのできる一作。それはGoogleがCMで初音ミクを採用したように、”繋がる”ことの大きな力。
圧倒的な“才能の無駄遣い”の集合知は本人たちすら思いもしない躍進的な一歩を繰り出すのかもしれない。
投稿元:
レビューを見る
予想以上にニコニ…もとい、ピアピアだった。
実在する動画投稿サイトの仕組みと、ボーカロイドが生み出した「文化」、それと夢あふれる未来を形作るSF的補強つけがうまくマッチして何ともカオスなモノになっている。
ここまで希望的というか楽観的なSFは久々だ。そしてハードSFなのにこのネット文化との親和性の高さw
この中には、その二方向だけではなくて、ファーストコンタクトの問題ややり方などについても(他のそれ系ガチSFと比べてはアレだが)言及されていて、特にプロジェクトを成功させるための、広告的方法・オープンソースを用いた全世界的な協力ネットワークとかはとても魅力的。
かつては個人のコネや伝手をたどらないと実現しなかったようなことが、SNSやコミュニケーションサイトでどんどんつながっていくようになるのか。
しかし、こんな楽天的なストーリだーだとどうしてもその暗部を考えたくなるものw
大なるところでは、地球外生命体との接触に係るありとあらゆる危険性。でもここら辺は既存のSFで十分過ぎるほど言われている(と思う)からいいかな。
個人的に思ったのは、例えば作中のようにピアピア動画を利用してプロジェクトを立ち上げたとして、それが注目される可能性は非常に低いのではないかということ。作中の例はまず、ネット上での知名度がぐんと上がったという設定になっているけど、現実のニコニコ動画に上がっている作品のうち再生数10万~は全体の○○%…ということもある。
有名になった→広まった→今、自分が知っている
っていう流れで見えているだけで、その裏側には数万倍の気にもとめられていない作品が漂流していると考えると…。
なんか、この1対多っていう構図は、現代の金とか情報とか色々なモノにも言えるような気がする。普遍的な問題なのかね?
投稿元:
レビューを見る
野尻さんファンでボカロ好きニコニコ好きなら読まない手は無いですよねw
潜水艦のだけはSFマガジンで読みましたが、通して読むと時間軸もわかりより面白く感じました。
ハジメテノオトのシーンはちょっとうるっと来ました。
あの曲はやっぱり特別だなぁと。
沈黙のフライバイよりちょっと柔らかく明るい未来を見せてくれるSFの良作だと思います。